生産活動におけるエネルギー・CO2削減

当社は、環境ビジョン2050実現に向けCO2ゼロの工場づくりを推進しています。この取り組みは気候変動対策への貢献、工場の省エネ、CO2削減、生産性向上やエネルギーコスト削減など環境経営の体質強化に寄与します。この中期は環境行動計画グリーンプラン2021を策定して「エネルギー」を重点課題のひとつと定め、工場においては「CO2ゼロモデル工場の推進」、「再生可能エネルギー利用拡大」、「エネルギーミニマム生産の推進」に取り組んでいます。CO2ゼロモデル工場の推進では、2019年度は中米コスタリカにあるパナソニック セントロアメリカーナ(株)(PCA)でCO2ゼロを実現しました。※1再生可能エネルギー利用拡大では、2019年度の自社拠点における再生可能エネルギー導入量※2は3.2万MWhとなり、2021年度目標である「自社拠点再生可能エネルギー導入量4万MWh」に向け順調に推移しています。エネルギーミニマム生産の推進では、各工場個別の取り組みを推進しています。2019年度のこれらエネルギー・CO2削減取り組みへの投資額は26億円※3でした。これら取り組みの結果、2019年度の工場の使うエネルギー量は1.85万テラジュール※4となりました。CO2排出量について、環境行動計画グリーンプラン2018の完遂まで、すべての年度の購入電力係数を固定して使用してきましたが、グリーンプラン2021の制定に合わせて、過年度のCO2排出量も含め、国別、年度別の電力係数※5に刷新しています。これにより、2019年度のCO2排出量は223万トンでした。当社は2019年8月、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す国際的なイニチアチブ「RE100」に加盟しました※6。2050年までにグローバルで使用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えるとともに、CO2排出ゼロのモノづくりを目指します。その他、当社は2030年を目指した電機電子業界を挙げての温暖化防止の自主行動計画である経団連低炭素社会実行計画に参画しています。具体的には、業界が掲げる目標「2030年に向けて、工場と大規模オフィスのエネルギー原単位改善率 年平均1%」の達成を目指して、工場などにおける省エネを着実に進めています。

※1 関連内容を参照
※2 非製造拠点に導入された再生可能エネルギー自社導入量を含む太陽光、風力、バイオマスなどが対象。ヒートポンプ含まず
※3 エネルギー・CO2削減に関する投資はすべて含む。ただし差額集計あるいは按分集計を行っていない
※4 2019年度より電力使用に伴うエネルギー使用量(TJ)を求める熱量換算係数を見直し、電力の熱量換算係数9.97GJ/MWh(日本の省エネ法に基づく)から電力量単位である3.6GJ/MWhに変更。これに伴い過年度に渡り遡及計算
※5 各年度購入電力の係数(kg-CO2/kWh)は以下のとおり。2013年度、2015年度:IEA CO2 emissions from fuel combustion2017(book2017)の国別電力係数、2016年度:同book2018の国別電力係数、2017年度、2018年度、2019年度:同book2019の国別電力係数を使用
※6 プレスリリース(2019年8月30日)
パナソニックが「RE100」に加盟 100%再生可能エネルギーによる事業運営を目指す

生産活動におけるエネルギー消費量

生産活動におけるエネルギー消費量:2015年度2.00万テラジュール、2016年度1.94万テラジュール、2017年度2.00万テラジュール、2018年度1.94万テラジュール、2019年度1.85万テラジュール

生産活動におけるCO2排出量と原単位

生産活動におけるCO2排出量の推移は、2013年度は334万トン、2015年度は256万トン、2016年度は248万トン、2017年度は240万トン、2018年度は235万トン、2019年度は223万トンでした。CO2排出量原単位の推移は、2013年度を基準年度として100としたとき、2015年度は78、2016年度は78、2017年度は70、2018年度は68、2019年度は69でした。

生産活動におけるCO2排出量(地域別)

生産活動におけるCO2排出量(地域別)。日本「2019年度:103万トン/2018年度110万トン/2017年度:113万トン」、中国・北東アジア「2019年度:59万トン/2018年度:62万トン/2017年度:62万トン」、東南アジア・大洋州「2019年度:46万トン/2018年度:50万トン/2017年度:51万トン」、北米・中南米「2019年度:7万トン/2018年度:4万トン/2017年度:5万トン」、インド・南アジア・中東阿「2019年度:5万トン/2018年度:5万トン/2017年度:5万トン」、欧州・CIS「2019年度:3万トン/2018年度:4万トン/2017年度:4万トン」

※7 CO2排出量を、全社の売上高で除して算出した「CO2原単位」の2013年度対比の改善率を算出
※8 燃料関係は環境省温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル(Ver4.6)の係数に基づく

CO2ゼロモデル工場の推進

グローバル各地域(日本、中国・北東アジア、東南アジア・大洋州・インド・南アジア・中東阿、北米・中南米、欧州・CISの5地域)でCO2ゼロモデル工場を1工場以上実現するという目標に対し、3地域6拠点でCO2ゼロモデル工場を実現しています。
2019年度、パナソニック セントロアメリカーナ(株)(PCA)では、太陽光発電システムの導入に加え、再生可能エネルギー由来電力の調達などによりCO2ゼロモデル工場を実現しました。
日本では、2018年度にパナソニックグループの家電リサイクル工場であるパナソニック エコテクノロジーセンター(株)(PETEC)でCO2ゼロモデル工場を実現しました。北米・中南米地域では、パナソニック ブラジル(有)(PANABRAS)のエストレマ、サンジョゼ、マナウス3工場とPCAの計4工場で、欧州・CIS地域では、パナソニック ベルギー(株)(PECBE)でCO2ゼロモデル工場を実現しています。今後は同地域内での横展開に加え、他地域でのCO2ゼロモデル工場実現に向け取り組みを推進します。

工場エネルギー・CO2削減の推進

エネルギー・CO2削減を確実に実行するためには、工場の各施設のエネルギー使用状況や対策による削減効果の見える化が重要です。
これまでグローバル全製造拠点において4万点以上の計測装置やファクトリーエネルギーマネジメントシステム(FEMS)を導入し、エネルギー使用状況の見える化や分析を行うメタゲジ※9を推進することでCO2削減に取り組んでいます。

※9 当社の造語で、メータやゲージなどの計測器を導入してエネルギー使用量を見える化し、測定可能な削減対策を実行すること

各工場の取組み

継続的にエネルギー・CO2を削減する活動は各工場でも積極的に推進しています。2019年度は「令和元年度省エネ大賞」において、省エネ事例部門の省エネルギーセンター会長賞などを受賞しました。
その他、「令和元年度 省エネルギー月間四国地区表彰」において、エネルギー管理優良工場等(四国経済産業局長表彰)を、徳島県主催の「令和元年度 気候変動アワード」において、気候変動アワード賞を受賞しました。

●省エネルギーセンター会長賞
パナソニック株式会社 ライフソリューションズ社 津工場
「省エネとBCPを融合させたマザー工場主導でのグローバル展開」
配線器具のマザー工場である津工場において、BCPと融合させながら様々な省エネ活動を推進し、その中で確立した手法や知見を国内外の他拠点へ展開している事例で、他部門や外部会社との連携やBCP対策として太陽光発電を導入したこと等について高く評価いただきました。

●エネルギー管理優良工場等(四国経済産業局長表彰)および 気候変動アワード賞
三洋電機株式会社 インダストリアルソリューションズ社 徳島工場
自治体へ提出する報告書を通じエネルギー管理の推進と取組み成果を高く評価いただきました。

また、2018年度の省エネ大賞において、経済産業大臣賞(節電部門)を受賞したマニュファクチャリングイノベーション本部が開発推進する「スマートEMS省エネ自動制御」を中国のパナソニック エナジー無錫(有)に展開導入しました。電池の極板製造工程では、製造品質担保のために低湿度環境を維持する必要があり、大量に空調エネルギーを消費します。従来の一定条件手動制御ではなくスマートEMS省エネ自動制御により、季節による外気温変動や生産条件による必要負荷変動に対して、AIを用いた自律制御で最適追従させることにより、過不足ない空調制御が可能となり、対象工程で約13%の省エネを実現しました。今後もこの技術を広くグローバルに展開し大きなCO2削減を実施してまいります。

省エネ大賞受賞
エネルギー管理優良工場等受賞
スマートEMS導入

再生可能エネルギー利用拡大の取り組み

当社は再生可能エネルギーの利用拡大に向け、太陽光発電など地域ごとの特性に応じた再生可能エネルギーの自拠点導入もグローバルで積極的に推進しています。2019年度の主な事例としては、中国、日本での太陽光発電システムの導入があります。中国では、当社の第三者保有リーススキームを通じてパナソニック製太陽光電池モジュールHIT®を含む太陽光発電システム導入を進めています。パナソニック デバイス青島(有)(PIDQD)では発電容量701kWを2019年4月に導入しました。パナソニックマニュファクチャリング 上海(有)(PMFSH)では発電容量792kWを2019年6月に導入しました。パナソニック・普天通信設備北京(有)(PMCB)は発電容量398kWを2019年9月に導入し、2019年下期の実績で239MWhの発電があり拠点の電力使用の約21%を賄うことができました。加えて、日本では家電リサイクル工場であるパナソニック エコテクノロジーセンター(株)(PETEC)において、発電容量約330kWの太陽光発電システムを導入しました。同事業場では、既に導入済み分を加え624kWの太陽光発電設備を有し、年間使用電力の約9%を太陽光発電で賄うとともに、再生可能エネルギー由来電力の調達、非化石証書および化石燃料由来CO2の排出をオフセットするクレジットの活用、によりCO2ゼロモデル工場の実現を2018年度から継続しています。

このような取り組みや、既設の事業場の太陽光発電システムの本格稼働等により、2019年度の再生可能エネルギー自社導入量は、当社全体※10で3.2万MWh※11になり、2021年度目標である「自社拠点再生可能エネルギー導入量4万MWh」に向け順調に推移しています。

上記以外のグローバルの各事業場においても引き続き太陽光発電システムの導入を推進しており、導入可能と判断された事業場においては2020年度までの導入を目指し、さらなるCO2排出削減に取り組んでいきます。

※10 非製造拠点に導入された再生可能エネルギー自社導入量を含む
※11 太陽光、風力、バイオマスなどが対象。ヒートポンプ含まず

PIDQDの太陽光発電システム
PMFSHの太陽光発電システム
PMCB の太陽光発電システム
PETECの太陽光発電システム

シンガポールにおける太陽光発電システムの導入

シンガポールでは、2016年9月にパナソニック ファクトリーソリューションズ アジアパシフィック社(PFSAP)の工場に発電容量1.0MWの太陽光発電システムを導入しました。3棟の工場建屋の屋上に、パナソニック製の太陽電池モジュールHIT®を計3,476枚設置し、これによりピーク出力時には電力総需要の約20%をまかなうことが可能となりました。パナソニック製HIT®は、業界トップレベルの高効率で、限られた屋上スペースでもより多くのエネルギーを生み出すことができます。また、高温の環境下においても高い発電性能を維持することができるため、熱帯性気候の地域により適しています。本製品は、マレーシア ケダ州のクリム ハイテクパーク工業団地にあるパナソニック エナジー マレーシア株式会社で製造されています。
この太陽光発電システムの導入は、東南アジア最大のクリーンエネルギー供給会社の一つであるサンシープ社とのリース契約によるものです。シンガポールにおいては、2015年10月にもパナソニック アプライアンス 冷機デバイス シンガポール社(PAPRDSG)の工場へサンシープ社とのリース契約により発電容量2.4MWの太陽光発電システムを導入しており、PFSAPの工場への導入は、サンシープ社のリース契約を活用した当社の2つ目の事例となりました。

PFSAPの太陽光発電システム

ベルギーにおける風力発電システムの導入

風力発電が進んでいる欧州では、2016年11月にパナソニック エナジー ベルギー株式会社(PECBE)の工場に発電容量2.0MWの風力発電システムを導入しました。現地の電力会社との契約により工場敷地内に風力タービンを設置し、工場のピーク時総需要の約25%をまかなうことが可能となりました。

PECBEの風力発電システム

日本におけるバイオマス発電システムの効率化

パナソニックエコソリューションズ内装建材株式会社 群馬工場では、製造工程から発生する木屑、木粉をバイオマスボイラーの燃料として使用しています。導入以来、バイオマスボイラーで発生した蒸気は、工程内の生産に利用するとともに、余剰蒸気で発電を行っています。2011年以降、集塵機の小型化やファンのインバーター化、木粉搬送経路の見直しなど、継続的な改善取り組みを実施しています。今後も木屑燃料を有効利用すべく、ボイラーの効率化を推進するとともに他工場への展開を検討してまいります。

同社 群馬工場のバイオマス発電システム

イギリスにおけるバイオマスボイラーの導入

欧州では、パナソニック マニュファクチャリング イギリス株式会社(PMUK)が新たに木質バイオマスボイラーを導入しました。従来、使用済みの木材パレットは廃棄物として輸送し、そこで製造されたチップは地域のバイオマス発電の燃料として使われていました。
2016年度より、工場内にチップ製造機、貯蔵庫、バイオマスボイラーを導入し、工場内でのチップ化と、バイオマスボイラーの燃料としての使用を開始しました。これにより、木材パレットを輸送していたトラックの削減及びボイラーのガス使用量の削減が可能となり、年間65トンのCO2を削減できました。今後はバイオマス発電の導入により、更なるCO2の削減を目指します。

PMUKのバイオマスボイラー

中国CO2排出量取引制度への対応

中国では、2017年12月から電力業界の1,700社以上を対象とした排出量取引制度がスタートし、2019年に制度が一層強化され、取引量も増加しています。中国国内に多くの事業場を有する当社としては、従来より進めてきた生産活動におけるCO2削減の強みを活かしながら、同制度の当社事業への影響や今後当社が対象となる可能性に対して、リスクと機会の観点から対応を進めていきます。

エネルギー起源CO2以外の温室効果ガス削減

当社が排出するエネルギー起源CO2以外の温室効果ガスは、液晶工場や半導体工場でクリーニングガスとして使用しているNF3(三ふっ化窒素)やSF6(六ふっ化硫黄)、エアコン工場で製品の冷媒として使用しているHFC(ハイドロフルオロカーボン)などです。
これらの削減に向けて、除外装置の設置、それぞれの冷媒の漏洩防止や廃冷媒の回収と破壊処理、ガスの代替化などの対策を実施しています。
2019年度のエネルギー起源CO2以外の温室効果ガス排出量(CO2換算、以下同じ)は10万トンとなり、前年度から1万トン減少しました。

生産活動におけるエネルギー起源CO2以外の温室効果ガス排出量(CO2換算)※12

生産活動におけるエネルギー起源CO2以外の温室効果ガス排出量(CO2換算):2015年度10万トン、2016年度11万トン、2017年度10万トン、2018年度11万トン、2019年度10万トン

※12 Hussmann Parent社およびその連結子会社の実績含まず

温室効果ガス排出量の内訳(ガス別、スコープ別)

エネルギー起源、非エネルギー起源を含めた当社の温室効果ガス排出量は、2019年度は232万トンになりました。内訳としては、スコープ1排出量※13が17%、スコープ2排出量※13は83%となっています(参照:スコープ3排出量)

※13 国際的なGHG排出量の算定基準であるGHGプロトコルで定義される温室効果ガス排出量。自社で所有・支配する施設からの直接排出量をスコープ1排出量(例:都市ガスや重油の使用にともなう排出量)、自社が所有・支配する施設で消費するエネルギーの製造時からの排出量をスコープ2排出量
(例:購入電力の発電時の排出量)と呼ぶ

生産活動における温室効果ガス排出量(CO2換算)の内訳(種類別)

生産活動における温室効果ガス排出量(CO2換算)の内訳(種類別)。2019年度は232万トン。種類別では、CO2日本103万トン(44.6%)、CO2日本以外119万トン(51.6%)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)類8万トン(3.4%)、PFC(パーフルオロカーボン)類0.6万トン(0.3%)、SF6(六ふっ化硫黄)他0.4万トン(0.1%)、NF3(三ふっ化窒素)0.06万トン(0.03%)

生産活動における温室効果ガス排出量(CO2換算)の内訳(スコープ別)

生産活動における温室効果ガス排出量(CO2換算)の内訳(スコープ別)。2019年度は232万トン。スコープ1排出量 39万トン(17%)、スコープ2排出量 193万トン(83%)