生産活動におけるエネルギー・CO2削減

当社は、環境ビジョン2050実現に向けCO2ゼロの工場づくりを推進しています。この取り組みは気候変動対策への貢献、工場の省エネ、CO2削減、生産性向上やエネルギーコスト削減など環境経営の体質強化に寄与します。この中期は環境行動計画グリーンプラン2021を策定して「エネルギー」を重点課題のひとつと定め、工場においては「CO2ゼロモデル工場の推進」、「再生可能エネルギー利用拡大」、「エネルギーミニマム生産の推進」に取り組んでいます。
CO2ゼロモデル工場の推進では、2020年度は中国にあるパナソニックエナジー無錫有限会社(PECW)でCO2ゼロを実現しました。※1
再生可能エネルギー利用拡大では、2020年度の自社拠点における再生可能エネルギー導入量※2は35GWhとなり、2021年度目標である「自社拠点再生可能エネルギー導入量40GWh」に向け順調に推移しています。
エネルギーミニマム生産の推進では、各工場個別の取り組みを推進しています。2020年度のこれらエネルギー・CO2削減取り組みへの投資額は22億円※3でした。
これら取り組みの結果、2020年度の工場の使うエネルギー量は4.9TWh※4となり、CO2排出量は2.11Mtでした。
当社は2019年8月、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す国際的なイニチアチブ「RE100」に加盟しました※5。2050年までにグローバルで使用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えるとともに、CO2排出ゼロのモノづくりを目指します。2020年度の進捗率は2.5%です。
その他、当社は2030年を目指した電機電子業界を挙げての温暖化防止の自主行動計画である経団連低炭素社会実行計画に参画しています。具体的には、業界が掲げる目標「2030年に向けて、工場と大規模オフィスのエネルギー原単位改善率 年平均1%」の達成を目指して、工場などにおける省エネを着実に進めています。

※1 関連内容を参照
※2 製造および非製造拠点への再生可能エネルギー自社導入量を含む太陽光、風力、バイオマスなどが対象。ヒートポンプ含まず
※3 エネルギー・CO2削減に関する投資はすべて含む。ただし差額集計あるいは按分集計を行っていない
※4 2020年度より工場で使うエネルギー量の単位をTJからTWhに変更。電力はkWh、燃料は熱量を電力量単位である3.6MJ/kWhで換算し合算。これに伴い過年度に渡り遡及計算
※5 プレスリリース(2019年8月30日)
パナソニックが「RE100」に加盟 100%再生可能エネルギーによる事業運営を目指す

生産活動におけるエネルギー消費量

生産活動におけるエネルギー消費量:2016年度6.2TWh、2017年度6.1TWh、2018年度5.9TWh、2019年度5.2TWh、2020年度4.9TWh

生産活動におけるCO2排出量と原単位

生産活動におけるCO2排出量の推移は、2013年度は334万トン、2016年度は248万トン、2017年度は240万トン、2018年度は235万トン、2019年度は223万トン、2020年度は211万トンでした。CO2排出量原単位の推移は、2013年度を基準年度として100としたとき、2016年度は78、2017年度は70、2018年度は68、2019年度は69、2020年度は73でした。

生産活動におけるCO2排出量(地域別)

生産活動におけるCO2排出量(地域別)。日本「2020年度:87万トン/2019年度:103万トン/2018年度110万トン」、中国・北東アジア「2020年度:55万トン/2019年度:59万トン/2018年度:62万トン」、東南アジア・大洋州「2020年度:42万トン/2019年度:46万トン/2018年度:50万トン」、北米・中南米「2020年度:20万トン/2019年度:7万トン/2018年度:4万トン」、インド・南アジア・中東阿「2020年度:4万トン/2019年度:5万トン/2018年度:5万トン」、欧州・CIS「2020年度:3万トン/2019年度:3万トン/2018年度:4万トン」

※6 2020年度はパナソニックエナジーノースアメリカ株式会社を含む
※7 CO2排出量を、全社の売上高で除して算出した「CO2原単位」の2013年度対比の改善率を算出
※8 燃料関係は環境省温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル(Ver4.7)の係数に基づく。各年度の各国の購入電力の係数は、International Energy Agency(IEA)の発行する「CO2 emissions from fuel consumption」の係数を元に当社で設定。引用bookは、2013年度:book2017、2016年度:book2018、2017~2020年度:book2019。

CO2ゼロモデル工場の推進

グローバル各地域(日本、中国・北東アジア、東南アジア・大洋州・インド・南アジア・中東阿、北米・中南米、欧州・CISの5地域)でCO2ゼロモデル工場を1工場以上実現するという目標に対し、4地域6工場でCO2ゼロモデル工場を実現しています。※9

2020年度、中国パナソニックエナジー無錫有限会社(PECW)では、エネルギーミニマム生産の推進、太陽光発電システムの導入、I-REC証書と化石燃料由来CO2の排出をオフセットするクレジットの調達等により、中国初となるCO2ゼロ工場を実現しました。
日本では、2018年度にパナソニックグループの家電リサイクル工場であるパナソニック エコテクノロジーセンター(株)(PETEC)でCO2ゼロモデル工場を実現しました。北米・中南米地域では、パナソニック ブラジル(有)(PANABRAS)のエストレマ、サンジョゼ、マナウス3工場とPCAの4工場でCO2ゼロモデル工場を実現しています。今後は各地域内での横展開に加え、アジアでのCO2ゼロモデル工場実現に 向け取り組みを推進します。

※9 2021年6月に株式譲渡が完了した欧州乾電池工場は含まず

工場エネルギー・CO2削減の推進

エネルギー・CO2削減を確実に実行するためには、工場の各施設のエネルギー使用状況や対策による削減効果の見える化が重要です。
これまでグローバル全製造拠点において4万点以上の計測装置やファクトリーエネルギーマネジメントシステム(FEMS)を導入し、エネルギー使用状況の見える化や分析を行うメタゲジ※10を推進することでCO2削減に取り組んでいます。

※10 当社の造語で、メータやゲージなどの計測器を導入してエネルギー使用量を見える化し、測定可能な削減対策を実行すること

各工場の取組み

継続的にエネルギー・CO2を削減する活動は各工場でも積極的に推進しています。2020年度は「令和2年度省エネ大賞」において、省エネ事例部門の資源エネルギー庁長官賞などを受賞しました。受賞したテーマは以下のとおりです。
資源エネルギー庁長官賞:パナソニック株式会社 アプライアンス社キッチン空間事業部 加東工場「一貫生産工場における工場トップを中心とした徹底した省エネ対策の実施」
本取り組みは、炊飯器工場における生産台数減少を背景に、工場長トップによる省エネ推進体制を再構築し、省エネ活動の活性化と定着化を図り、大幅なエネルギー削減を実現した事例で、本活動をモデルに省エネ教材を整備・展開し、省エネ人財育成の強化も図ったこと等について高く評価いただきました。

アプライアンス社 加東工場

省エネルギーセンター会長賞:パナソニックSPT株式会社
「創意工夫を加えた高効率設備導入等による『省エネモデル工場』への挑戦」
配線用配管器具の製造工場において、創意工夫を加えた高効率設備導入と運用改善により省エネを達成した事例で、広範囲にわたる対策を組織一丸となって取り組んだこと等について高く評価いただきました。

パナソニックSPT株式会社

また、当社はIoT活用によるロス削減や工法革新による生産性向上によるエネルギーミニマム生産の推進に取組んでいます。当社のモノづくり進化の牽引役であるマニュファクチャリングイノベーション本部では、モノづくり現場の生産工程で発生する不良・品質ロスを削減しつつ設備稼働の向上を狙い、AIを活用した時系列データ予測による設備異常予知システムの開発に取り組んでいます。本システムでは、対象とする設備の生産データや設計情報を利用し、傾向監視で加工不良や設備異常の兆候を検知させるほか、異常傾向に基づく設備保全案を提示することで熟練工でなくても適切な予防保全を実施可能とするなど、広範囲でモノづくりのロスを削減し、全体として必要なエネルギーの削減が可能となります。今後、実用化技術として作り込み、当社内の製造工程、特にプレス工程、成型、プロセス装置など様々な加工工 程において応用展開します。

再生可能エネルギー利用拡大の取り組み

当社は再生可能エネルギーの利用拡大に向け、再生可能エネルギーの自拠点導入と外部調達の推進に取り組んでいます。

再生可能エネルギーの自拠点導入に関しては、地域ごとの特性に応じてグローバルで積極的に推進しており、特に太陽光発電についてはパナソニック製太陽光電池モジュールHIT®を含む太陽光発電システムを導入可能な拠点へ積極導入を進めています。2020年度の主な事例としては、日本、アジアでの太陽光発電システムの導入があります。
日本の事例としては、コネクティッドソリューションズ社 ストレージ事業開発センター 津山工場にて発電容量5.3kWの太陽光発電システムを2020年11月に導入し、20年度実績で約1.8MWhの発電がありました。またスマートファクトリーソリューションズ株式会社 加賀工場においては11.7kWの太陽光発電システムを2021年3月に導入しました。
アジアの事例としては、パナソニックマニュファクチャリングマレーシア(PMMA)にて発電容量1.58MW(325W/pcのHIT®パネル4872枚使用)を導入し2020年10月から稼働開始しました。20年度実績で1,090MWhの発電がありました。

このような取り組みや、既設の事業場の太陽光発電システムの本格稼働等により、2020年度の再生可能エネルギー自社導入量は、当社全体で35GWh※11になり、2021年度目標である「自社拠点再生可能エネルギー導入量40GWh」に向け順調に推移しています。

上記以外のグローバルの各事業場においても引き続き太陽光発電システムの導入を推進しており、さらなるCO2排出削減に取り組んでまいります。

※11 非製造拠点への再生可能エネルギー自社導入量を含む太陽光、風力、バイオマスなどが対象。ヒートポンプ含まず

津山工場の太陽光発電システム
加賀工場の太陽光発電システム
PMMAの太陽光発電システム

再生可能エネルギーの外部調達もグローバルで推進しています。
日本において、当社は電力の使用者であると同時に小売電気事業者(登録番号A0136)でもあり、2005年より自社工場やオフィスへの電力供給を行ってきました。再生可能エネルギーに関しても、これまで培ってきた電力調達・電力取引のノウハウや経験を活かし、バイオマスや風力に由来する電力、ならびに非化石証書等や化石燃料由来CO2排出をオフセットするクレジット等の環境価値の調達を行っています。
この取り組みは、パナソニック エコテクノロジーセンターパナソニックセンター東京におけるCO2ゼロ化にも貢献しました。
また、2020年度からは、再生可能エネルギー実質100%の電力提供を当社従業員向けに開始しています。
https://news.panasonic.com/jp/topics/204036.html

シンガポールにおける太陽光発電システムの導入

シンガポールでは、2016年9月にパナソニック ファクトリーソリューションズ アジアパシフィック社(PFSAP)の工場に発電容量1.0MWの太陽光発電システムを導入しました。3棟の工場建屋の屋上に、パナソニック製の太陽電池モジュールHIT®を計3,476枚設置し、これによりピーク出力時には電力総需要の約20%をまかなうことが可能となりました。パナソニック製HIT®は、業界トップレベルの高効率で、限られた屋上スペースでもより多くのエネルギーを生み出すことができます。また、高温の環境下においても高い発電性能を維持することができるため、熱帯性気候の地域により適しています。本製品は、マレーシア ケダ州のクリム ハイテクパーク工業団地にあるパナソニック エナジー マレーシア株式会社で製造されています。
この太陽光発電システムの導入は、東南アジア最大のクリーンエネルギー供給会社の一つであるサンシープ社とのリース契約によるものです。シンガポールにおいては、2015年10月にもパナソニック アプライアンス 冷機デバイス シンガポール社(PAPRDSG)の工場へサンシープ社とのリース契約により発電容量2.4MWの太陽光発電システムを導入しており、PFSAPの工場への導入は、サンシープ社のリース契約を活用した当社の2つ目の事例となりました。

PFSAPの太陽光発電システム

日本におけるバイオマス発電システムの効率化

パナソニックエコソリューションズ内装建材株式会社 群馬工場では、製造工程から発生する木屑、木粉をバイオマスボイラーの燃料として使用しています。導入以来、バイオマスボイラーで発生した蒸気は、工程内の生産に利用するとともに、余剰蒸気で発電を行っています。2011年以降、集塵機の小型化やファンのインバーター化、木粉搬送経路の見直しなど、継続的な改善取り組みを実施しています。今後も木屑燃料を有効利用すべく、ボイラーの効率化を推進するとともに他工場への展開を検討してまいります。

同社 群馬工場のバイオマス発電システム

イギリスにおけるバイオマスボイラーの導入

欧州では、パナソニック マニュファクチャリング イギリス株式会社(PMUK)が新たに木質バイオマスボイラーを導入しました。従来、使用済みの木材パレットは廃棄物として輸送し、そこで製造されたチップは地域のバイオマス発電の燃料として使われていました。
2016年度より、工場内にチップ製造機、貯蔵庫、バイオマスボイラーを導入し、工場内でのチップ化と、バイオマスボイラーの燃料としての使用を開始しました。これにより、木材パレットを輸送していたトラックの削減及びボイラーのガス使用量の削減が可能となり、年間65トンのCO2を削減できました。今後はバイオマス発電の導入により、更なるCO2の削減を目指します。

PMUKのバイオマスボイラー

中国CO2排出量取引制度への対応

中国では、電力業界を対象とした排出量取引制度が2017年12月にスタートし、2020年には中国の電力取引関連企業2225社が対象となっています。中国でカーボンニュートラル目標が発表されたことを受け関連制度が強化され、2021年のうちに「全国炭素排出関連暫定条約」が発行される見通しです。中国国内に多くの事業場を有する当社は、従来から進めてきた生産活動におけるCO2削減の強みを活かしながら、リスクと機会の両観点で対応を進めていきます。

エネルギー起源CO2以外の温室効果ガス削減

当社が排出するエネルギー起源CO2以外の温室効果ガスは、液晶工場や半導体工場でクリーニングガスとして使用しているNF3(三ふっ化窒素)やSF6(六ふっ化硫黄)、エアコン工場で製品の冷媒として使用しているHFC(ハイドロフルオロカーボン)などです。
これらの削減に向けて、除外装置の設置、それぞれの冷媒の漏洩防止や廃冷媒の回収と破壊処理、ガスの代替化などの対策を実施しています。
2020年度のエネルギー起源CO2以外の温室効果ガス排出量(CO2換算、以下同じ)は82ktとなり、前年度から8kt減少しました。

生産活動におけるエネルギー起源CO2以外の温室効果ガス排出量(CO2換算)※12

生産活動におけるエネルギー起源CO2以外の温室効果ガス排出量(CO2換算):2016年度11万トン、2017年度13万トン、2018年度11万トン、2019年度10万トン、2020年度9万トン

※12 Hussmann Parent社およびその連結子会社の実績含まず。パナソニックエナジーノースアメリカ株式会社の実績含まず

温室効果ガス排出量の内訳(ガス別、スコープ別)

エネルギー起源、非エネルギー起源を含めた当社の温室効果ガス排出量は、20年度は2,189ktになりました。内訳としては、スコープ1排出量※13が15%、スコープ2排出量※13は85%となっています(参照:スコープ3排出量)

※13 国際的なGHG排出量の算定基準であるGHGプロトコルで定義される温室効果ガス排出量。自社で所有・支配する施設からの直接排出量をスコープ1排出量(例:都市ガスや重油の使用にともなう排出量)、自社が所有・支配する施設で消費するエネルギーの製造時からの排出量をスコープ2排出量(例:購入電力の発電時の排出量)と呼ぶ

生産活動における温室効果ガス排出量(CO2換算)の内訳(種類別)

生産活動における温室効果ガス排出量(CO2換算)の内訳(種類別)。2020年度は2,189kt。種類別では、CO2日本870kt(39.7%)、CO2日本以外1,238kt(56.6%)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)類73kt(3.3%)、PFC(パーフルオロカーボン)類4kt(0.2%)、SF6(六ふっ化硫黄)他3kt(0.1%)、NF3(三ふっ化窒素)0.6kt(0.03%)

生産活動における温室効果ガス排出量(CO2換算)の内訳(スコープ別)

生産活動における温室効果ガス排出量(CO2換算)の内訳(スコープ別)。2020年度は2,189kt。スコープ1排出量 327kt(15%)、スコープ2排出量 1,862kt(85%)

※14 エネルギー起源の温室効果ガスについて、パナソニックノースアメリカ株式会社の実績含む