環境:パナソニック環境ビジョン2050

パナソニック環境ビジョン2050

環境・エネルギーを中心とした社会課題に対する関心がグローバルで高まる中、世界の国が一致して温暖化対策に取り組むことを定めたパリ協定や、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)に対する高い注目は、環境・エネルギー問題がグローバルで深刻化していることを示唆するものでもあります。
2019年9月に開催された国連気候行動サミット2019では、地球温暖化対策のための行動について世界各国の政府、自治体、企業、市民団体の代表者による議論が行われましたが、サミットを締めくくるメッセージの中で企業に対してもより意欲的な行動を起こすことが求められるなど、グローバルな社会課題の解決に向けて、企業の果たす役割への期待はますます高まってきています。

パナソニックは、2017年に「パナソニック環境ビジョン2050」を策定し、ステークホルダーからの期待、要請に応えていくため、パナソニックが目指す姿を定めました。
環境ビジョン2050は、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向けて、クリーンなエネルギーでより良く快適にくらせる社会を目指し、使うエネルギーを削減すると同時に、それを超えるクリーンなエネルギーの創出・活用を進めるものです。
環境ビジョン2050の策定時点では、当社の「使うエネルギー」(生産など当社の事業活動で使うエネルギー、当社の製品がお客様のもとで使うエネルギー)の総量に対して、「創るエネルギー」(太陽光発電・蓄電池・エネルギーソリューションなど、当社の製品やサービスが創出・活用可能にするクリーンなエネルギー)の総量は1/10程度にとどまっておりました。この環境ビジョン実現に向けて、製品の省エネ性能向上のための技術開発や、モノづくりプロセスの革新で「使うエネルギー」を可能な限り抑制していきます。あわせて、創・蓄エネルギー事業の拡大や、水素社会など新しい社会システムへの貢献を通じてクリーンなエネルギーの活用機会を増大することで、「創るエネルギー」を伸ばしていきます。
こうした取り組みを通じ、2050年に向けて「創るエネルギー」が、「使うエネルギー」を超えることに挑戦していきます。

パナソニック環境ビジョン2050 「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の 両立に向け、クリーンなエネルギーでより良く快適にくらせる社会を目指し、パナソニックは使うエネルギーの削減と、それを超えるエネルギーの創出・活用を進めます。 使うエネルギー<創るエネルギー

環境ビジョン2050実現に向けた活動方向

環境ビジョン2050の実現に向けて、「エネルギー」と「資源」をマテリアリティと考え、2つの活動に取り組んでいます。
一つ目の活動は、クリーンなエネルギーで安心してくらせる社会をつくることです。具体的には、エコでスマートな生活空間の提供と、エコでスマートな移動・輸送への貢献というお役立ちに取り組んでいます。また、二つ目の活動は、持続可能な社会を目指した事業推進をすることです。資源の有効活用の促進とCO2ゼロの工場づくりに取り組んでいます。

1. クリーンなエネルギーで安心してくらせる社会をつくります

当社が取り組むエコでスマートな生活空間の提供とは、クリーンなエネルギーから電気や水素をつくり、それを貯蔵したり運べるようにすること、また、省エネ性に優れた機器と断熱性に富んだ建物、適切なエネルギーマネジメントにより、クリーンなエネルギーで安心してくらせるようにすることです。なお生活空間とは、家庭だけでなく、仕事や学び、余暇の場など、人々の生活に関わるあらゆる空間を指します。こうした生活空間の提供に向け、創エネルギー・蓄エネルギー・省エネルギー・エネルギーマネジメントの4つの視点から環境技術開発を進めていきます。
中でも創エネルギーについては、次世代太陽電池技術のほか、クリーンなエネルギー由来の水素をエネルギー源として電気をつくり出す燃料電池技術の開発を進めます。蓄エネルギーについては、水素の貯蔵や供給に関わる技術や、蓄電池技術の開発を進めます。これらを通じて、社会のあらゆる場面でクリーンなエネルギーを活用できる可能性を広げていきます。
エコでスマートな移動・輸送への貢献に向けても、環境技術開発を進めます。電気自動車をはじめとするエコカー向けの蓄電池システムのさらなる技術開発で、化石燃料からクリーンなエネルギーへの転換推進に貢献します。さらに、安全なモビリティ社会のために、自動運転をサポートする技術の開発を進めるとともに、IoTなどを活かした次世代物流・輸送システムなどのソリューションも開発していきます。

社会のあらゆる場面でクリーンなエネルギーを活用する取り組みとして、滋賀県草津市にあるアプライアンス社草津拠点構内に水素ステーション「H2 Kusatsu Farm」を建設しました。構内物流のCO2ゼロ化に向け、再生可能エネルギーを利用した水電解で製造した水素を燃料電池フォークリフトに供給する実証を2019年度から行っています。

また、東京2020の選手村跡地に誕生する街「HARUMI FLAG」では、街区ごとに設置される純水素型燃料電池が外構照明や空調機などの共用施設に電力を供給します。さらに、都市ガスを改質して作り出した水素を利用して発電する家庭用燃料電池「エネファーム」をすべての分譲住宅(約4,000戸)に導入する予定で、これにより年間約4,000トンのCO2を削減することができます。

写真
H2 Kusatsu Farm
HARUMI FLAGの外観イメージ
HARUMI FLAGの外観イメージ

2. 持続可能な社会を目指した事業推進をします

当社は資源の有効活用の促進に向けた取り組みとして、部品・材料の再利用や製品再生を通じた、資源の持続可能な利用を目指します。
また当社が取り組むCO2ゼロの工場づくりとは、照明のLED化、FEMS※1などの先進的省エネ技術や革新的モノづくりにより当社工場で「使うエネルギー」を削減するとともに、太陽光発電システムや蓄エネルギー機器などにより再生可能エネルギーを有効活用し当社工場で「創るエネルギー」を拡大することでCO2を排出しないモノづくりを推進することです。

具体的には、省エネ活動の継続および進化によりエネルギーミニマム生産を推進した上で、太陽光発電システムや風力発電システムなどの再生可能エネルギー発電設備の自拠点導入や、100%再生可能エネルギー由来電力の調達、また化石燃料由来CO2排出を相殺するCO2クレジット活用などにより、モノづくりに伴う使用エネルギー由来のCO2排出をゼロにします。

2019年度には、中南米コスタリカに所在する乾電池工場であるパナソニック セントロ アメリカーナ(株)(PCA)において政府と連携したコスタリカ初の官民連携プロジェクトを発足し、配電公社から400枚のソーラーパネルの提供や100%再生可能エネルギー由来電力の供給を受けるとともにCO2クレジット活用してCO2ゼロモデル工場を実現するともに、コスタリカ政府初の「再エネ100%工場」の認証を取得しました。

CO2ゼロの工場づくりにおいては、実施できる省エネ取り組みは主に各々工場のモノづくり特性に依存し、活用できる再生可能エネルギーは主に地域特性に依存するので、グローバル全ての拠点がそれぞれで創意工夫する必要があります。当社は社内外の先行事例から学び合い、さらに各拠点が独自の取り組みや試行を取り入れ2019年度までにグローバルで6つのCO2ゼロモデル工場を実現し、これからもこの活動を広くグローバルに展開して環境ビジョン2050の実現を着実に推進してまいります。

※1 Factory Energy Management System

写真
パナソニック セントロ アメリカーナ(株)全景
写真
提供いただいたソーラーパネル
写真
「脱炭素オペレーションへ向けたパイロットプロジェクトのキックオフセレモニー」。
PCA仲西社長(左)、コスタリカ大統領夫人(中央)、環境副大臣(右)

環境行動計画「グリーンプラン2021」

グリーンプラン2018の完遂を受け、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、クリーンなエネルギーでより良く快適にくらせる社会を目指すパナソニック環境ビジョン2050の実現に向けて、2019年度から2021年度までの計画として、グリーンプラン2021を定めました。
グリーンプラン2021では、環境ビジョン2050実現に向けた重点課題「エネルギー」「資源」に重きをおいた目標を設定しました。なお、重点課題以外は、環境行動指針に基づき、環境課題、社会との共感を考慮し、継続課題として、集約簡素化した目標を設定しました。2050年に向けて「創るエネルギー」が、「使うエネルギー」を超えることに挑戦し、かつ早期実現に貢献すべく取り組みます。
エネルギーに関して、製品・サービスにおいては、「創るエネルギー量の拡大」、「使うエネルギーの削減貢献量の拡大」に取り組みます。
自社の製品・サービスがお客様のところで使われる際に、自社のエネルギー削減努力を示す指標として、製品・サービスを通じたエネルギー削減貢献量の拡大に注力していきます。この指標は、社会全体におけるCO2排出総量ピークアウトの早期実現へ貢献すべく、自社のCO2削減努力を示す指標である、製品・サービスを通じたCO2削減貢献量の取り組みと同一で、エネルギー削減貢献量をCO2に換算すればCO2削減貢献量となります。
エネルギーに関して、工場においては、「CO2ゼロモデル工場の推進」、「再生可能エネルギー利用拡大」、「エネルギーミニマム生産の推進」に取り組みます。
生産活動では、徹底した省エネ施策をグローバル全工場で実施し、使うエネルギー並びにCO2排出量の削減を進めています。
また、資源に関しては、「サーキュラーエコノミー型事業の創出」、「投入資源を減らし循環資源の活用を拡大」、「グローバルで工場廃棄物をゼロエミッション化」に取り組みます。
また継続課題として、水、化学物質、生物多様性に関する課題、地域社会貢献および次世代育成の取り組みを推進するとともに、工場における環境汚染防止と製品に関する法令の順守徹底に取り組んでいきます。
社会へのよりよい影響を広げていくために、パナソニック一社だけでなく、サプライチェーン全体にわたって様々なパートナー様と連携を深め、環境取り組みを加速していきます。
2021年度の目標達成に向け、この環境行動計画を着実に実践していきます。

環境行動計画「グリーンプラン2021」

環境行動計画「グリーンプラン2021」では、重点課題としてエネルギーと資源を設定しています。また、継続課題として水、化学物質、生物多様性、地域社会、コンプライアンスを設定しています。重点課題であるエネルギーに関する2021年度目標は、「使うエネルギー総量に対する創るエネルギー総量の比率拡大」使うエネルギー:創るエネルギー=8.5:1です。2019年度の実績は9.0:1でした。その実現に向けた製品・エネルギー分野の2021年度目標および2019年度実績は、以下の通りです。「創るエネルギー量の拡大」の取り組みにおいて、創るエネルギー量の2021年度目標は3万GWh以上、2019年度実績は2.6万GWhでした。「使うエネルギーの削減貢献量の拡大」の取り組みにおいて、2021年度目標は直接2.5万GWh以上、間接0.2万GWh以上、2019年度実績は直接2.8万GWh、間接0.23万GWhでした。「創るエネルギー事業の拡大」の取り組みにおいて、エナジー関連事業の拡大「省エネルギー事業の拡大」の取り組みにおいて、IoT/AIを活用した製品・サービスの拡大工場分野の2021年度目標および2019年度実績は、以下の通りです。「CO2ゼロモデル工場の推進」の取り組みにおいて、水素応用技術実証工場の確立、グローバル各地域でCO2ゼロモデル工場を1工場以上実現「再生可能エネルギー利用拡大」の取り組みにおいて、自社拠点再エネ導入の2021年度目標は40,000MWh、2019年度実績は、3.2万MWhでした。「エネルギーミニマム生産の推進」の取り組みにおいて、IoT活用によるロス削減、工法革新による生産性向上もうひとつの重点課題である資源に関する2021年度目標を以下の通り設定しています。「サーキュラーエコノミー型事業の創出」の取り組みにおいて、既存事業と循環経済の関連性マッピング100%完了「投入資源を減らし循環資源の活用を拡大」の取り組みにおいて、再生樹脂利用量の2021年度目標は4.2万トン以上(2019年度~2021年度累計)で、2019年度実績は1.3万トンでした。「グローバルで工場廃棄物をゼロエミッション化」の取り組みにおいて、工場廃棄物リサイクル率の2021年度目標は99%以上で、2019年度実績は98.9%でした。継続課題である水、化学物質、生物多様性、地域社会、コンプライアンスの目標は次の通りです。水:生産活動での水使用量削減 化学物質:生産活動、製品での化学物質による環境負荷を最小化 生物多様性:持続可能な原材料調達を推進 地域社会:地域社会貢献および次世代育成の取り組みを推進 コンプライアンス:環境法規制の順守徹底

※1 事業活動、およびその活動で生み出した製品・サービスが使用するエネルギー
※2 事業活動、およびその活動で生み出した製品・サービスが創出・活用するクリーンなエネルギー
※3 製品の省エネ性能改善がないと仮定した場合の想定エネルギー使用量から省エネ性能改善後のエネルギー使用量を差し引いたエネルギー量
※4 当社の主要製品による削減貢献量
※5 他社製品に組み込まれる部材やソリューションなどによる削減貢献量
※6 日本、中国・北東アジア、東南アジア・大洋州・インド・南アジア・中東阿、北米・中南米、欧州・CISの5地域
※7 自社拠点設置の再生可能エネルギー発電設備で発電した再生可能エネルギー(太陽光・風力・バイオマスなど)のうち、自社拠点での使用量
※8 当社の製品に利用された再生樹脂に含まれる再生材の質量
※9 再資源化量/(再資源化量+最終処分量)

パナソニック環境ビジョン2050(動画)