環境:パナソニック環境ビジョン2050

パナソニック環境ビジョン2050

環境・エネルギーを中心とした社会課題に対する関心がグローバルで高まる中、世界の国が一致して温暖化対策に取り組むことを定めたパリ協定や、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)に対する高い注目は、環境・エネルギー問題がグローバルで深刻化していることを示唆するものでもあります。
2018年1月、政治や経済のグローバルリーダーたちが集まる世界経済フォーラムでも、最も影響の大きいリスクとして掲げられた項目として、異常気象、自然災害、地球温暖化など、環境・エネルギーに関わる問題が中心に挙がり、世界の指導者たちもこれらの問題に対して、抜本的な対策につながる行動を始めています。
これらのグローバルな社会課題の解決に向けて、企業の果たす役割への期待が高まりつつある中、パナソニックは、2017年に「パナソニック環境ビジョン2050」を策定し、ステークホルダーからの期待、要請に応えていくため、パナソニックが目指す姿を定めました。

環境ビジョン2050は、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向けて、クリーンなエネルギーでより良く快適にくらせる社会を目指し、使うエネルギーを削減すると同時に、それを超えるクリーンなエネルギーの創出・活用を進めるものです。
現状、当社では「使うエネルギー」(生産など当社の事業活動で使うエネルギー、当社の製品がお客様のもとで使うエネルギー)の総量に対して、「創るエネルギー」(太陽光発電・蓄電池・エネルギーソリューションなど、当社の製品やサービスが創出・活用可能にするクリーンなエネルギー)の総量は1/10以下にとどまっています。今後は、製品の省エネ性能向上のための技術開発や、モノづくりプロセスの革新で「使うエネルギー」を可能な限り抑制していきます。あわせて、創・蓄エネルギー事業の拡大や、水素社会など新しい社会システムへの貢献を通じてクリーンなエネルギーの活用機会を増大することで、「創るエネルギー」を伸ばしていきます。
こうした取り組みを通じ、2050年に向けて「創るエネルギー」が、「使うエネルギー」を超えることに挑戦していきます。

パナソニック環境ビジョン2050:「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、クリーンなエネルギーでより良く快適にくらせる社会を目指し、パナソニックは使うエネルギーの削減と、それを超えるクリーンなエネルギーの創出・活用を進めます。

環境ビジョン2050実現に向けた活動方向

環境ビジョン2050の実現に向けて、大きく2つの活動に取り組んでいます。
一つ目の活動は、クリーンなエネルギーで安心してくらせる社会をつくることです。具体的には、エコでスマートな生活空間の提供と、エコでスマートな移動・輸送への貢献というお役立ちに取り組んでいます。また、二つ目の活動は、持続可能な社会を目指した事業推進をすることです。資源の有効活用の促進とCO2ゼロの工場づくりに取り組んでいます。

1. クリーンなエネルギーで安心してくらせる社会をつくります

当社が取り組むエコでスマートな生活空間の提供とは、クリーンなエネルギーから電気や水素をつくり、それを貯蔵したり運べるようにすること、また、省エネ性に優れた機器と断熱性に富んだ建物、適切なエネルギーマネジメントにより、クリーンなエネルギーで安心してくらせるようにすることです。なお生活空間とは、家庭だけでなく、仕事や学び、余暇の場など、人々の生活に関わるあらゆる空間を指します。こうした生活空間の提供に向け、創エネルギー・蓄エネルギー・省エネルギー・エネルギーマネジメントの4つの視点から環境技術開発を進めていきます。
中でも創エネルギーについては、次世代太陽電池技術のほか、クリーンなエネルギー由来の水素をエネルギー源として電気をつくり出す燃料電池技術の開発を進めます。蓄エネルギーについては、水素の貯蔵や供給に関わる技術や、蓄電池技術の開発を進めます。これらを通じて、社会のあらゆる場面でクリーンなエネルギーを活用できる可能性を広げていきます。
エコでスマートな移動・輸送への貢献に向けても、環境技術開発を進めます。電気自動車をはじめとするエコカー向けの蓄電池システムのさらなる技術開発で、化石燃料からクリーンなエネルギーへの転換推進に貢献します。さらに、安全なモビリティ社会のために、自動運転をサポートする技術の開発を進めるとともに、IoTなどを活かした次世代物流・輸送システムなどのソリューションも開発していきます。

社会のあらゆる場面でクリーンなエネルギーを活用する事例として、2018年、未来の脱炭素社会に向けて、水素活用実証の検討を開始しました。具体的には、草津拠点構内に設置した「H2 KUSATSUFARM」(水素ステーション)で、再生可能エネルギーとして利用している太陽光発電から水電解水素製造装置を介し生成したCO2フリー水素を高圧に圧縮し、燃料電池フォークリフトに供給することで2019年度から拠点構内の物流に活用していきます。

H2 KUSATSUFARM

2. 持続可能な社会を目指した事業推進をします

資源の有効活用の促進に向けた取り組みとして、部品・材料の再利用や製品再生を通じた、資源の持続可能な利用を目指します。
CO2ゼロの工場づくりに向けた取り組みについては、2018年度までにすべての事業場にLED照明を導入※1しました。加えて、FEMS※2 などの先進的省エネ技術を活用し、スマート・マニュファクチャリングを推進します。また、「創るエネルギー」を拡大する取り組みとして、2020年度までに導入可能と判断された事業場に太陽光発電システムを導入していきます。

CO2ゼロの工場づくりに向けた取り組みの先行事例として、2018年度に、パナソニックグループの家電リサイクル工場であるパナソニック エコテクノロジーセンター(株)(PETEC)と、乾電池工場であるパナソニック エナジーベルギー(株)(PECBE)において、当社初のCO2ゼロ工場を日欧2工場で実現しました。
具体的には両工場において、太陽光発電システムや風力発電システムなどの再生可能エネルギー発電設備の導入や、100%再生可能エネルギー由来電力の調達、また化石燃料由来CO2の排出を相殺するクレジットの活用などにより実現しました※3
さらに、2016年に当社の工場として初めて100%再生可能エネルギー由来電力からなるモノづくりを実現したパナソニック ブラジル(有)(PANABRAS)のエストレマ、サンジョゼ、マナウスの全3工場も、100%再生可能エネルギー由来電力の調達に加えて、化石燃料の使用削減やクレジットの活用により、当社米州初のCO2ゼロ工場を実現しました。
当社ではこれらの工場をCO2ゼロ工場の先行モデル工場とし、培ったノウハウを今後は順次グローバルの工場に展開することで、環境ビジョン2050が目指す、持続可能な社会を目指したCO2を排出しないモノづくりを着実に推進してまいります。

※1 導入可能な事業場が対象
※2 Factory Energy Management System
※3 プレスリリース(2019年2月28日)
「パナソニック環境ビジョン2050」当社初のCO2ゼロ工場を、日欧2工場で実現

PETEC
PECBEの風力発電システム
PANABRASのエストレマ工場

環境行動計画「グリーンプラン2021」

グリーンプラン2018の完遂を受け、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、クリーンなエネルギーでより良く快適にくらせる社会を目指すパナソニック環境ビジョン2050の実現に向けて、グリーンプラン2021を定めました。
グリーンプラン2021では、環境ビジョン2050実現に向けた重点課題「エネルギー」「資源」に重きをおいた目標を設定しました。なお、重点課題以外は、環境行動指針に基づき、環境課題、社会との共感を考慮し、継続課題として、集約簡素化した目標を設定しました。2050年に向けて「創るエネルギー」が、「使うエネルギー」を超えることに挑戦し、かつ早期実現に貢献すべく取り組みます。
エネルギーに関して、製品・サービスにおいては、「創るエネルギー量の拡大」、「使うエネルギーの削減貢献量の拡大」に取り組みます。
自社の製品・サービスがお客様のところで使われる際に、自社のエネルギー削減努力を示す指標として、製品・サービスを通じたエネルギー削減貢献量の拡大に注力していきます。この指標は、社会全体におけるCO2排出総量ピークアウトの早期実現へ貢献すべく、自社のCO2削減努力を示す指標である、製品・サービスを通じたCO2削減貢献量の取り組みと同一で、エネルギー削減貢献量をCO2に換算すればCO2削減貢献量となります。
エネルギーに関して、工場においては、「CO2ゼロモデル工場の推進」、「再生可能エネルギー利用拡大」、「エネルギーミニマム生産の推進」に取り組みます。
生産活動では、徹底した省エネ施策をグローバル全工場で実施し、使うエネルギー並びにCO2排出量の削減を進めています。
また、資源に関しては、「サーキュラーエコノミー型事業の創出」、「投入資源を減らし循環資源の活用を拡大」、「グローバルで工場廃棄物をゼロエミッション化」に取り組みます。
また継続課題として、水、化学物質、生物多様性に関する課題、地域社会貢献および次世代育成の取り組みを推進するとともに、工場における環境汚染防止と製品に関する法令の順守徹底に取り組んでいきます。
社会へのよりよい影響を広げていくために、パナソニック一社だけでなく、サプライチェーン全体にわたって様々なパートナー様と連携を深め、環境取り組みを加速していきます。
2021年度の目標達成に向け、この環境行動計画を着実に実践していきます。

環境行動計画「グリーンプラン2021」

※4 事業活動、およびその活動で生み出した製品・サービスが使用するエネルギー
※5 事業活動、およびその活動で生み出した製品・サービスが創出・活用するクリーンなエネルギー
※6 製品の省エネ性能改善がないと仮定した場合の想定エネルギー使用量から省エネ性能改善後のエネルギー使用量を差し引いたエネルギー量
※7 当社の主要製品による削減貢献量
※8 他社製品に組み込まれる部材やソリューションなどによる削減貢献量
※9 日本、中国・北東アジア、東南アジア・大洋州・インド・南アジア・中東阿、北米・中南米、欧州・CISの5地域
※10 自社拠点設置の再生可能エネルギー発電設備で発電した再生可能エネルギー(太陽光・風力・バイオマスなど)のうち、自社拠点での使用量
※11 当社の製品に利用された再生樹脂に含まれる再生材の質量
※12 再資源化量/(再資源化量+最終処分量)

パナソニック環境ビジョン2050(動画)