システム脆弱性診断サービスの導入事例 E-agent株式会社様
事業の生命線をパナソニック基準の厳格なセキュリティ診断で守る
人材サービスのベンチャー企業E-agentは、事業の中核を担うIT人材と企業とのマッチングプラットフォーム(エンジニアプラットフォーム)の立ち上げに際し、パナソニックソリューションテクノロジー(以下、パナソニック)の「システム脆弱性診断サービス」を活用しました。これにより、プラットフォームのローンチ前に潜在する多数の脆弱性を突き止めて対処し、無数のサイバー攻撃から事業を保護することに成功しています。
課題
- E-agentの立ち上げに際して事業を支えるエンジニアプラットフォームのセキュリティを高いレベルで確保する必要があった。
- セキュリティの確保に向けてエンジニアプラットフォームに潜在する脆弱性を高精度に洗い出す必要があった。
- ローンチするプラットフォームのセキュリティ品質を誰もが安心して使えるレベルに高めたかった。
成果
- プラットフォームに潜在する多数の脆弱性問題を発見・解決できた。
- 無数のサイバー攻撃からプラットフォームを守るセキュリティ品質が実現された。
- パナソニック基準のセキュリティ品質の実現により、プラットフォームに対する利用者の強い安心感・信頼感が生まれた。
エンジニアの能力を最大限に生かすためのマッチングプラットフォームを提供
E-agentは、システムインテグレーターとして20年以上の歴史を有するテクノブレイブの100%出資子会社として設立されたベンチャー企業です。同社を創設したねらいについて、テクノブレイブ常務取締役とE-agentの代表取締役会長を兼務する濱上 武志氏はこう明かします。
E-agent株式会社
代表取締役会長
兼テクノブレイブ株式会社 常務取締役
濱上 武志氏
「E-agentの大目標の1つは、エンジニアとお客様(顧客企業)の案件とを最適なかたちで結びつけ、エンジニアの才能やスキルを最大限に生かす機会を押し広げることです。これまでは、例えば大手IT企業の下請け会社で働くエンジニアは、いくら優秀であっても、下請け業務の範囲内でしか自身の能力が生かせませんでした。そうした制約を取り払い、案件ベースで最適な人材を組織横断で集めて、お客様のプロジェクトに参加してもらうことが、当社の重要なミッションです。そのミッションを遂行するためのシステムとして、E-agentではエンジニアやビジネスパートナーとお客様の案件とのマッチングを自動化する『エンジニアプラットフォーム』を提供しています」
そのプラットフォームのローンチに際して同社が活用に乗り出したのがパナソニックの「システム脆弱性診断サービス」です。
本サービスの活用に乗り出した背景について、E-agent取締役社長兼CEOの大橋 宏一郎氏は次のように説明します。
「私は前職で大手メーカーのセキュリティ対策に携わっており、その経験から、近年のサイバー攻撃がいかに深刻な脅威かは十分に理解していました。そのため、E-agentの生命線ともいえるエンジニアプラットフォームをローンチするに当たっては、セキュリティの確保に万全を期さなければならないと考え、パナソニックのシステム脆弱性診断サービスの採用へとつながっていきました」
高いセキュリティ品質の実現を目指しパナソニックのサービスを選択
システムの脆弱性を診断するサービスは他社からも提供されています。その中でパナソニックのサービスを選んだ理由について大橋氏はこう明かします。
「日本を代表するメーカーであるパナソニックが持つプロダクト品質へのこだわりは世界最高レベルです。そのこだわりはセキュリティ品質に関しても同様で、同社の製品やサービスのセキュリティ対策には一般的なIT企業には見られないような厳格さがあります。そうした企業に脆弱性診断を行ってもらうことで、我々のプラットフォームのセキュリティ品質を、誰もが安心して利用できるレベルへと引き上げられると判断しました」
E-agent株式会社
取締役社長/CEO
大橋 宏一郎氏
システムに潜在する脆弱性問題を解決
エンジニアプラットフォームの開発が一通り完了したのは2022年のことです。その年の夏ごろからパナソニックによる脆弱性診断が実施され、9月に診断結果が報告されました。その内容を見た大橋氏は強い衝撃を受けたといいます。
「エンジニアプラットフォームの開発は、ほかの案件で手一杯だった親会社(テクノブレイブ)には依頼できず、外部の協力会社に委託しました。その会社はシステム開発に長じていましたが、セキュリティのエキスパートではなく、ゆえに診断によっていくつかの脆弱性は見つかるだろうと予測していました。しかし実際には、予想を大きく超える数の深刻な脆弱性が見つかったのです」(大橋氏)
この報告を受けた大橋氏と協力会社は、報告内容に基づきながら、およそ1年の時間をかけてそれらの脆弱性問題を解決していきました。
「パナソニックの報告書には、どんな脆弱性が認められたかだけではなく、その脆弱性を突いたサイバー攻撃の手法や脆弱性に対処する方法が詳細に記されていました。加えてパナソニックは、我々が脆弱性問題に対応する過程で、さまざまな技術的なアドバイスを提供してくれました。そうした丁寧で手厚いサポートのおかげで、報告を受けた脆弱性問題を全て適切に対処できました」(大橋氏)
パナソニック基準のセキュリティ品質によりシステム利用者の安心感を生む
大橋氏によれば、エンジニアプラットフォームに対しては、それをローンチしてすぐのころから無数のサイバー攻撃を受けてきたといいます。ただ、攻撃による実害は一切被っておらず、その点について大橋氏は
「被害がないのは、パナソニックのサービスによってシステムの防御が固められた効果といえます。逆に、同社の診断を受けていなければ、深刻なセキュリティ侵害によってE-agentの事業が立ち行かなくなっていたかもしれません」
と指摘します。
また、E-agent 事業開発本部/SES事業部リーダーの枝松 健太氏は、脆弱性診断にパナソニックのサービスを活用した効果をこう評価します。
「パナソニックのサービスを通じて脆弱性の診断と問題の解決が図られたことは、当社のプラットフォームにおいてパナソニック基準のセキュリティ品質が担保されたことを意味します。それは、当プラットフォームのシステムに対するお客様(顧客企業)やエンジニアの安心感、信頼感へとつながっています」
さらに、パナソニックによる診断とアドバイスに沿って脆弱性対策を進めたことで協力会社のセキュリティスキルも大幅にアップしたといいます。
E-agent株式会社
事業開発本部/SES事業部リーダー
枝松 健太氏
脆弱性診断の定期化を視野に
近年は、ソフトウェア技術の新しい脆弱性が次々に報告され、かつ、サイバー攻撃の手法は絶えず変化し、多様化しています。そのため、E-agentではパナソニックによる脆弱性診断を定期的に受けることを計画中です。
「新たな脆弱性への対応は協力会社と連携しながら継続して行っていますが、対策に万全を期すためには、パナソニックによる診断を定期的に受ける必要があると考えています。それには相応の投資が必要ですが、エンジニアプラットフォームのセキュリティを確保するという経営命題を確実に遂行する上では、そうすることがベストであると確信しています」(大橋氏)
【お客様プロフィール】E-agent株式会社様
| 【設立】 | 2023年12月19日 |
|---|---|
| 【社長】 | 大橋 宏一郎 |
| 【従業員数】 | グループ社員計693人(2025年3月現在) |
| 【事業内容】 | エンジニアプラットフォーム運営、SEサービス、ITインフラ/ソフトウェア開発、IT・デジタル領域における転職支援、教育・研修サービス |
※ 本文中に記載されている内容は、2025年4月の取材時点のものです。