運転中の人に対してナノイー(帯電微粒子水)を照射し、集中力向上に貢献する可能性を明らかにしました。
※ インド工科大学ボンベイ校(IITB)交通システム研究室の教授監修のもと、ドライビングシミュレーターを用いてインド在住の21~42歳の男女20名に対して実施されたものであり、実車における製品の効果を検証したものではありません。また日本国内でのさらなる研究が必要です。
記者発表の様子 
INDEX
交通事故の多くはドライバーのヒューマンエラーが原因であり、その一因として運転中の集中力や注意力の低下が指摘されています。本検証ではドライビングシミュレーターを用いて、運転中の人に対してナノイー(帯電微粒子水)の照射を行い、運転中の集中力向上効果を検証しました。
①ドライビングシミュレーターのコースを走行する被検者に対してナノイー(帯電微粒子水)の照射を実施
②生体反応・運転操作を測定、ナノイー(帯電微粒子水)技術の有無で比較、分析
ナノイー(帯電微粒子水)照射時のみ
[結果①]危険環境下で集中状態の高まりを示す脳波パターンを確認
[結果②]注視すべき対象への視線が安定し、不要な視線移動が減少
「背景」
交通事故の多くは、ドライバーの認知・判断・操作の誤りによるヒューマンエラーが原因です※1※2※3。警察庁の統計によると、「漫然運転(ぼんやり運転)」が、死亡事故原因の第1位となっています※4。こうしたヒューマンエラーの一因として、集中力や注意力の低下が指摘されています※5※6。本検証ではドライビングシミュレーターを用いて、運転中の人に対してナノイー(帯電微粒子水)照射を実施し、運転中の集中力向上効果を検証しました。
「検証方法」
インド在住の21歳~42歳の男女20名の被検者に対してドライビングシミュレーターを使ってコースを走行してもらい、ナノイー(帯電微粒子水)照射有無で比較、分析
※二重盲検法にて実施
※コースは一般的に想定される下記5つの危険な状況を設定
①歩行者の飛び出し②交差点右折進入③片側道路閉鎖④低速車両の追従⑤看板による注意散漫
「検証結果」
[結果①]
交差点へ右折侵入をする際、脳波のパワースペクトル解析において、α波のレベルが有意に低下することが確認された。これは、運転時の集中力向上を示唆する
[結果②]
歩行者が飛び出してくる際、視線の注視回数が減少する傾向が確認された。これは、認知負荷の低減と視覚処理の効率化を意味し、注意力の向上を示唆する
「まとめ」
ナノイー(帯電微粒子水)技術がドライバーに与える影響を科学的に検証 運転中の集中力向上に貢献する可能性を明らかに
インド工科大学ボンベイ校(IITB) 交通システム研究室
(中央)Tom V Matthew 教授
(右)Nagendra R Velaga 教授
(左)Archak Mittal 助教
「インテリジェント交通システム(ITS)」・「ヒューマンファクター」・「交通安全の分野」で世界的に評価。携帯電話使用時や睡眠不足時の運転への影響など、“人間行動” と ”交通安全” を結びつけた研究分野を牽引。
IITBの教授として、パナソニックと共同でナノイー(帯電微粒子水)技術がドライバーに与える影響を科学的に検証しました。ドライビングシミュレーターを用い、脳波・アイトラッキング・運転操作を組み合わせた学際的な研究の結果、集中力や情緒の安定性を高める可能性が示されました。本研究を通じて、ナノイー(帯電微粒子水)技術のようなドライバーの支援は、今後の交通安全対策において応用できる可能性が期待されます。
※当社から依頼し、いただいたコメントを編集して掲載しています。
「解説」
漫然運転(ぼんやり運転):
運転への意識が低下した状態で車を運転すること。「頭がぼんやりしている」「別のことを考えている」など、運転に集中できていない状態が当てはまります※7。
二重盲検法:
被験者と観察者の双方が、どちらの群に属しているかを知らない状態で試験を行う方法。バイアスやプラセボ効果を排除し、客観的な評価を可能にするために、臨床試験など広く用いられています※8。
本試験においては、被検者も分析者もナノイー(帯電微粒子水)技術の照射有無を認識しない状態で行われたことを指します。
パワースペクトル解析:
信号の中に、どの周波数成分がどのくらいの強さ(パワー)で含まれているのかを分析・可視化する手法。
音響分析や気象データの解析、α波・β波などの脳波の強さを比較する際にも使われます。
α波:
脳波の一種。周波数が約8~13Hzの帯域にある脳の電気活動。
「ナノイー(帯電微粒子水)技術」
ナノイー(帯電微粒子水)技術は様々な物質に作用しやすいOHラジカルを含んでおり、ウイルス・菌の抑制や脱臭などに効果を発揮します。これまで清潔(除菌・脱臭)や美容分野での効果を重点的に検証しております。
ナノイー(帯電微粒子水)技術イメージ
ナノイー(帯電微粒子水)発生のメカニズム
[関連記事を読む]
[プレスリリース]
ナノイー(帯電微粒子水)技術による運転中の集中力向上を初めて検証(2025年12月15日)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn251215-1
※1 参考:事業用自動車の交通事故の要因分析(国土交通省)
※2 参考:田久保 宣晃(2006)交通事故データによる運転者のヒューマンエラーと心的負荷の一考察 国際交通安全学会誌、30(3)、63-71
※3 警察庁「令和5年における交通事故の発生状況について」
※4 警察庁「令和6年中の一般原付以上運転者(第1当事者)の法令違反別死亡事故件数の推移」
※5 参考:国土交通省「事業用自動車事故調査委員会5年総括」
※6 参考:Love, S., Larue, G. S., & Rowland, B. (2024). Development and validation of the Driver Attention Regulation Scale: A measure of the perceived ability to regulation attention on the road. *Transportation Research Part F: Traffic Psychology and Behaviour, 102*, 199–212.
※7 参考:菊地一範,本間亮平,若杉貴志,Nguyen Van Quy Hung,岡村宏樹,菊池弘一,畠山善幸:漫然運転状態検出の可能性に関する実験的考察,JARI Research Journal,2012年5月号,pp.1-4,2012.
※8 参考:McLeod, S. (2023). Double-Blind Experimental Study and Procedure Explained. Simply Psychology.