2003年(平成15年)

事業ドメイン別のグループ新体制がスタート

わが社は、創業以来の赤字決算に至った2001年度の業績を踏まえ、V字回復を達成し、社会からの信頼を回復すべく、新たな成長に向けて、2003年1月1日、グループ全体での事業再編を実施し、14事業ドメイン別の新体制をスタートさせた。

創業以来、常に「お客様第一」という経営理念を基本に自主責任経営を実践してきたが、業容の拡大・進展にともない、組織が重層・複雑化、技術などの分散を招き、また事業の領域やお客様に対する責任体制も不明瞭になっていた。

この事業再編は、こうした課題を解決し、お客様の視点に立った企業経営を実現するため、グループ企業間の事業重複の排除、開発を中心とする経営資源の集中、開発・製造・販売の全機能の統合・一元化を図ることを基本に、事業ドメインごとの成長戦略の加速と自主責任経営の徹底を図っていくことを目的とした。

新体制発足に先立ち、2002年10月1日には、松下通信工業、九州松下電器、松下精工、松下寿電子工業、松下電送システムのグループ5社を完全子会社化した。

2003年4月1日には、デバイス分野において、松下電子部品と松下電池工業を完全子会社し、アプライアンス分野でも電化・住設社とエアコン社を解消して、松下ホームアプライアンス社を設立した。

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事業ドメイン制 新体制の概要

グローバルブランドを「Panasonic」に

グローバルブランドスローガン「Panasonic ideas for life」を世界に発信

グローバルマーケティング力とブランド価値の向上を目指し、2003年5月、グローバルブランドを「Panasonic」に統一するとともに、グローバルブランドスローガンを「Panasonic ideas for life」とすることに決定した。

デジタル技術の進展や市場競争の激化の中で、ブランド力は企業の成長力を左右する重要な要素であり、パナソニックグループがそれぞれの事業領域でグローバルナンバーワンを目指したマーケティング活動を展開するためには、マーケティング原資を集中し、効果的なコミュニケーション活動を展開することが急務となっていた。

このため、1955年に輸出用スピーカーのブランドとして使用を開始して以来、欧米を中心に「品質の良さと信頼感・安心感」と「先進性・先端性」といったブランドイメージを蓄積してきた「Panasonic」ブランドを、グローバルブランドとして位置づけ、海外の全地域で展開することでブランド価値の拡大を図っていくことになった。

これにともない、東南アジアや中国、中近東などの地域で「National」ブランドを使用している商品については、2003年度下期の新製品から「Panasonic」ブランドに切り替え、あわせて屋外看板も2003年度中に切り替えを完了した。

一方、日本国内については、「National」ブランドが当社のアプライアンス商品のブランドとして、お客様の認知度や信頼性が高く、また創業以来のオリジナルブランドであることから、引き続き「Panasonic」と共存させていくことになった。

さらに、グローバルブランドの統一にあわせて、グローバルブランドスローガン「Panasonic ideas for life」を制定した。「ideas for life」には『全世界のグループ社員が、開発・製造・販売・サービスを通じて、人々の豊かなくらしや社会の発展に、価値あるアイディアを提供し続ける』というメッセージが込められている。

このコンセプトは、パナソニックのつくり出す商品やサービスが常に人々の生活を豊かにし、社会に貢献しなければならないという、パナソニックの創業以来の経営理念を端的に示したもので、企業宣伝や商品宣伝、パナソニックが出展する展示会などにおいて、世界に向けて発信される。