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ESD対策とは?重要性と工場での効果的な導入方法をわかりやすく解説

作成日:2024年10月9日

ESD(静電気放電)は電子機器や精密機器に深刻なダメージを与える原因となり、機器の故障やデータ損失、さらには火災リスクが高まるため、適切な対策が重要です。

今回は、ESDの基本的な仕組みやリスクを解説し、効果的な対策技術を紹介します。また、当社パナソニックの「シルキーファインミスト」による静電気除去の優位性とその具体的な使用例を紹介し、導入メリットやコストパフォーマンスについても詳しく解説します。

ESD(静電気放電)対策の必要性

はじめに、ESD(静電気放電)とは具体的に何なのか、なぜその対策が必要なのか、について解説します。また、ESDが引き起こす具体的なトラブル事例を紹介します。

ESDとは

ESD(Electrostatic Discharge)とは、静電気が蓄積された物体間で瞬間的に放電が起こる現象を指します。

日常生活でも、ドアノブに触れた際に「パチッ」と静電気を感じることがありますが、これはESDの一例です。特に乾燥した環境では静電気が溜まりやすく、蓄積した電荷が電子機器や半導体などに放電されると、深刻なダメージを引き起こします。

ESD対策が必要な理由

ESD対策が必要な理由は、静電気が電子機器や精密機器に重大な影響を与えるためです。

たとえば、パソコンやスマートフォンなどの精密機器ではESDによるダメージが深刻で、機器が使用不能になることもあります。さらに製造業では、ESDが原因による不良品の大量発生で生産ラインが停止し、生産効率の低下や大規模な経済的損失が生じる可能性もあります。

また、誤作動や機器の故障が連鎖的に他の機器やシステムに影響を与えることもあるため、ESD対策をしっかりと行うことが必要です。

静電気が引き起こすトラブル事例

静電気が引き起こすトラブルは多岐にわたります。具体的な事例には次のものが挙げられます。

  • 電子機器の故障
  • 生産ラインの停止
  • 人体への影響

このように、ESDによる被害は広範囲にわたり、機器の故障や生産ラインの停止など、深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。そのため、静電気を発生させない環境作りや、適切な対策を講じることが重要です。

電子機器の故障

ESDが最も問題になるのは、電子機器の故障です。たとえば、コンピュータの内部回路や半導体チップに静電気が放電されると、機器が正常に動作しなくなり、最悪の場合、データが完全に消失してしまうこともあります。特に、コンピュータやスマートフォンのような精密機器にとってESDは致命的なダメージを与えることがあります。

生産ラインの停止

工場や製造現場で懸念されるのは、ESDが原因による生産ラインの停止です。静電気が精密部品にダメージを与えると、その部品が組み込まれた製品全体に不良が発生し、結果として生産ラインが止まり、大量の製品を再チェックする必要が生じます。このような状況では製造コストが急増し、納期遅れや大規模な経済的損失につながります。

人体への影響

静電気は人体にも少なからず影響を与えます。人が作業中に静電気を帯び、それが放電される瞬間に痛みを感じたり不快感に思ったりすることがあります。

これにより、作業者の集中力が低下し、作業効率が下がることも少なくありません。また、電子機器に触れるたびに放電が発生するため、特に精密作業を行う現場では厳重なESD対策が必要です。


ESD対策の基本的な考え方と方法

ESDによるトラブルを防ぐには、静電気の発生メカニズムを理解し、効果的な対策を講じることが重要です。ここでは、静電気の発生原因とその対策方法、日常的に使われるESD対策について解説します。

静電気の発生メカニズム

静電気は、物質同士が接触したり摩擦したりすることで電荷が移動し、片方の物質に電気が蓄積されることで発生します。たとえば、ドアノブに触れたときに「パチッ」と感じる放電や、服を脱ぐ際に発生する静電気がその例です。

具体的には、異なる物質が接触した後に分離すると、一方が電子を得て、もう一方が電子を失うために電荷の不均衡が生じます。この状態が続くと、物体に電気が帯び、やがて金属などの導電性の高い物質に触れた瞬間に放電が起こり、電子機器にダメージを与える可能性があります。

ESDによるトラブルを防ぐには、静電気を発生させないようにするか、発生した静電気を除去する対策を講じることが重要です。

ESD対策の基本原則

ESD対策の基本は、「静電気の発生を予防すること」と「発生した静電気を除去すること」の2つに分けられます。

静電気の発生を予防する

静電気の発生を予防するには、環境の湿度管理が重要です。湿度が低い環境では、静電気が溜まりやすくなるため、湿度を40〜60%の範囲に保つことが推奨されます。特に、空調の効いたオフィスや乾燥した工場では、湿度管理が欠かせません。

また、摩擦を減らすことも重要です。たとえば、導電性の素材を使用した作業着や靴を着用することで、静電気の発生を抑えることができます。床材や作業台などの設備に導電性の素材を取り入れることも、静電気の蓄積を防ぐ効果があります。

発生した静電気を除去する

静電気が発生した場合、その電荷を速やかに逃がす必要があります。これには、アース接続されたマットやリストバンドを使って、静電気を体外に放電させる方法が効果的です。作業台や椅子にアース接続を施すことで、作業者が触れる際に静電気が蓄積されるのを防ぎます。

また、静電気除去ブロー(エアーブロワー)やイオン発生機を使用して、空気中の静電気を中和する方法もあります。特に精密機器を扱う作業環境では、イオン発生機が有効です。イオン発生機はプラスとマイナスのイオンを放出し、空気中の静電気を中和する役割を果たします。

一般的なESD対策アイテム

ESD対策のために、さまざまなアイテムが使用されています。代表的なアイテムには次のようなものが挙げられます。

  • 導電性マット
  • アース付きリストバンド
  • 静電気除去ブラシ
  • イオン発生機
  • 湿度管理アイテム

ここでは、それぞれの効果と役割を紹介します。

導電性マット

導電性マットは、作業台や床に敷くことで、静電気を効率的にアースへと逃がすために使用されます。特に、電子部品の組み立てや修理を行う作業環境では、導電性マットが不可欠です。作業者が触れることで静電気が逃げるため、デバイスへの影響を最小限に抑えることができます。

アース付きリストバンド

アース付きリストバンドは、作業者が体に帯電した静電気をアースに逃がすために使用します。手首に装着することで、作業者自身の静電気が除去され、電子部品にダメージを与えるリスクを軽減できます。特に電子部品を直接触る際には、リストバンドが非常に効果的です。

静電気除去ブラシ

静電気除去ブラシは、プラスチックやガラスなど、静電気が蓄積しやすい素材を扱う際に使用されます。ブラシの毛が帯電した物体に触れることで静電気が除去され、静電気による影響を防ぐことができます。電子機器のクリーニングや組み立ての際に効果的です。

イオン発生機

イオン発生機は、空間全体の静電気を中和するために使用されます。特に大規模な作業現場や工場では複数のイオン発生機を設置することで、静電気が発生しにくい環境を作り出すことが可能です。

湿度管理アイテム

静電気は乾燥した環境で発生しやすいため、湿度を管理するアイテムも重要です。加湿器やミストシステムを使用して空気中の湿度を40〜60%に保つことで、静電気の発生を抑えることができます。

特に、乾燥が激しい冬場や空調が効いている環境では、湿度管理がESD対策に欠かせない要素です。ミストシステムは湿度を安定的に保ち、大規模な作業現場でも効率よく湿度管理が行えます。


ESD対策を効果的に行うための技術

ESDは電子機器に深刻な影響を与え、故障や不具合を引き起こす原因となるため、特に精密機器を扱う工場やオフィスではESD対策が欠かせません。ここでは、ESD対策を効果的に行うための技術について解説します。

  • 導電性素材の活用
  • イオン発生機の使用
  • ミストシステムによる湿度管理

帯電防止剤

界面活性剤のような帯電防止剤を塗ると、帯電を防ぐことができます。たとえば、搬送装置などに塗っておくと効果的です。

帯電防止剤を塗ると、塗った物質の表面の摩擦係数が小さくなり、摩擦による静電気の発生が抑えられます。また、物体表面の伝導性が高くなり、溜まった電荷を外に逃がしやすくなります。

一方で、帯電防止剤は使用するにつれて剥がれていくため、時間が経つと効果が薄れてしまうというデメリットもあります。また、移動する部品に塗ることはできません。

導電性素材の活用

導電性素材を使用することも、効果的なESD対策です。

導電性素材とは、静電気を逃がす性質を持つ素材のことです。作業場で使われるマットや作業服、椅子などに導電性の素材を取り入れることで、静電気が蓄積されることを防ぎます。

導電性マットは、作業台や床に敷くことで、静電気を効率よくアースに逃がす役割を果たします。また、アースに接続された導電性リストバンドを着用することにより、作業者が蓄積した静電気を即座にアースに逃がすことが可能です。

さらに、導電性作業服や靴も有効です。これらの素材を着用することで、作業者が動き回る際に静電気を帯びるリスクを減らすことができます。

 加湿除電
概要天井や配管等に設置したミストノズルから霧を噴霧するなどして、工場内の湿度を上げ、静電気を発生しづらくする(予防)除電器(イオナイザー)を使用して、帯電したものに逆の電荷を与えて中和する(対策)
メリット
  • 天井に設置可能なため、ライン内にスペースが不要
  • 立体的な製品の静電気対策が可能
  • 広範囲の静電気対策が可能
  • 副次的メリットがある(空気中のほこりの軽減、冷房効果など。詳しくは後述)
  • すぐに電位を下げることが可能
  • 適切に使用すれば完全に中和することができる
デメリット
  • ミストの粒径・対象物との距離・噴射量のコントロール等を誤ると、湿度が上がりすぎる恐れがある(詳しくは後述)
  • 電位が下がるまでに数分~数十分かかる
  • 静電気を完全には除去できない場合がある
  • ライン内に除電器を設置するためのスペースを作る必要がある
  • 立体的な製品では除電器から遠い面は除電が難しい場合がある
  • 局所的な対策である

イオン発生機の使用

イオン発生機はプラスとマイナスのイオンを空気中に放出して静電気を中和する装置で、ESD対策において効果的な方法の一つです。静電気の蓄積を防ぎ、電子機器へのダメージを未然に防ぐことができます。

この技術は、特に精密機器や電子部品の製造現場で効果的です。製造ラインでは、静電気の放電が微小なパーツに影響を与える可能性があり、製品の品質に直接影響を与えるため、イオン発生機による空間の静電気中和が非常に重要になります。

イオン発生機は設置が比較的簡単でメンテナンスも容易なため、広く利用されています。

ミストシステムによる湿度管理

湿度管理は、ESD対策において最も基本的かつ効果的な方法の一つです。

湿度が低い環境では空気中の水分が不足しているため、静電気が蓄積しやすくなります。特に乾燥する冬季や空調が効いた室内環境では静電気のリスクが高まるため、湿度を一定に保つことが非常に重要です。

そこで、ミストシステムが有効な湿度管理手段として利用されています。ミストシステムは、空気中に微細な水滴を噴霧して湿度を調整する装置です。これにより、湿度を最適な範囲(40〜60%)に保ち、静電気の発生を抑えることができます。

ミストシステムは、広範囲をカバーできます。そのため、大規模な作業場や工場でも効率的に湿度管理が可能です。


 ボイラーによる加湿
(「蒸気加湿」とも呼ばれる)
ミストによる加湿
(「水噴霧加湿」とも呼ばれる)
概要水を加熱して蒸気で加湿する方法天井から霧を噴霧する方法
メリット
  • 加湿能力が高い
  • 高温のため、雑菌が繁殖しない
  • 火傷の危険がない
  • 消費電力・CO₂排出量が抑えられる
  • 副次的メリットがある(空気中のほこりの軽減、冷房効果など、詳しくは後述)
デメリット
  • 高温の蒸気による火傷の危険がある
  • 工場内の温度が上昇する
  • 消費電力およびCO₂排出量が多い
  • ミストの粒形・対象物との距離・噴射量のコントロール等を誤ると、湿度が上がりすぎる恐れがある

パナソニックの「シルキーファインミスト」の特徴

パナソニックの「シルキーファインミスト」は湿度管理を行うのに適したシステムで、効果的にESD対策を行うことができます。ここでは、シルキーファインミストの特徴や使用方法、他のESD対策アイテムと比較した際の優位性について解説します。

シルキーファインミストとは

「シルキーファインミスト(※1)」は、パナソニック独自の二流体ノズルから生み出される極微細ミストの技術商標のことで、平均粒径約6μmと微細なミストのため蒸発しやすく、濡れにくい特徴があります。

一般的に静電気は乾燥した環境で発生しやすく、特に冬場や空調が効いたオフィスや工場などではその影響が顕著です。シルキーファインミストは、この問題を解決するために設計されており、湿度を最適な範囲(40〜60%)に保つことで静電気の発生を抑制します。

また、シルキーファインミストは広範囲をカバーできるため、大規模な作業場や工場でも効率的に湿度管理が可能です。

他の静電気除去アイテムと比較した優位性

他の静電気除去アイテムと比較してシルキーファインミストの大きな利点は、その「持続性」と「広範囲の対応力」です。

他の静電気除去アイテムには、静電気除去スプレーや導電性マット、リストバンドなどがあります。これらは広い作業場全体をカバーするのは難しい場合が多く、また特定の場所にしか効果がないため、静電気の発生を完全に防ぐことは困難です。

一方、シルキーファインミストは、空間全体に対して静電気を抑制する効果があり、持続的に湿度を一定に保つため、作業場のすべてのエリアで安定した効果を発揮します。

また、導入後のメンテナンスも簡単で、手間がかかりにくい点も大きなメリットです。従来のアイテムでは、静電気を直接的に除去するだけですが、シルキーファインミストは根本的な原因である「乾燥環境」を改善し、予防的に静電気を抑えることが特徴です。

使い方と効果

シルキーファインミストは、設置後自動でミストを噴霧して空間全体の湿度を管理します。作業場やオフィス、工場など、静電気が発生しやすい場所での設置が推奨され、特に、電子機器や精密機器を扱う環境では、静電気による故障や誤作動を防ぐために効果的です。

シルキーファインミストを接地することにより、静電気による機器の故障リスクを大幅に低減し、作業の効率を向上させることが可能です。また、ミストが均等に広がるため、オフィスや一般的な作業場でも静電気による不快感を軽減し、快適な作業環境を保つことができます。

ミストは非常に微細であるため、室内の湿度が過剰に上がることはなく、精密機器などに悪影響を与える心配もありません。湿度を一定に保ちながら静電気を効果的に抑えるという点で、非常に高いパフォーマンスを発揮します。

ESD対策製品としての役割

シルキーファインミストは、湿度管理を行うことで「静電気を除去する」ことを目的とするのではなく、そもそも「静電気を発生させない」環境を作り出すことでESD対策を行います。これにより、静電気トラブルを未然に防ぐことができ、電子機器や作業効率の維持にも大きく寄与します。

シルキーファインミストの科学的メカニズムは、空気中の水分量を一定に保ち、空気の帯電を抑えることにあります。乾燥した空間では静電気が発生しやすくなりますが、湿度を適切に保つことでそのリスクを抑えることが可能です。これにより、機器の故障リスクが低減し、製品の品質を安定させることができます。


シルキーファインミストがもたらすメリット

シルキーファインミストは、静電気の発生を効果的に抑えるために設計された湿度管理システムで、ESDトラブルを未然に防ぎます。ここでは、シルキーファインミストが解決するESDトラブルや具体的な使用シーンを通じて、その導入メリットについて解説します。

解決するESDトラブル

シルキーファインミストは、静電気が引き起こすさまざまなトラブルを解決する効果があります。特に、静電気の発生原因である乾燥を抑えることで、電子機器や製造現場でのトラブルを大幅に減少させます。

精密機器の故障防止

ESDは電子部品や精密機器に深刻な影響を与えることがあり、製品が故障したり、不良品が発生したりするリスクが高まります。

シルキーファインミストは湿度を一定に保つことで、静電気の発生を根本から抑え、機器の故障リスクを大幅に低減し、製造ラインの安定稼働や製品品質の向上を可能にします。

生産効率の向上

製造現場では、静電気によるトラブルが原因で生産ラインが停止することもあります。

シルキーファインミストを導入することで、静電気の発生を防ぎ、生産ラインのスムーズな稼働が実現できます。そうすることで、ライン停止による損失を防ぎ、生産効率が向上します。

データ損失や誤作動の防止

オフィスやサーバールームで静電気が発生すると、電子デバイスに影響を与え、データ損失や誤作動を引き起こすことがあります。特に、サーバーやコンピュータは、静電気によるダメージを受けやすく、ビジネスに大きな影響を与える可能性があります。

シルキーファインミストを設置すると、こうしたトラブルを未然に防ぎ、機器の安定稼働が可能です。

具体的な使用シーン

シルキーファインミストは、さまざまな場面で効果を発揮します。具体的な使用例としては、次のものが挙げられます。

電子部品製造工場

精密な電子部品を製造する工場では、静電気が部品にダメージを与えることが大きなリスクです。静電気の放電が発生すると製品の品質が低下し、不良品が増える原因となります。

シルキーファインミストは、工場内の湿度を適切に管理し、静電気が発生しにくい環境を作り出すことで、製品品質の維持に貢献します。また、機器の故障リスクも軽減されるため、工場全体の生産効率の向上もメリットの一つです。

サーバールームやデータセンター

サーバールームやデータセンターでは、温度管理と同様に湿度管理も非常に重要です。静電気が発生すると、サーバーやストレージ機器に重大なダメージを与え、データの消失やシステムダウンを引き起こす可能性があります。

シルキーファインミストを導入することで、静電気が発生しない湿度環境を維持し、サーバー機器の安全な運用をサポートします。

研究施設やクリーンルーム

サーバールームやデータセンターでは、温度管理と同様に湿度管理も非常に重要です。静電気が発生すると、サーバーやストレージ機器に重大なダメージを与え、データの消失やシステムダウンを引き起こす可能性があります。

シルキーファインミストを導入することで、静電気が発生しない湿度環境を維持し、サーバー機器の安全な運用をサポートします。

研究施設やクリーンルームでも静電気対策は非常に重要です。特に、静電気による微細な粒子の付着や汚染は、研究結果に影響を与える可能性があります。

シルキーファインミストは、クリーンルーム内の湿度を一定に保ち、静電気を防ぐことで、精密な作業環境をサポートします。


シルキーファインミストの導入方法と注意点

シルキーファインミストがESD対策に効果的であることを解説してきました。ここでは、導入はどのようにすれば良いのか、そして導入の際に注意すべき点について解説します。

導入の手順

シルキーファインミストを効果的に導入/運用するには、適切な設置場所を選定することが重要です。湿度管理が必要なエリアを特定し、システムのカバー範囲を計算して設置場所を決定します。

設置場所が決まったら、システムの設計と機器の選定を行います。高圧ポンプや噴霧ノズルの配置、制御システムの設定などが重要なポイントとなります。そして導入後も定期的なメンテナンスが必要です。

導入コストと効果の比較

シルキーファインミストの導入には初期費用がかかりますが、長期的な効果を考えると非常にコストパフォーマンスが高いです。運用コストが低く、静電気トラブルの防止や労働環境の改善など、多くのメリットが得られます。

初期費用には、機器の購入費用、設置工事費用、設計費用などが含まれます。設置場所の広さやシステムの複雑さによって費用は異なりますが、適切な湿度管理が長期的に利益をもたらすことを考慮すると、十分に投資する価値があります。

また、ミストシステムは運用コストが低いことが大きな魅力です。エネルギー消費が少なく、効率的な湿度管理が可能であるため、導入後の維持費用を抑えることができます。静電気によるトラブル防止や、労働環境の改善による生産性の向上も考慮すると、トータルコストで見た場合のメリットは非常に大きいといえます。


シルキーファインミストの導入事例

最後に、ミストシステム導入後のイメージをより具現化するため、実際の導入事例の一部を紹介します。工場加湿・静電気対策として、パナソニックの二流体加湿システムを導入頂いた事例では、750平方メートルの基板実装工程に10台のノズルユニットと制御機器を納入し、次の点を評価いただきました。

  • パワフルな加湿力と自動運転制御による加湿ムラの解消
  • ランニングコストの大幅削減
  • パナソニックグループの品質や対応の良さ

また、実際の導入事例の詳細を知りたい方は、ミストシステムの導入事例一覧を参照してください。


まとめ

ESD対策の重要性について解説し、効果的にESD対策が可能なパナソニックのシルキーファインミストについて解説しました。お伝えした内容をまとめると次の通りです。

  • ESD対策が必要な理由は、静電気が電子機器や精密機器に重大な影響を与えるため。
  • ESD対策の基本は「静電気を発生させない」「発生した静電気の除去」。
  • 広範囲かつ効率的に湿度管理が行えるミストシステムはESD対策として効果的な手段。
  • シルキーファインミストによる湿度管理は、ESD対策として効果的。

パナソニックのシルキーファインミストに関するお問い合わせは、問い合わせフォームからお願いいたします。


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