ノウハウ
FAXにより受注を効率化する4つの方法とそのメリットとは?
公開日:2024 / 2 / 26
業界の慣習などによりFAXでの受注を続けている企業は、まだまだ多いでしょう。受注管理システムを導入しようとしても、顧客の要望によって完全なデジタル化ができないケースも考えられます。しかし、FAXによる受注は効率的とはいえません。印刷されたFAX用紙を取りに行き、手作業でデータを入力し、仕分けするなど、多くの工数が必要です。そのため少しでも効率化したい企業は多いでしょう。
今回は、FAXによる受注を効率化する4つの方法と、効率化が必要な理由、メリットなどを紹介します。
なぜFAXによる受注を効率化すべきなのか
FAXでの受注を効率化しなければならないのは、次のような理由があるからです。
コストや手間がかかる
FAXを利用したアナログベースな処理では、次のような作業やコストの負担がかかります。
- FAXまで紙を取りに行く
- FAXの内容を確認し、システムに入力する
- 返信を作成し、顧客にFAXで送信・確認する
- FAXの内容を仕分けして後の処理につなげる
- 受信したFAXをファイリングして管理する
- FAX用紙やインクを補充する
ミスが起きやすい
FAXによる受注では、人がデータを入力し、その後の処理を行う必要があります。そのため、次のようなミスが起きやすいといえます。
- FAXの受信に気づかない
- データ入力の抜け・漏れ・間違いが起こる
- 入力し忘れる・用紙を紛失する
- 後の工程を担当する人に連携を忘れる
- 返信をFAXで送信する際に送信先を間違える
- 先方が宛先を間違えて情報漏洩などのトラブルになる
- ファイリングする場所を間違える
- 紙やインクの補充を忘れて、受信に気づかない
検索に時間がかかる
FAXでの受注は、FAX用紙という紙ベースの作業です。そのため、データ入力を行いテキストデータにしないと検索ができません。また、原本を探すのに時間がかかります。
FAXのあるところでしか作業できない
FAXでの受注では、誰かがFAX用紙を取りに行く必要があります。そのため、オフィスに社員がいなければなりません。また、FAXを受信した後もデータ入力などを行う必要があるため、テレワークの導入が難しいでしょう。
保管・管理にコストやスペースが必要
FAXでの受注では、原本、つまり受信したFAX用紙を保管しておかなくてはなりません。そのため、FAX用紙を保管するスペースや管理するコストが必要になります。
FAXによる受注を効率化する4つの方法
FAXによる受注を効率化するには、4つの方法があります。
FAX-OCR | PC-FAX | クラウドFAX | 受発注管理システム | |
---|---|---|---|---|
必要な作業 | OCRツール導入 | ソフトウェアおよび対応する機種のFAX | クラウドサービスへの申込 | システム導入 |
データ入力・仕分け | 不要 | 必要 | 必要 | 不要 |
出力データの形式 | テキストデータ | システムに合わせたデータ | ||
ペーパーレス化 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
検索 | しやすい | しにくい | しにくい | しやすい |
顧客の作業 | 変わらない | 変わらない | 変わらない | 大きく変わる |
FAX-OCRを導入する
FAXで受信したデータを印刷する前にOCR処理してテキスト化し、データ入力するものです。データ入力を自動化できるため、人的ミスを防ぎ、処理を高速化できます。テキストデータに変換できるので、そのまま仕分けして、後の処理に進められます。またペーパーレス化も実現可能です。顧客の作業は従来と変わらないので、導入しやすいでしょう。
ただし、入力されたデータが正確かのチェックは必要です。
OCR処理については、次の記事も参考にしてください。
PC-FAXを導入する
FAXや複合機とPCを電話回線経由で連携し、受信したFAXをPCに転送する方法です。受信した内容はPDFとしてPC上で参照できます。顧客は従来どおりFAX を送信すればいいため導入ハードルは低く、手軽にペーパーレス化が可能です。
ただし、あくまでPDFに変換して保存する形のため、データ入力までは自動化できません。データの入力や仕分け、その後の処理は手作業が必要です。
クラウドFAXを導入する
FAXをインターネット経由で受信し、クラウド上に保存するサービスです。データはPDF形式で保存されます。クラウドベースの作業でFAX用紙は不要なため、テレワークでも利用できます。
ペーパーレス化は可能ですが、データを手で入力し、仕分けして後の工程に進める作業が必要です。また、PDFのままでは検索に手間がかかる点に注意しましょう。
受発注管理システムを導入する
FAXを利用せず、受注を業務システムで行う方法です。
データ入力が不要になる、リアルタイムな在庫検索が可能、人的ミスの削減、スマートフォンからの受注も可能など、いくつものメリットがあります。システムにそのままデータが入力されるため、仕分けを行う必要もありません。
ただし、システム導入の手間とコストが必要です。顧客にも業務フローの変更をお願いする必要があるため、導入しにくい面もあるでしょう。
FAXによる受注を効率化することのメリット
FAXによる受注を効率化することで、次のようなメリットがあります。
業務効率化・生産性向上
FAXによる受注を効率化することで、データ入力、受注書の管理、仕分け、後処理などの業務を効率化できます。それによって単純作業を削減し、企業の利益に直結するコア業務に社員を多く配置することが可能です。その結果、生産性を向上させることができます。
ただし、業務効率化の度合いは導入する方法によって異なります。PC-FAXやクラウドFAXでは手作業でのデータ入力が必要なため、効率化の度合いは低いといえるでしょう。
コスト削減
ペーパーレス化を実現し、FAX用紙やインクの調達・保管・管理に関する手間やコストを削減可能です。
FAX-OCRや受発注管理システムではデータ入力や仕分けを行う作業時間も削減できるので、社員の作業時間を大きく短縮でき、残業代も減らせます。さらなるコスト削減が可能です。
人的ミスの削減
FAX-OCRや受発注管理システムではデータ入力や仕分けを自動化でき、人的ミスを大きく削減できます。
PC-FAXやクラウドFAXでも、送信先間違いなどのミスは削減可能です。ただしデータ入力部分ミスが発生する可能性は残ります。
テレワーク導入の推進
ペーパーレス化と一定のデジタル化が実現可能です。オフィスでなくても業務を行えるようになり、テレワークを推進できます。
容易な管理
書類の内容をデジタルデータとして管理することが可能です。それにより受注に関する処理だけでなく、その後の出荷、請求、在庫確認などの管理がしやすくなります。
FAXによる受注業務はまだまだ効率化できる
FAXによる受注は、受け取る側のFAXを変更したり、受注管理システムを導入したりすることで大きく効率化できます。しかしシステムの導入には顧客の協力が必要なため、導入しにくいという企業もあるでしょう。また、PC-FAXやクラウドFAXはペーパーレス化の推進にはなりますが、データを自動的にシステムに入力して仕分けすることはできません。
FAX-OCRを導入すれば、FAXによる受注を残しながら、業務を大きく効率化することが可能です。データ入力を自動化できるだけでなく、抜けや漏れなどの人的ミスを防ぐこともできます。
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