コクヨマーケティング株式会社様
AIによる知識検索のセルフサービス化で
問い合わせ業務を月20時間削減し、回答品質の向上を実現
コクヨマーケティングは、コクヨ製品を中心とするオフィス家具や文房具・事務用品・事務機器の販売を手がけるほか、オフィス空間の構築を事業として展開しています。その事業の一端を担うエンジニアリング本部では、工事に関する社内からの問い合わせに対応しており、その業務を効率化すべくパナソニック ソリューションテクノロジー(以下、パナソニック)のAIチャットボット「WisTalk」を導入しました。これにより、工事に関する正しい情報を社員が自ら簡単に得られる環境を整え、問い合わせ対応の業務負担を大幅に低減させています。
コクヨマーケティング株式会社様
| 【本社所在地】 | 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 |
|---|---|
| 【社長】 | 石井 健一 |
| 【設立】 | 1970年10月 |
| 【従業員数】 | 899人(2025年1月1日時点) |
| 【事業内容】 | オフィス空間構築、オフィス移転に伴う家具の販売、ならびに内装工事、設備工事/文具、事務用品、事務機器の販売、ならびに購買システムのサポートサービス |
導入前の課題
- エンジニアリング部門では、工事に関する社内の問い合わせに少人数の担当者で日々対応しなければならず、その業務負担が大きかった。
- 担当者によって回答内容が異なることがあり、回答の一貫性や正確性を一層高める必要があった。
- 問い合わせ対応が人力のため、社員がいつでも、どこでも自分の欲しい回答が得られるわけではなかった。
導入後の効果
- 担当者への直接の問い合わせが大きく減り、月当たり平均20時間の工数を削減できた。
- 問い合わせに対する回答の一貫性と品質が向上した。
- 社員がいつでもどこでも何度でも、自ら正しい情報を確認できる環境が整えられた。
空間構築の事業が拡大する中で
コクヨマーケティングではオフィスのレイアウトから設計、施工まで、オフィス空間をワンストップで構築・提供するサービスを展開しています。その事業を支える組織の1つであるエンジニアリング本部の役割について、エンジニアリング本部長は次のように説明します。
「当本部は、オフィス空間構築工事に関する専門の技術と知見をもって、営業部門のサポートや安全管理・工程管理などを行う組織です。当本部の下にはエンジニアリング部門が地域ごとに置かれ、その中の首都圏エンジニアリング部では全国からの問い合わせに対応しています」
働き方改革やオフィス変革が加速し事業の勢いも増す中、首都圏エンジニアリング部などに社内から寄せられる工事関連の問い合わせが増加していました。この問題を解決しようと導入したのが、パナソニックのAIチャットボット「WisTalk」です。
コクヨマーケティング株式会社
エンジニアリング本部
本部長
正しい情報が簡単に得られる環境づくりを目指す
コクヨマーケティング株式会社
エンジニアリング本部
導入責任者
コクヨマーケティング株式会社
エンジニアリング本部
導入担当者
WisTalkの導入以前、エンジニアリング本部では有識者が社内からの問い合わせに対応していました。当時の様子を、エンジニアリング本部 導入責任者はこう振り返ります。
「工事関連の問い合わせに、数名の人間が交代制で対応していました。 Q&A集は用意していたものの『それを確認するより担当者に聞いた方が早い』という意識が営業部門にはありました。電話や対面での問い合わせが1日9件程度あり、質問者にはメールなどを通じて正しい知識・情報をしっかりと伝えなければならず、相当な手間がかかっていました」
こうした問題を解決すべく同社が目指したのが、社内の問い合わせ対応をシステム化し、社員が「いつでもどこでも何度でも、自ら正しい情報を簡単に確認できる環境」を築くことです。これに向けて同社では、AIを使い自然言語によるQ&A検索を可能にするツールを探しました。そのような製品が複数ある中でWisTalkを選んだ理由について、首都圏エンジニアリング部で工事関係の問い合わせに対応している導入担当者は次のような説明を加えます。
「WisTalkは建設業界での採用実績が国内最高レベルにあり、建設工事にかかわる専門用語を学習済みだったのが大きいです。実際、WisTalkを使うに当たり、オフィス工事関連の専門用語を学習させる必要はありませんでした。加えて、Q&Aのメンテナンスが容易な点や、パナソニックのサポート品質が高い点も評価しました」
WisTalkの導入には回答品質を高める狙いもありました。
「人による回答には、担当者ごとに品質にバラつきが出たり、間違いがあったりします。ナレッジベース(Q&A)を使った問い合わせ対応のシステム化で、そうした課題も解決できると判断しました」と導入責任者は明かします。
扱う情報のブラッシュアップでWisTalkの利用を促進
WisTalkの導入を決めた同社では、2021年7月から10月にかけて問い合わせ内容を収集・分析してQ&Aを作成、そして12月からの2 ヵ月間でWisTalkのトライアルを行いました。その結果からWisTalkに対する問い合わせ内容を分析し、社員の課題を可視化・抽出してQ&Aをブラッシュアップ。
2022年2月からWisTalkの本番運用を始動させました。同社ではWisTalkの本番運用後も、その利用促進を目的にQ&AやWisTalkを使った問い合わせページの改修・改善を続けています。例えば、WisTalkに関する定期的な社内アンケートを実施し、その結果を基にした問い合わせページの改修やQ&A内容の見直しなどを行っています。さらに、関係者で毎月ミーティングを催し、WisTalkのダッシュボードを使いながらQ&Aメンテナンスの効果やWisTalk運用の費用対効果を分析しているとのことです。
WisTalk活用の定着により電話での問い合わせがほぼゼロに
改修・改善の取り組みもあり、同社におけるWisTalkの利用率は伸びていきました。例えば、2022年2月から2025年1月までの実績として「1日平均19.4件」の検索(問い合わせ)が行われています。かつてのQ&A集は見なかった人たちもWisTalkは使っており、WisTalk利用の定着により問い合わせ対応の業務負担も大きく低減されたと、首都圏エンジニアリング部の担当者は述べます。
「WisTalkに登録している230件のQ&Aで社員の情報ニーズはほぼ満たせていて、電話やメールで直接問い合わせを受けることはほとんどなくなっています。かつては1件の問い合わせに回答するのに約10分を要し、1日当たり1時間以上を問い合わせ対応に費やしていました。それが大幅に削減され、さらにWisTalk導入以前はよくあった営業時間外の電話での問い合わせもなくなりました」
また、WisTalkに対しては従業員からも「自分の欲しい情報をいつでも必要なタイミングで得られるようになり助かっている」と評価する声が上がっているようです。
こうした効果を踏まえつつ、導入責任者は今後さらにWisTalkを活用していく構えを示しています。
「WisTalkは、問い合わせ対応の工数を減らす上でも、回答の品質を高める上でも有効なツールです。今後も、社員にとっての利便性をさらに高めるべく、Q&Aや資料の見直し、改修・改善を推し進め、あわせてエンジニアリング部門以外の部門と連携しながら、工事以外の問い合わせにも対応できる環境づくりも検討したいと考えています」
※ 本文中に記載されている内容は、2025年3月の取材時点のものです。