「Global Portal」の導入事例 三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社


社内情報共有プラットフォームを、2ヶ月で刷新!
「Global Portal」を利用したポータルサイトの導入で、業務スピードが劇的に向上
三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社(以下、SMTPFC)は、三井住友トラスト・ホールディングスのグループ会社として、2012年4月、社名・体制ともに新たなスタートを切った。
同社は大企業・中小企業から個人まで幅広いお客様を有し、リース・クレジット・カード・ファイナンス等、高度な金融商品を提供する総合ファイナンス企業である。
- 散在していたデータの整理により、“情報の探しやすさ”を実現
- 送り手都合の情報発信から、各部門が自発的に取得する“プル型”情報共有に
- 社内規程・手続きに関する問い合わせなど、管理部門の問い合わせ工数が激減
一日の仕事は「Global Portal」から始まる
SMTPFCの社員は、ポータルサイトの立ち上げから一日の業務が始まる。朝出社するとまず社内ポータルサイトにアクセス、メール・経費処理・社内決裁など、さまざまな業務に入っていく。
「Global Portal」導入により情報を一元管理、簡単・便利でスピーディーな情報マネジメントを実現しているのだ。
社内情報共有プラットフォームの課題~欲しい情報はどこにあるのか?

三井住友トラスト・パナソニック
ファイナンス株式会社
情報システム部 グループ長
穂積浩明 氏
SMTPFCにとって、社内ポータルサイトリプレースのきっかけは、組織統合によるネットワーク整備が完了し、さらなるITコストの削減を実現する上で、情報共有基盤の一元化が必要不可欠となったことだった。
社内に存在する情報共有基盤とともに、金融業ならではの多岐にわたる書類、業務フローなどさまざまな業務体系がある。それらの整理は避けて通ることの出来ない大きな課題だった。
「導入以前に抱えていた問題は、大きく3つあります。
- 社内文書がさまざまな場所に点在し、探すのに時間がかかること
- 伝えたい情報が相手に確実に伝わっているかどうかがわからないこと
- 情報の重要度に応じた配信ができないこと
これらは、コスト削減を含めた今後のIT戦略を進めるため、早急に解決すべき課題だったのです」
情報システム部 穂積グループ長は、当時の問題点を語った。
「金融業という業種は書類の種類が桁外れに多いのです。ところが文書データは各所に点在しており、欲しい文書を探し出すだけで長い時間がかかります。このことが書類を探す側(営業部門)と、問い合わせを受ける側(企画部門)双方にとって、業務の負担になっていました。
また情報提供には、正確に伝わること・迅速に伝わること・タイミングを逃さぬことが求められます。業務の効率化とスピードアップに貢献できるポータルサイトの導入が今後のIT戦略において重要なポイントになります」
社内ではポータルサイトの導入にあわせて、経費精算システムを、期の変わり目である10月1日稼動を目指し計画され、他にもメール誤送信防止システムの導入も控えていた。
これらさまざまな条件を満たしながら予算は極力低く抑える、そんなテーマを抱えたシステムを全体最適で選んだ結果、パナソニック ソリューションテクノロジーの「Global Portal」を中心とするシステムが採用されることとなった。
導入システム構成図~費用を抑え、早期立ち上げの実現へ

■ システム構築のポイント
1.ポータル基盤:「Global Portal」
従来よりGlobalシリーズの「Global Family」を使用、過去の構築実績や運用ノウハウをもつパナソニックソリューションテクノロジーにシステム構築を任せることで短期間でコストを抑えたシステム稼動を期待した。
2.メール、スケジュール機能:「Microsoft Exchange Server」を採用
グループ会社との親和性を重視し、本製品を採用。
「Global Portal」配下でのシングルサインオンにより、利便性を向上。なお、「SharePoint Portal Server」は、作りこみに時間を要することが想定されたため導入は見送られた。
■ 採用の決定最終POINT
- 「Global Portal」と、メール・スケジュール・ワークフロー機能との親和性
- コストを抑えたプロジェクトの遂行
- 短期間でのシステム立ち上げ
■ 導入効果~業務効率化に大きく貢献
1.散在していたデータの整理により、情報の探しやすさを実現
- ポータルを「全社」、「規程類」、「営業部門」と、目的や対象別にポータルをページ分割
- 情報の重要度に応じて社内掲示板を分割し、また発信対象を表示することで、より効率的な情報管理を実現
2.情報提供・共有形態の変化、プッシュからプル型へ
- 送り手都合の情報発信から、一元管理された情報を各部門が自発的に取得するプル型に
3.管理部門(企画部門)への問い合わせ対応の負荷軽減
- 複雑な規程類の整備により、問い合わせ対応業務の大幅な効率化、省力化を実現
4.Active Directory認証の実現
- シングルサインオンによるシステムログインの負担軽減
全社一丸となったプロジェクト遂行へ

三井住友トラスト・パナソニック
ファイナンス株式会社
情報システム部
井用崇文 氏
システム導入において目立ったトラブルもなく稼動させるためには、事務局の計画的で緻密な推進作業を抜きには語れない。職場への導入を前に、具体的にどのようなプロセスを経たのか、情報システム部 井用氏にお聞きした。
「今回のプロジェクトの成功要因として、3つ挙げられると考えています。
まず1つめは、各機能単位で段階的にリリースを実施したことです。ポータル、メール・スケジュール、ワークフローと、常にシステムが進化していくイメージを打ち出し、並行して各機能単位で操作説明会を開催しました。
2つめとして、誰にでもわかる環境作り、例えばマニュアル整備等によりきめ細かいフォローを実施したことです。ポータル上に各機能単位で操作方法の動画ファイルや操作資料、FAQを掲載。全社に漏れなく説明会を実施しました。
そして3つめはポータルの情報設計において非常に気を使ったことです。目的の情報にわかりやすく、すばやく到達できるように情報を整理し、効果的なレイアウト構成を構築しました」
これらの緻密な対応の結果、稼動直後の混乱もなく、操作に関する問い合わせは激減したという。また、驚くことに不満の声やクレームもほとんど無かったと、井用氏は重ねた。
2ヶ月間でポータルサイト導入後、6ヶ月間で全プロジェクトを完遂
「私の感覚ですと、通常今回の規模のものであれば1年を要するところです。限られた時間内でのプロジェクトを成功させるために、情報システム部のみならず各部門の精鋭たちが集められ、プロジェクトは動き出しました。そして半年後、ポータルを含めた各システムは無事稼働。
ポータルサイトを2ヶ月間という短期間で安定稼動させたことで、後続の『メール・スケジュール機能のExchangeへの完全移行』、 『メール誤送信防止システム』、 『経費精算システム』の導入が非常にスムーズにできました。
ポータルサイトだけではなく、周辺システム含めてパナソニック ソリューションテクノロジー様に統括管理していただいたことが、成功の大きな一因であることは間違いありません。
半年という極端に短い期間での成功を導いたこのプロジェクト活動は、その成果と関係部門の積極的なプロジェクト参画、全社一丸となった取り組みが評価対象となり、2012年下期、社内の優れた活動として『社長賞特別賞』を受賞することができました。
受賞が決まった時は、みんなと走り抜けた半年を思い出し、感動したことを昨日のことのように覚えています」
今回のプロジェクトを通じ、社内がひとつにまとまることができた事が最大の成果だ、と穂積グループ長は語った。
今後の展望
今後の展望について、穂積グループ長にお聞きした。
「これからは更なるシステムの活用を目指し、機能を増強していきます。例えば、部門単位ごとのポータル構築を可能にすることで、部門内情報の共有を実現するだけでなく、部門から全社への情報配信を促進したり、ポータル上からの全文検索機能を追加することなど考えています」
利用部門の業務品質向上だけでなく、全社の経営力向上に対しシステムとして支援したいと語った。

パナソニック ソリューションテクノロジーでは、日本のファイナンスを支える同社の成長に、今後もITで支援していきたいと考えている。