「Global Doc」の導入事例 三菱ガス化学株式会社様

研究者をつなぎ、気づきが生まれる技術文書管理システム
~セキュリティと利便性のバランスが大切!研究者目線で考えた使い方の工夫~

  • 100テーマの技術文書を一つに集約。カンパニーの枠を超え全社で共有
  • ビューワ機能を有効活用。利用者・シーンに応じて閲覧・印刷・ダウンロードをコントロール
  • 長期にわたる研究開発の進捗情報を蓄積。タイムスタンプで研究月報の存在証明・非改ざん証明

独自に生み出した化学技術・プロセスによって、他にはない高い価値を有した多くの製品を世の中に提供している三菱ガス化学株式会社(以下、同社)。日本初の天然ガスを原料にしたメタノール合成や、現在の食品鮮度維持に大きく貢献している脱酸素剤、高機能携帯電話に採用されている高屈折率・低複屈折特殊ポリカーボネート樹脂など世界有数の化学技術を誇る。
同社では技術文書のセキュアな管理・共有および技術者同士のコミュニケーション活性化を目的にパナソニック ソリューションテクノロジーの「Globalシリーズ」を採用。そこでパナソニック ソリューションテクノロジーは、東京丸の内にある本社オフィスを訪問しインタビューを行った。

Globalシリーズ活用 イメージ

バラバラだった技術文書管理

同社では市場ニーズを的確に捉えた研究開発、新規事業の継続的創生を目的に、4つのカンパニー(天然ガス系化学品/芳香族化学品/機能化学品/特殊機能剤)部門とコーポレート部門による研究開発体制を敷いている。
以前から全社共通で使える文書管理システムはあったものの老朽化が進み、さらに部門単位で独自にシステムを導入するといった動きがあった。このような事態に課題を感じ、コーポレート部門 研究推進部が中心となり全社統一基盤の導入を推進した。同部では全社横断的に研究に関わる情報管理やインフラの整備を行っている。

「文書管理システムの分散で生じるデメリット――システム同士の非互換性、管理負担・費用の重複といった課題を感じていました。また部門・研究テーマをまたいで技術情報を共有し、研究開発の促進につなげるための仕組みを実現したいと考えていました。そこで旧システムからの切り替えのタイミングに合わせて環境安全部に声掛けし、新しいシステムの選定を一緒にスタートさせました」と研究推進部 研究推進グループの牛膓氏は語る。

牛膓 喜裕 氏

三菱ガス化学株式会社
研究推進部 研究推進グループ
牛膓 喜裕氏

環境保全・安全衛生管理を担う環境安全部では化学薬品の性質を正しく理解し安全に取り扱うために必要な「SDS(Safety Data Sheet)」などの文書を作成・管理している。同社では部門単位で技術情報の機密性を守る必要性がある一方、「SDS」のような文書については全ての社員が自由に閲覧できるようにする必要性もあった。そこで管理性と利便性のバランスを重視して複数のシステムの比較・検討を行った。当初はSNSも視野に入れていた、という牛膓氏だが情報開示の範囲設定の難しさなどの不安要素があったため、文書管理システム「Global Doc」を含むビジネス特化型システム「Globalシリーズ」に帰着。ワークフロー、文書管理、ポータルなどの基本機能に加え、オプション機能も使用している。

文書管理システム「Global Doc」を含むビジネス特化型システム「Globalシリーズ」 イメージ図

研究開発の過程で発生するさまざまな文書を「Global Doc」に集約。セキュリティマスター機能を用いて、フォルダーごとに権限設定を行っている

セキュリティはしっかりと、でも生産性は損なわずに

「利便性と危険性は裏表。便利にすればそれだけ不安要素は増えますし、ガチガチに厳しくしすぎれば使ってもらえません」と牛膓氏は言う。パナソニックでは同社の要望を受けて、システムのシームレス連携、オプションを含む機能の組み合わせ・使い分けによって、セキュリティを強化しつつも生産性を損なわない仕組みを提案した。
たとえば、研究テーマごとに作成している「研究月報」「研究報告書」については、ワークフロー「Global Flow」、文書管理「Global Doc」、高速ファイルビューワ「Brava! for Global Doc」を組み合わせて使うことで利用者の権限を細かく区分している。研究者以外は原則、印刷が禁止されており、パソコン画面上での閲覧しかできない。これは、改ざん・情報漏えい防止と同時に、研究所に紙文書を持ち込んで仕事をすることの多い研究者の業務効率を配慮した方法である。また、「出張・来訪報告書(ユーザーカルテ)」については、ワークフロー起案・承認後、帳票自体と添付ファイル(PDF、Wordなど)を二つのフォルダーに分けて保存している。原則、帳票の閲覧はできるが、パスワード設定されている添付ファイルは閲覧することができない設定になっている。

「同じお客様に複数のカンパニーの社員が訪問することもありますので、営業活動の見える化という観点で誰がどこに行ったか、という最低限の情報共有は必要です。しかしながら、お客様とのお約束の中で、社内であっても開示できない情報も多いためこのような方法をとっています」(牛膓氏)。同社は10以上のファイルビューワ製品を比較・検討し「Brava! for Global Doc」を選択。

出張・来訪報告書(ユーザーカルテ) イメージ図

承認後の「出張・来訪報告書(ユーザーカルテ)」は、社外秘/部外秘などのセキュリティが設定された複数のフォルダーで分割管理される

「私たちがやりたいことを一番近い形で実現できるのが『Brava! for Global Doc』でした」(牛膓氏)。また、ワークフローについては“日本ならではの企業文化”も考慮したそうだ。

「帳票上に押印が表示されると、どこまで承認が進んでいるのか一目瞭然でいいですね」(牛膓氏)。多くの社員が利用するシステムなので、電子決裁の機能性に加え、紙帳票の感覚を再現できるなど、使用感も大切な要素である。 このように同社のシステムには、研究者を中心とする社員の働き方に目線を合わせた工夫が生きている。

「Brava! for Global Doc」月報 イメージ図

月に約300件申請されている「研究月報」。「Brava! for Global Doc」によって、閲覧・印刷・ダウンロード権限をコントロール