「Global Doc」の導入事例 株式会社日本政策金融公庫様

なぜ、日本政策金融公庫は紙文書を大幅に電子化することに成功したのか
現場にとっての「使いやすさ」が鍵を握る3つの導入効果とは?

国内の中小企業を支える株式会社日本政策金融公庫(以下、日本政策金融公庫)(中小企業事業)は、社内の文書管理およびワークフローシステムに、パナソ ニック ソリューションテクノロジー株式会社の「Global Doc」および「Global Flow」を導入しました。コスト削減と業務効率の向上のために、 なぜ文書管理システムとワークフローシステムを導入したのか。導入の効果や具体的な使い方をお聞きしました。

導入の背景

日本政策金融公庫(中小企業事業)では、業務処理に必要な書類が膨大であり、紙文書の保管の手間やスペースが大きな課題となっていた。また、決裁に多くの 関係者・責任者の押印が必要なため、意思決定に時間がかかるなど、業務遂行に支障を来すこともあった。そこで、同社は、BPR(Business Process Re-engineering)の一環として、業務処理に必要な紙文書の削減と承認経路のスリム化を開始。文書管理システムとワークフローシステムの導入 は、BPR実現へ向けたひとつの取り組みである。

導入前の課題

  • 紙文書による申請業務を電子決裁化し、承認経路をスリムにしたい・・・
  • 決裁文書の保管スペースがなく、ペーパーレス化を図りたい・・・

導入後の効果 ~ハンコから電子の文化へ改革~

  • 決裁基準の見直しと簡単な帳票作成機能により、社内決裁文書の大幅電子化を実現
  • モバイル利用により、営業業務効率化と育児休暇中の女性社員の職場復帰を支援
  • 3.11東日本大震災後のスムーズな業務継続に貢献

■ ポータルとの連携により、迅速で的確な情報共有徹底を実現

日本政策金融公庫(中小企業事業)では、約60拠点、2,000人の職員が文書管理「Global Doc」、ワークフローシステム 「Global Flow」を利用している。同社 中小企業事業本部 情報システム室 室長の光谷真人氏に、文書管理「Global Doc」、ワークフローシステム「Global Flow」の活用方法について話をお伺いした。

「当社の職員が出社し、パソコンを起動すると自動的に社内ポータルサイトが起動します。各部門からの発信文書を『重要』、『規定』、『依頼』、『連絡』事 項の4つに区分し、社内ポータル上で掲示していますが、実はこの発信文書を『Global Doc』で管理しているのです」(光谷氏)

同社の職員は、毎朝必ず、業務に必要な情報を確認しているが、日々、たくさんの業務連絡や通達が発信される中、必要な情報をすぐに確認するために考え抜かれた工夫があると光谷氏は語った。

文書管理システム「Global Doc」の画面イメージ

※「Global Doc」の画面イメージです。
お客様の画面とは異なります。

「多忙な職員へ確実に情報を届けるため、発信文書の登録方法には、一定のルールを設けています。たとえば、文書のタイトルに『対象者』、『発信 元』、『内容の一部』を必ず付加することで、視認性が高まります。また、『Global Doc』の機能として、未読/既読が色分けされるので、新しい情 報かどうかすぐに判別できます。さらに、全文検索機能によって、過去の情報もキーワードですばやく見つけることができるのも便利な点です」(光谷氏)

「Global Doc」による社内情報の一元管理によって、ペーパーレス化が進むとともに、情報の検索性も一気に高まったと言う。

文書管理システムの運用で重視しているポイントについてお伺いした。

「当社では、『Panapios』※1のころから、10年近く、パナソニックさんの商品を使用しています。グループウェアや文書管理システムというのは、やはり、毎日使うものですので、使い勝手のよさ、管理のしやすさというのは、とても重要なのです」(光谷氏)

続いて、情報システム室にとってのメリットについてお伺いした。

「『Global Doc』は、特別な知識がない部門担当者でも、フォルダー管理や運用が可能です。利用開始時も、各部門担当者への簡単なレクチャーだけですむので、情報システム担当者の負荷軽減にもつながりました」(光谷氏)

※1 パナソニックのグループウェアの前身

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■ ワークフローがメンテナンスコスト削減につながった

ワークフローシステム「Global Flow」の画面イメージ

※「Global Flow」の画面イメージです。
お客様の画面とは異なります。

日本政策金融公庫(中小企業事業)では、以前、社内の申請業務を紙文書で行っていた。そのため、稟議に大変時間がかかるうえ、決裁文書の保管に手間ひまと物理的なスペースが必要となることが課題となっていた。

「現在では、融資関係の主要な決裁業務を電子化する一方で、社内の多くの申請業務も『Global Flow』を用いて電子化しています。 『Global Flow』では、各部門の担当者が必要な電子帳票を比較的容易に作成し、承認プロセスを設定できるので、メンテナンスコストを削減できて います。また、承認された文書は『Global Doc』に保存されるようにしているので、保管や事後の検索が容易になっています」(光谷氏)

■ 震災時の業務継続を支えたワークフロー

先の東日本大震災の際にも、電子決裁が業務継続に大きく貢献した。

「実は当社中小企業事業の水戸支店も、震災で被害にあいました。そこで、東京支店に一時的に水戸支店の職員を移転させたのですが、一部の責任者は、 お客様対応のため現地にとどまり、業務を続けていました。その際も、電子決裁化していたことで、社内での意思決定が停滞することなく、震災で被害・影響を うけたお客様の早期復旧にむけた支援が可能でした」(光谷氏)

物理的な紙文書のデリバリー・押印作業に左右されず、必要な業務を迅速に進めることが、結果的にお客様へのサービス向上へとつながった。

■ モバイルワークにより、生産性が一気に向上

話は社外での文書管理システムの活用方法に広がった。
日本政策金融公庫の中でも、特に中小企業事業では、お客様との打ち合わせや商談のため、営業職員が外出する機会が多いという。

「中小企業事業では、営業職員へのシンクライアント端末の活用を推進しています。以前は、お客様情報や社内情報を社外に持ち出す際は、データをつど印刷し、紙文書で持ち出すため、セキュリティ上の不安要素も大きく、また、持ち出しの際の申請も面倒でした」(光谷氏)

では、その課題をどうやって乗り越えたのだろうか。

「現在は、シンクライアント端末から一部のお客様情報にアクセスでき、規定やマニュアルなどの社内情報についても文書管理システムにアクセスするこ とで確認できるようになっています。端末上にも機密情報を残さず、また、紙文書を紛失するおそれもないので、情報漏えいの防止と同時に営業活動の効率化に役立っています」(光谷氏)

日本政策金融公庫(中小企業事業)では、さまざまな選択肢の中から、安全性が最も高いと思われるシンクライアント端末の導入を決めた。社内でも外出 先でも、場所や時間にとらわれず、必要なシステムや情報を活用できるようにすることで、ワーキングスタイルの幅が広がり、よりコアな業務に専念することが可能になると考えている。

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■ タブレットやスマートフォンが女性社員の活躍を支える

さらに、光谷氏は、iPadやスマートフォンなどのモバイル端末の可能性について語った。

「当社では、女性管理職の積極的な登用など、職場での女性躍進を推進するほか、すべての職員のワークライフバランスの充実を図るため、職場環境の向 上につとめています。その取り組みの一つとして、現在、育児休暇中の女性など一部の職員で、実験的にモバイル端末の活用を始めました。多様化する働き方に 対応するため、情報共有の活性化、そしてITの活用は必要不可欠です。今後も、モバイル端末を含め、最適なシステム運用を考えていきたいですね」(光谷 氏)

日本政策金融公庫(中小企業事業)は、豊富な融資制度を取り揃え、スピーディーなサービスで、国内の中小企業の成長・発展を支えている。光谷氏へのインタビューを通じて、改めて同社の経営戦略とIT戦略が密接に連携していることがわかった。
中小企業は、日本経済の要と言われることも多い。グローバル化する経済環境の中で、日本が勝ち残るための日本政策金融公庫の役割はさらに大きくなっている。

【お客様プロフィール】株式会社日本政策金融公庫様

株式会社日本政策金融公庫様

株式会社日本政策金融公庫は、国民生活事業(国民一般の資金調達支援)、中小企業事業(中小企業の資金調達支援)、農林水産事業(農林水産事業者の資金調 達支援)、国際金融事業(海外における資源開発の促進、国内産業の国際競争力向上)の4事業を柱に、民間金融機関の補完を目的に、社会のニーズに応じて政 策金融を機動的に実施する政府系金融機関である(なお、国際金融事業は2012年4月に株式会社国際協力銀行として分離設立予定)。