AIチャットボット「WisTalk」 株式会社クスリのアオキ様
労務関連の社内問い合わせ対応にAIチャットボットを導入
約3,500時間の対応時間削減など大幅な業務効率化を実現
クスリのアオキは1869年(明治2年)に創業した青木二階堂薬局を起源とするドラッグストア。2016年に持株会社制へ移行し、クスリのアオキホールディングス傘下の中核子会社となる。
現在は北陸地方を中心に東北、関東、甲信越、東海、近畿地方に約800店舗を構え、医薬品・化粧品・日用品・生鮮食品を取り扱うドラッグストア事業、およびドラッグストア併設の地域密着型調剤薬局を運営する調剤事業を展開している。
導入前の課題
- 事業規模拡大により従業員からの電話・メールによる問い合わせが増加し、労務課の業務がひっ迫・・・
- 「土日に連絡が取れない」、「メールでの返信が遅い」など従業員からの苦情が問題に・・・
導入後の効果
- 労務課の問い合わせ対応にかかる業務負荷が約75%削減、約3,500時間の人時削減に成功!
- 質を落とさず従業員が疑問をすぐに解決できるように改善!
株式会社クスリのアオキ
総務部 労務課長
渡邊 幸高氏
株式会社クスリのアオキ
総務部 労務課(社会保険担当)
中村 和奏氏
【導入の背景】 労務関連問い合わせ対応の業務負荷が課題に
クスリのアオキは、石川県をはじめとする北陸地方を拠点に、東北地方から近畿地方まで約800店舗を展開する大手ドラッグストアチェーン。「『健康・美・衛生』を通しての社会貢献」という経営理念の下、医薬品・化粧品・日用品に加え、日配品・惣菜・生鮮食品も取り扱う利便性の高いドラッグストアを運営している。また、“かかりつけ薬局”として機能する調剤薬局をドラッグストアに併設するなど、地域医療の一翼も担っている。
そんなクスリのアオキには、店舗をはじめとする全国の事業拠点で正規・非正規を合わせて約1万5,000人の従業員が働いている。そうした従業員の労務管理を一手に担う本社総務部労務課では、店舗数の拡大とともに増大する、従業員からの問い合わせ対応に忙殺される毎日が続いていたという。
総務部労務課では、勤怠管理や給与計算、社会保険手続きなど従業員の労務に関わる業務を行っています。
課には正社員とパートタイマー合わせて約30人が在籍しているのですが、限られた人数で約1万5,000人に及ぶ全従業員の労務管理を担当しているので、業務負荷の高さに日々悩まされていました。とくに従業員から電話やメールで寄せられる問い合わせへの対応や回答業務の煩雑さ、業務効率の悪さは大きな課題でした。
労務課では、従業員からのよくある問い合わせに対する定型的な回答として、社内イントラネットに労務手続マニュアルを公開していた。しかし、マニュアルから適切な回答を見つけられないという声が数多く寄せられていた。
また、「労務課の電話は平日しかつながらない」「メールでの返信が遅い」といったクレームも多く上がっていた。本社のメインの稼働日が平日なことに加え、労務課は業務ごとに担当が細かく分かれていることから、人によっては問い合わせ内容を読み解いたり調べたりするのに時間がかかり、回答が遅れることもあったのだという。
問い合わせ対応の品質を落とさず、従業員とのスムーズなコミュニケーションをとるために何かよいツールはないか探すことにしました。
そうしたなか、2020年初頭に異業種交流会で外食産業大手企業の方と話す機会があり、課題解決策として紹介されたのがチャットボットでした。
【導入のポイント】 導入支援やサポート体制も重視して「WisTalk」を選定
クスリのアオキ 総務部労務課では、複数のチャットボットソリューションを候補に挙げ、比較検討を行った。
私たちがチャットボットに求めたのは、従業員からの問い合わせに対して自動的に回答してくれることでした。
複数のソリューションを比較検討するにあたっては、実際にチャットボットを導入した他社の労務担当者へのヒアリングも行い、運用説明会の実施や利用定着のためのサポート体制を重視して選定作業を進めました。ただし、シンプルなシナリオ型がいいのか、AI型がいいのかという部分については、将来の発展性を考えてチューニングによる精度改善を自社で行っているAIエンジンを備えていることを考慮しました。
そうした比較検討の結果、同社が選定したのが、パナソニック ソリューションテクノロジーのAIチャットボット FAQサービス「WisTalk」だった。
選定の大きな決め手は、従業員向けに運用説明会を実施してくれるなど、利用定着のためのサポート体制が充実していること。まずは1ヵ月のトライアルを実施し、その後に約3ヵ月をかけて問い合わせ内容の分類やQ&Aデータの作成を行い、2020年4月に本番稼働を開始した。
もともとメールでの問い合わせに対する回答用にQ&Aを用意していたので、WisTalkの設定にはそれほど苦労しませんでした。
現在は給与・勤怠・人事・福利厚生・年末調整・資格関連など約300件のQ&Aデータを登録し、運用しています。Q&Aデータの数は稼働開始当初からそれほど増えていませんが、質問文を汎用的なものに変更したり新たな単語登録を行ったりと、その都度、変更を加えています。
社内向け用途(BtoE)2年連続シェアNo.1※のAIチャットボット「WisTalk」
ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。
※ 出典: ITR「ITR Market View : ビジネスチャット市場2021」
- チャットボット市場 - BtoE用途 : ベンダー別売上金額シェア (2020年度~2021年度予測)
【導入の効果】 WisTalkの正答率は75%、3,500時間の人時削減
運用開始から2年近くが経過し、WisTalkによる社内向けチャットボットは順調に利用されている。従業員は基本的に店舗内のパソコンを使って問い合わせをするが、問い合わせ数は月平均3,000件以上にも達しているとのことだ。
問い合わせ対応は労務課従業員30人がほぼ全員で分担しています。労務課では各担当者の業務が細分化されているので、自分の担当する業務に関する質問をそれぞれが回答するといった体制で運用しています。
WisTalkでは回答待ちの質問がどれかというのが一目でわかるので、メールでの問い合わせのように見落としがあったり回答が遅れたりすることもなく、労務課の業務効率化に大きく貢献しています。
WisTalkを運用するなかで、定量的な効果も見えてきた。
この1年間で22,000件以上の問い合わせがありましたが、WisTalkの正答率は75%もありました。つまり、労務課の問い合わせ対応業務にかかる負荷は4分の1にまで減ったことになり、WisTalkの正答率から計算すると3,500時間の人時削減効果があったと考えています。
導入効果は労務課の業務効率化だけにとどまらない。
とくに給与などのデリケートな個人情報に関する問い合わせについては、WisTalkに回答させることで担当者の心理的負担が軽減されたと考えています。
また店舗従業員からの問い合わせを直接受けるスーパーバイザー(複数の店舗を管轄するエリアマネージャー)にアンケートを取ったところ、半数以上から『WisTalkの導入により従業員からの労務関連の問い合わせが減った』という回答がありました。このように会社全体から見ても、WisTalkを導入してよかったと感じています。
もちろん、WisTalkを利用する従業員にとってもメリットは大きい。
WisTalkには回答をリッチテキストで表示したり、ハイパーリンクを貼って別ページへ飛ばしたり、ファイル添付機能があったりするので、わかりやすく情報を伝えられるという点で、従業員とのコミュニケーションを円滑化するのにとても役立っています。利用者からも『疑問点をすぐに調べられるようになった』『マニュアルがなくても直感的な操作ができる』といった好意的な感想が寄せられています。
【今後の展望】 将来的には他部署への横展開も視野に
クスリのアオキ 総務部労務課では、労務関連問い合わせ対応業務が効率化できたWisTalkについて、社内他部署の問い合わせ対応にも活用の幅を広げていこうと考えている。
それぞれの担当部署によって問い合わせ対応の業務内容は異なりますが、例えば社外のお客様からのご意見・ご要望を受け付ける用途、新人従業員向けのトレーニングツールとしての用途にも活用できるのではないかと考えています。
ただし、他部署に展開するにはQ&Aデータ作成の手間が障壁となるので、パナソニック ソリューションテクノロジーには社会一般に通用する常識や見解を集めたQ&Aデータを標準で提供いただくことも検討してほしいと思います。
この要望に対してパナソニック ソリューションテクノロジーでは、2022年2月より社内のよくある質問1,700件のQ&Aデータをテンプレートとして提供開始した。テンプレートの活用により、導入負荷の大幅な削減が期待できる。今回の事例では、AIチャットボットが社内問い合わせ対応業務を効率化する手段として極めて有用であることが明らかになった。同様の課題を抱える企業は、ぜひ一度、パナソニック ソリューションテクノロジーへご相談いただきたい。
【お客様プロフィール】株式会社クスリのアオキ様
【本社所在地】〒924-8510 石川県白山市横江町4街区1番
【設立】1985年1月
【資本金】3億円
【従業員数】15,000人(2021年5月現在)
【事業内容】医薬品・化粧品・日用雑貨などの近隣型小売業、調剤業務
AIチャットボット「WisTalk」について
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