EMCトラブル解析

EMCや安全、信頼性の各試験で合格したにもかかわらず、市場で使用する際

  • ある現場だけで正常に動作しない。
  • 特定の設備を動かしたときにだけ、正常に動作しない。
  • 夏や冬のある期間だけ、エラー率が高くなる。

といった、経験はありませんでしょうか

リスクアセスメントでもご紹介したように、EMCでは各国の法律が採用する試験規格を満足すれば、市場でトラブルが必ず発生しない、ということではありません。

市場で発生した電磁波(EMC)に起因するトラブルに対し、現状把握、原因究明、及び対応策の立案を通じ、トラブルの速やかな収束をサポートします。また市場へ発売する前にトラブル事象の未然防止として、等価試験法の開発や独自基準の設定を通じ商品開発に貢献します。

現状把握

トラブル現象、対象機器、現場環境をヒアリングし、現場のノイズ源や伝搬経路の仮説立案、または課題解決に向けたアプローチをご提案します。

トラブル原因調査

現場の測定技術」と「トラブル環境の再現技術」を組合せ、トラブルの根本原因を推定し検証します。
また、「対応策を立案」し、本質的で具体的な解決手段をご提案します。

ポイント1 現場の測定技術

ヒアリングを元に事前に実験計画を作成し、ノイズ源とノイズ経路の検証を行います。この際、電磁ノイズは数Hz~数GHz、伝搬経路は伝導・放射など様々なアプローチで現場の電磁波レベルを測定します。

コンセントに重畳する
伝導ノイズの測定例
空間を介して伝搬する磁界ノイズの測定例

ポイント2 トラブル環境の再現技術

現場の情報と測定結果から、トラブルに関与する要素を抽出し、EMC試験機器などを駆使し、トラブル現象の再現を開発環境で行います。そして、トラブル原因の解明を行います。

再現実験例
独自の通信特性評価

ポイント3 対応策の立案

電磁波ノイズの原因に対し、有効な対策手段を提案します。EMCエンジニアによるフェライトコアやフィルタなどの外付け部品による応急的な対応策だけでなく、電子部品・回路内部へのアプローチを含めた恒久策も提案します。

<電磁ノイズによるトラブル対応の実績>

年間20件以上の実績

  • 雷による、照明機器の故障解析及び対応策の立案
  • インバータ機器による、生活家電の部品焼損の原因究明
  • 産業機器による、工場内通信機器の通信トラブルの改善

等価試験法による再現環境

開発・試作段階で実機でトラブルの未然防止をするため、開発時のトラブル対策環境の構築はとても重要です。EMC試験機器を駆使し、原因となるノイズ波形・環境を再現し、簡易的な検証環境を構築します。これにより、開発・試作段階における実機でのトラブル耐性を把握できます。

インバータ機器から発生する伝導ノイズ波形
試験装置の再現波形

独自基準の設定

トラブルを再発させないためにも、市場で発生する電磁的ノイズに対する独自基準を設け、製品の誤動作を防ぐことは、より商品価値を高めることにつながります。EMCトラブル解析の情報から、お客様の製品に適した独自基準作成のサポートを行います。