客観的な診断、課題抽出、組織基盤強化へ

金村 プログラムが10年を迎え、助成先へのアンケートを行ったところ、約7割の団体が「キャパシティビルディングが事業成果の向上につながった」と答えています。

古瀬 課題設定が明確に決まっていないと、成果が出ないんですね。これまでは「人が足りない」「お金がない」といった表面的な自覚症状しか書いていない団体が多かった。
11年目の今年からは、組織課題を抽出する「組織診断」を、第1段階の助成とさせていただくことにしました。その結果をもとに解決策を策定し、そのうえで、第2段階の助成である「キャパシティビルディング」を支援します。

坂本 組織のどこが課題なのか、個人個人に思うところはあっても、組織で共有化するとなると難しいんですよね。
「組織診断」で重要になってくるのは、その団体の目標と現状のギャップを正確にとらえることです。登る山がエベレストなのか富士山なのか、あるいは高尾山かによって、備えるべき装備や必要なトレーニングが全然違ってきます。そこを第三者の視点を入れて「組織診断」しながら、必要なものを揃えていくわけです。その中で、組織の全員が同じ情報を得て、同じ場でフラットに議論するプロセスをぜひ大切にしていただきたいと思っています。

金村 前回ご紹介した「認定NPO法人チャイルドライン支援センター」も組織診断を受け、レポートを組織内で共有し、資金調達の財務体制強化や、理事の外部・若手登用といった大きな自己変革に取り組みました。

現在、サポートファンドは2011年募集事業の応募を受付中。今年から社会的インパクトの拡大に向けて、NPOがより成果の出せる組織となるために、自己変革を行い持続的に成長できるよう、組織診断に基づくキャパシティビルディングを支援していきます。