Meet the IOC Young Leaders! Meet the IOC Young Leaders!

IOCヤング・リーダーズ・プログラムは、それぞれのコミュニティで実施されている草の根スポーツプロジェクトへのコーチング、資金援助、メンターシップのサポートを通じて、影響力のある若者たちの育成・支援をしています。彼らのプロジェクトの様子を覗いてみましょう!

Vol.06 CANOEING THROUGH A BETTER LIFE Vol.06 CANOEING THROUGH A BETTER LIFE

アドリアン・ルイス・デ・マグダレナ(スペイン)

カヌーを通してスポーツの魅力と自然の美しさをアピール

私はスポーツ科学の学士号と教育学の修士号を持ち、理学療法を学んでいる学生です。同時に、ワイルドウォーターカヌーのコーチとスポーツ活動の管理者もしています。2018年には大学内のコンテストを勝ち抜き、アルゼンチンのブエノスアイレス2018ユースオリンピック競技大会における、初代ヤングチェンジメーカーの座を獲得しました。そのおかげでIOCヤング・リーダーとなることができ、カヌーを通してより良いくらしのスタイルを地域社会の人々に広めることができました。カヌーは私の人生を変え、より良い世界を築くという私の目標をサポートしてくれるスポーツです。

CANOEING THROUGH A BETTER LIFEとは

私のプロジェクトの参加者には、子ども達はもちろん、様々な年齢層の方がいます。彼らに、自然の中でのカヌーを通して得られる様々なメリット享受してもらうことがプロジェクトの目的です。私が住むスペインの南東部、ムルシア地方のカラスパラという小さな町では、若者たちが夢中になれるようなアクティビティが少ないため、アルコールやタバコの早期乱用が蔓延しています。そこで、スポーツによる健康促進の一助としてカヌーを提案しました。練習は河川などで行うのですが、多くの人は、こんなに身近にある素晴らしく豊かな自然に気付いていないのです。だから私はカヌーを通じてこうした場所が、楽しみ、リスペクトし、大切にする価値のある「母なる大自然」だということを伝えたのです。今年はカラスパラのみでの実施でしたが、将来的には地域レベル、さらにもっと広い範囲で展開していきたいと考えています。

CANOEING THROUGH A BETTER LIFE とは

具体的な活動について

当初の活動目標は、一人でも多くの人にカヌーを知ってもらい、気に入ってもらえれば地元のクラブに入会して定期的に練習を続けてもらう。さらには、地域のカヌー連盟に入会してもらい、明日のカヌー界のヒーローになってもらうことでした。パンデミックの影響を受けた2020年は非常に厳しい年でしたが、プロジェクトは大成功。同年9月末までに259人がカヌーを学び、40人以上の子供たちが地元のクラブに入会してくれました。結果、参加者数は前年比250%を記録しています。

具体的な活動について
具体的な活動について

今後の展望

私はスポーツが人々の人生をいかに良い方向に変えていくことができるかを見てきました。世界中に張り巡らされている河川で楽しむカヌーは、人と人との架け橋となり、他の何にも代えられない素晴らしい機会を与えてくれます。私が出会うすべての子ども達に、私が同じ年齢だった頃よりもっと良い機会を得て、もっと良い人生を送り、自然の中でのスポーツ体験がもたらす恩恵を楽しんでもらいたいと考えています。

将来的には、私の地元や近隣の都市、地域全体で、より多くの人とカヌーを通して出会いたい。それが実現すれば、次はスペイン全土、さらには海外でも可能となるかもしれません。プロカヌー選手の育成や指導者養成スクールの開校など、私の目指すゴールに限界はありません。その実現のためには多くのサポートをいただく必要があるのも事実ですが、結果的に多くの雇用機会創出や、カヌーという素晴らしいスポーツからの恩恵をより広範な人々にもたらすなど、さらに大きなインパクトを生むことにつながるでしょう。