手足がすぐに冷えるのはどうして?

冬の寒い日、口で温かい息をかけてもなかなか手や指が温かくならないことってあるよね。部屋にいても、足先や手先はすごく冷えてしまう。どうしてだろう。

人の体で、命を保(たも)つためにどうしても必要な部分ってどこだと思う? それは頭(=脳(のう))と心臓(しんぞう)、胃腸(いちょう)などだ。これを温め、元気にしているのは血の流れ。温かい血が送られると温かくなるし、脳や筋肉(きんにく)が生きるためには、血が運んでくる酸素(さんそ)がどうしても必要なんだ。

寒さから生き延(の)びるために長年苦労してきた地球の生き物にとって、寒いというのは一大事。だから人の体も、手足は後回しにしてでも、頭や胴体(どうたい)に血を送り込んで命を守ろうとするんだ。手足の先の方では細い血管(けっかん)が縮(ちぢ)んで、あまり血を流さないようにする。その分、脳や胴体に血が回るんだね。

だから本当は、手足を一生懸命(いっしょうけんめい)カイロで温めようとすると、「あ、手足が温かい。じゃあ手足は大丈夫(だいじょうぶ)だから、もっと血を脳に回そう」とか脳が思って、ますます血が手足に回らなくなるんだよ。

じゃあどうすればいい? そう、逆(ぎゃく)にやってみよう。腹(はら)巻(ま)きをしたりして、腰(こし)やお腹(なか)を温めてみよう。そうすれば脳は、胃腸などの心配をせずに、手足に血を回してくれる。おへそを出していると、手足が冷たくなるって、人の体はほんとにうまくできているね!