作物を作ると土はやせてしまうの?

植物は、土の中の養分を吸(す)って成長する。そのため、野菜などの作物を作ったあとには、土の養分がなくなってしまう。そのままの土でまた新しく作物を植えると、養分が足りないために、作物のできは悪くなってしまうんだよ。

東南アジアなど熱帯雨林の地域(ちいき)では、古くから焼き焼き畑農業(やきはたのうぎょう)が行われている。焼き畑農業とは、森林や原っぱを焼いて、その焼いた土地に作物を育てる方法だ。土の養分がなくなると別の土地に移(うつ)って、あらたに木や草を焼いて畑にする。これをくり返していると、森がどんどん少なくなっていると心配されている。

昔の日本では、今ほどたくさんの食料が必要ではなかったから、自然の肥料(ひりょう)だけで作物を育てていた。養分がなくなった畑はしばらく休ませておくと、やがて土は養分をたくわえて肥(こ)えた土に戻(もど)るんだ。だけど、現代(げんだい)は人口も多く、たくさんの食料が必要だ。生産がまに合わないから、化学肥料を使って手間や時間をかけずに野菜を育てることが多くなっている。だけど化学肥料を使うと、かえって土が悪くなってしまうんだよ。土が悪くなるのは困(こま)るけど、野菜はたくさん作らなくてはならない。難(むずか)しい問題だね。