残業

隠れ残業とは?主な発生理由やリスク、防止対策を解説

公開日:2024 / 1 / 25

テレワーク普及の影響もあり、隠れ残業を行う社員が増加しています。自宅では周囲の目がないことから、つい残業をしてしまいそのまま申告しないケースは少なくありません。また、クラウドサービスが一般化したことで、オフィスで終わらなかった業務を自宅で行うといったケースも増えているようです。

今回は隠れ残業について、発生する主な理由やリスク、対策についてお伝えします。

隠れ残業とは

隠れ残業とは、上司や会社に申告をせずに行う残業を指すものです。2023年7月、クラウドソリューション事業を展開する株式会社オロが発表した「Z世代(18~29歳)の残業時間に関する調査」によると、隠れ残業をしているのは全体の42.2%という結果が出ています。

少し前のデータですが、日本労働連合総連合会が実施した「テレワークに関する調査2020(18歳~65歳の男女対象)」では、テレワーク中に残業代支払いの対象となる労働時間があったにもかかわらず「申告しなかったことがある」人は65.1%にも上っています。

これらの調査結果から、多くの企業で隠れ残業が当たり前となりつつあるといえるでしょう。

  サービス残業との違い

隠れ残業に近い言葉としてサービス残業がありますが、上司や会社からの指示によって行われるサービス残業に対し、隠れ残業は基本的には指示ではなく、自らの意思で行います。

どちらも残業代が出ない点については同じです。また、隠れ残業は自らの意思だとはいっても、労働者の権利を侵害する労働形態であり、会社側としては根絶しなければならない問題だといえるでしょう。

隠れ残業が発生する主な理由

隠れ残業が発生する理由はさまざまですが、なかでも主な理由として挙げられるのは次の点です。

  テレワークの導入

テレワークを導入する企業の増加は隠れ残業の発生に大きく影響しています。テレワークは基本的に自宅で一人きりの作業となるため、オフィスワークのように周囲の目がありません。業務時間外であっても誰も注意する人がおらず、隠れ残業が発生するケースが増えています。

テレワークが抱える課題は隠れ残業の発生以外にもあります。「在宅勤務が抱える問題点とは?解決策と解決のポイントを紹介」をご参照ください。

  労働時間の制限

働き方改革関連法案の一つに時間外労働の上限規制があり、企業側は残業を控えるように指示をしていますが、規制によって業務量が変わったわけではありません。そのため、時間内にすべてを終わらせられず、申告しない残業を行うケースが増えています。

  社員任せの勤怠管理

時間外労働の管理が適切に行われていない、社員の裁量に任されているなども隠れ残業増加の一因です。前出の「Z世代(18~29歳)の残業時間に関する調査」でも、勤怠管理システムを使っている企業に比べ、自己申告や上司が確認・記録している企業の方が、隠れ残業が多いという結果が出ています。企業として勤怠管理を徹底せずに社員任せになっていれば、隠れ残業が増加する可能性がどうしても高まってしまいます。

隠れ残業の増加により生じるリスク

隠れ残業の増加は企業にとって多くのリスクを生み出します。なかでも大きいのは次の点です。

  ワークライフバランスが悪化してしまう

特にテレワークや自宅に仕事を持ち帰って行う隠れ残業は、仕事とプライベートの区別があいまいになり、社員のプライベート時間が削られる可能性が高まります。その結果、ワークライフバランスが乱れ、場合によっては十分な休息が取れずに健康被害につながるリスクも増大してしまいます。

  企業側が適切な業務量を把握できなくなる

隠れ残業を行っている場合、本来の業務時間よりも短い時間で申告されるため、企業は社員に対し適切な業務量の振り分けができなくなります。その結果、高い目標が課されるようになり、ますます隠れ残業の増加につながってしまう可能性があります。

  従業員満足度が低下してしまう

社員の意思とはいえ、時間外労働の上限規制と目標達成のはざまでやむを得ず隠れ残業をしている社員も少なくありません。しかし隠れ残業は残業代も出ないため、次第に社員のモチベーションが下がり、従業員満足度が低下する可能性があります。場合によっては離職率が高まるリスクもあるでしょう。

  隠れ残業が発覚すれば法律違反になるケースもある

隠れ残業が発覚すれば法律違反となり罰則が科されるケースもあります。また、社員から未払い残業代請求の訴訟を起こされるリスクもあり、隠れ残業は社員、企業どちらにとっても一つもメリットはありません。

隠れ残業を防止するための対策

どうすれば隠れ残業を防止できるのでしょうか。次のような対策が考えられます。

  勤怠管理システムの活用

勤怠管理を社員任せにせず、企業がしっかりと介入し管理することが重要です。ただし、働き方の多様化が進む現在、担当者が常に全員の勤怠管理をするのは困難でしょう。そこで有効なのが勤怠管理システムです。システムを活用すれば、担当者の負担を抑え、社員一人ひとりの適切な勤怠管理が可能になります。

  コミュニケーションの活性化

隠れ残業を減らすには業務の進捗管理が欠かせません。しかしコミュニケーションが密に行われていなければ、業務が遅れていることを伝えにくい環境になってしまうでしょう。そのため、普段からコミュニケーションを取り、困った時にはすぐ上司に報告できる環境の構築が求められます。テレワークが中心の社員とのコミュニケーションは、チャットやグループウェアなどの活用で活性化を図れます。

  業務プロセスの見直し

業務プロセスの見直しも、隠れ残業防止の重要なポイントです。無駄な部分やデジタル化を進められる部分はITツールを導入することで効率化ができるため、業務時間の短縮と隠れ残業をしなくとも定時までに業務を終えられる状態になるでしょう。

隠れ残業に限らず、残業を防止する対策については、「残業を削減させる効果的な方法は?削減のメリットや対策、成功事例を解説」をご覧ください。

隠れ残業を防止するには勤怠管理システムの活用がおすすめ

テレワークの普及もあり、企業の勤怠管理はこれまで以上に煩雑化しています。また、時間外労働の上限規制が法制化されたものの、少子高齢化による人手不足もあり隠れ残業をせざるを得ないケースも少なくありません。

これらの問題を解決するには業務プロセスの可視化を行い、業務効率化を進めることが重要です。そのうえで、勤怠管理を社員任せにせず勤怠管理システムを活用し、適切に管理していくことが求められます。ただ、勤怠管理システムだけでは隠れ残業を100%防止することは難しいでしょう。

そこでおすすめしたいのがパナソニック ソリューションテクノロジーの長時間労働抑止システム「Chronowis」です。パソコンの利用制限と稼働ログの取得が行えるため、勤怠管理システムとの併用で隠れ残業の防止が可能です。残業時間が月間の上限値に達した場合、事前通知がされるうえ、超えれば強制的にシャットダウンされるのでコンプライアンス違反防止にもつながります。

さらに、社員の日々の体調を数値化するコンディション管理機能もあり、社員の体調管理も万全です。隠れ残業を防止し、社員のワークライフバランス実現を目指す際はぜひ長時間労働抑止システム「Chronowis」の導入をご検討ください。

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