36協定 残業
従業員にとって36協定を締結するメリットは?
企業側のメリットについても解説
公開日:2024 / 2 / 16
日本労働組合総連合会が2019年5月に発表した「「36協定」「日本の社会」に関する調査2019」によると、36協定が締結されている企業の割合は59.1%です。2017年に行われた同調査より13.3%上昇していることから、認知度の向上がわかります。ただし、従業員が締結していることを「わからない(18.5%)」、「周知されていない(16.2%)」という結果もあり、十分な周知がされていないケースもあるようです。
今回は企業が36協定について適切に周知するために知っておきたい企業、従業員双方のメリット・デメリットをお伝えします。
36協定のメリット
「36協定」の正式名称は労働基準法36条であり、違反した場合は罰則が科せれられます。そのため、時間外労働や休日労働の可能性がある場合は、必ず36協定を締結し、従業員に対して周知しなければなりません。
なかには36協定を、残業や休日出勤をさせられるだけのものと誤解している従業員もいるかもしれませんが、36協定の締結は従業員にメリットももたらします。ここでは、36協定を締結することで得られるメリットを企業側、従業員側の双方から解説します。
36協定について詳しくは「36協定とは?概要から締結の流れ、メリット・デメリットまで幅広く紹介」をご覧ください。
企業側のメリット
36協定の締結によって企業側が得られる主なメリットは、法で定められた範囲内で従業員に時間外労働や休日労働をさせられることです。また、36協定の締結は、労働基準法第36条に定められた労働時間の規制を遵守するための義務であり、締結することがコンプライアンスの徹底、法令遵守につながります。
従業員側のメリット
36協定の締結により、多くの残業や休日労働をさせられると誤解する従業員もいるかもしれません。実際はその逆で、上限規定があるため、不当な残業や休日労働を避けることが可能で、長時間労働を防止できます。
36協定のデメリット
36協定の締結は企業、従業員双方に多くのメリットをもたらしますが、デメリットがないわけではありません。ここでは考えられるデメリットについて解説します。
企業側のデメリット
36協定の締結により企業側に生まれるデメリットは、労務管理の手間が増加することです。
36協定の締結により、時間外労働や休日労働の上限規制を遵守しなくてはならないため、労務担当者はすべての従業員の労務管理をこれまで以上に徹底しなければなりません。労働時間の管理ができるツールを利用するなど、手間を削減する工夫は必要です。
従業員側のデメリット
36協定の締結で従業員側に発生するデメリットは、時間外労働時間の増加リスクです。
企業や従業員によっては、これまでよりも時間外労働時間が増加してしまうケースも考えられます。特に特別条項付き36協定を締結した場合、1カ月で100時間、1年で720時間までの時間外労働や休日労働が科せられる場合もあります。
36協定を理解する上で知っておくべきポイント
36協定を締結した際には、従業員への周知も義務となるため、就業規則の変更なども必ず詳細に説明しなければなりません。そのため担当者は、36協定の内容を正しく理解しておく必要があります。特に抑えておくべきポイントは次のとおりです。
36協定は時間外労働や休日労働をさせるための法律ではないことを理解する
36協定を締結すれば、法定労働時間を超えて時間外労働や休日労働をさせられると思われるかもしれません。しかし、36協定は長時間労働を防止するための法律です。基本的には時間外労働や休日労働は必要最小限に留めることを前提として締結しなければなりません。
特別条項付き36協定についても把握しておく
36協定が定める限度時間を超えて時間外労働や休日労働をさせる場合に締結する特別条項付き36協定ですが、これについても詳細をしっかりと把握しておく必要があります。例えば1ヵ月100時間という限度時間も、年に6回以内かつ2~6ヵ月の平均上限は80時間以内に抑えなければなりません。この場合、1ヵ月の限度時間だけを見ていると違反になってしまう場合があるので詳細の把握は必須です。
特別条項付き36協定について詳しくは「36協定の特別条項とは?時間外労働を制限する内容や注意点を解説」をご覧ください。
どのような場合に違反になるのかについても把握しておく
36協定の違反となるのは限度時間を超えて時間外労働や休日労働をさせた場合だけと考えられがちですが、そのほかにも違反とされるみなされる対応があります。
例えば労使間で協定を締結しても所轄の労働基準監督署に提出しないと違反になります。ほかにも協定を締結する際にどのような事情があった場合に時間外労働や休日労働をさせるかを明記する義務があり、それ以外の事情で働かせた場合も違反です。これらをしっかりと把握していないと気づかぬ間に違反をしてしまう恐れがあるため、注意が必要です。
36協定の違反について詳しくは「36協定違反とは?罰則や発覚するケース、違反した場合の対応、注意点」をご覧ください。
36協定の遵守による長時間労働の抑止は企業、従業員双方にとっても大きなメリット
36協定の締結により、時間外労働や休日労働が必ず増加すると誤解している従業員もおり、従業員にとってはデメリットのみと考えられている人もいるようです。労務や人事の担当者は36協定をしっかりと理解した上で、従業員にどのようなメリットがあるのかを、伝えることが重要です。
一方36協定の遵守は企業側にも多くのメリットがありますが、労務管理の負担が大きくなるといったデメリットもあります。
そこでおすすめしたいのが、長時間労働抑止システム「Chronowis」です。パソコンの利用制限と稼働ログの取得により、残業時間が月間の上限値に達した場合、事前に通知がされます。また、上限値を超えれば強制的にシャットダウンされるので36協定違反の防止が可能です。勤怠管理システムとの併用でさらに高い効果が期待できるでしょう。下記より、「Chronowis」の詳細をご確認の上、ぜひ導入をご検討ください。
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