健康管理

メンタルヘルスケアとは?取り組みのポイントを解説

公開日:2024 / 3 / 5

2023年11月、日本生産性本部が発表した「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果によると、直近3年間でこころの病が増加傾向にあると回答したのは全体の45%です。こころの病は2008年以降、減少傾向にありました。しかし今回の調査では前回(2021年)の22.9%に比べほぼ倍増しており、企業がメンタルヘルスケアに取り組むべき重要性が高まっているといえるでしょう。

今回は企業が知っておかなくてはならないメンタルヘルスケアの概要と実施のポイント、具体的な取り組み方法について解説します。

メンタルヘルスケアとは

メンタルヘルスとは、心の状態が不安定になった状態から回復させるために行う支援、あるいは、そうならないようにするための対策などを指します。企業においては、全ての社員が安心して健やかに働くための環境整備や仕組みづくりを実践するものです。

心の病は体の病とは異なり、周囲に気づかれないケースも少なくありません。そのため、本人も知らぬ間に悪化していくケースが多い病です。そこで企業としては、ストレスチェックの実施や相談窓口の設置、産業医の登用、周囲の医療機関との連携により、メンタルヘルスの予防、早期発見につなげていきます。

メンタルヘルスの不調より、出社できなくなってしまった社員の職場復帰支援を行うのもメンタルヘルスケアの一つです。

メンタルヘルスケアの重要性については、「メンタルヘルス対策の重要性と対策のポイント、効果的な取り組みを紹介」をご覧ください。

メンタルヘルスケアの3つのステップ

メンタルヘルスケアを実施するには、メンタルヘルスには3つのステップがあることを理解し、社員がどの段階であるかを把握することが重要です。ここではメンタルヘルスケアにおける3つのステップを解説します。

  一次予防:未然に防ぐ

社員がメンタルヘルスの状態になってしまうことを防ぐためのステップです。社員との対話により、適切な睡眠時間の確保、適度な運動や友人、知人とのコミュニケーション推進などストレス緩和につながるケアを行います。また、ストレスチェック制度を導入し、定期的に実施することも重要です。

  二次予防:早期発見

メンタルヘルスに不調をきたしている社員を早期に発見し、それ以上悪化させないための対策を行うステップです。相談窓口の設置や産業医との契約など、社員が自ら不調に気づいた場合や、ストレスチェックで問題が発覚した際に気軽に相談できる場所を確保します。

  三次予防:職場復帰支援

就業中にメンタルヘルス不調を見つけられず、休職してしまった社員の職場復帰を支援するためのステップです。具体的には、次のような形で進めていきます。

  1. 傷病手当金による経済的な保障や不安、悩みの相談先紹介

  2. 主治医による職場復帰可能性の診断

  3. 職場復帰の可否の判断および職場復帰支援プランの作成

これらの流れをルール化し、制度として明文化することでメンタルヘルス不調に悩む社員の心と体のケアを行うことが重要です。

メンタルヘルスケアに必要な4つのケア

メンタルヘルスケアを実施するには、4つのケアを継続的かつ計画的に行わなくてはなりません。ここでは、4つのケアそれぞれについて解説します。

  セルフケア

社員自らが行うケアです。ただ企業は社員任せにするのではなく、ストレスやメンタルヘルスに対する正しい知識、ストレスへの対処法などセルフケアに欠かせない教育や情報提供を行う必要があります。

  ラインによるケア

ラインによるケアとは、企業の管理監督者が職場のストレスにつながる要因を把握し、改善を実施するものです。具体的には、遅刻欠勤が増える、業務効率の低下、ミスが増えるなどいつもと違う部下がいないかどうかの確認が挙げられます。

また、部下の話を聞く、適切な情報提供を行うなどコミュニケーションを図り、問題点の把握に努め、業務の振り分けの見直しや人間関係の改善などの計画を立案、実施します。ほか、メンタルヘルス不調の社員を見つけた場合、早急に産業医や外部医療機関への相談を促すことも重要です。

  事業場内産業保健スタッフなどによるケア

社内の産業医によるケアです。具体的には、セルフケアやラインによるケアが適切に行われているかの指導監督が中心です。また、メンタルヘルスケアの実施に関する企画立案、個人の健康情報の取り扱い、外部の医療機関や保健所などとのネットワーク形成、職場復帰支援などの中心的な役割も担います。

  事業場外資源によるケア

事業場外資源とは、医療機関や保健所などの地域保健機関、社員支援プログラム(EAP)機関などを指すものです。これらの機関と情報提供や助言を受け、ネットワークを形成しつつ、メンタルヘルスケアや職場復帰支援を行います。

メンタルヘルスケアの取り組み

実際に企業がどのような形でメンタルヘルスケアに取り組んでいるかについて紹介します。

  適切な労務管理の実施

メンタルヘルス不調に陥る理由の一つとして挙げられるのが、長時間労働の状態化です。そこで、労務管理ツールや長時間労働防止ツールを導入することで、適切な労務管理を行い、メンタルヘルス防止の実現につなげます。

長時間労働の抑止について詳しくは、「なかなか減らない長時間労働!その原因と効果的な対策とは?」をご覧ください。

  多様な働き方の実現

テレワークを導入し、必ずしもオフィスに出社しなくても働ける環境を構築します。また、テレワークが難しい業務の場合、フリーアドレスやコアタイムなしのフレックスタイム制導入など、自由度の高い働き方を実現させるのもストレス緩和対策として効果的です。

ただ、テレワークでは対面によるコミュニケーション機会が減少するリスクもあります。対策としてはコミュニケーションツールの導入や、オフィスワークとテレワークを融合させたハイブリッドワークも検討するといいでしょう。

  相談窓口を設置する際の工夫

メンタルヘルス不調を相談するための窓口を設置しても、気軽に相談できる環境でなければ利用されません。そこで、メンタルヘルスに関する専門知識を持つ職員は男女複数名用意する、産業医は現場で社員とコミュニケーションを取って相談のハードルを低くするなどの工夫が必要です。

メンタルヘルスケアの実施にはシステム活用による長時間労働の抑止も重要

メンタルヘルスの不調に陥った社員を放置してしまうと、休職者や離職者が増加し、現在、メンタルに問題のない社員にまで悪影響を及ぼす可能性が高まります。

そのため、企業としては今回紹介した3つのステップと4つのケアを徹底し、メンタルヘルスの予防、早期発見を実現させることが重要です。また、すでに休職してしまった社員に対するケアも行い、安心して復帰できるようにしなくてはなりません。

メンタルヘルスケア対策としては、適切な情報提供や相談窓口の設置、産業医の配備などが挙げられますが、同時に欠かせないのが職場環境の改善です。長時間労働の抑制もメンタルヘルスケアに必要な対策となります。そこでおすすめしたいのが長時間労働抑止システム「Chronowis」です。

パソコンの利用制限と稼働ログの取得が行えるため、勤怠管理システムとの併用で長時間労働の抑止が行えます。また、残業時間が月間の上限値に達した場合、事前通知がされるうえ、超えれば強制的にシャットダウンされるので時間外労働の上限規制にも対応可能です。

長時間労働の抑止は体の病を抑えられるだけではなく、ストレスや体の疲れから来る心の病防止にもつながるため、システムの活用による適切な管理が欠かせません。メンタルヘルスケアの効果を高めるためにも、ぜひ「Chronowis」の活用をご検討ください。

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