健康管理

プレゼンティーイズムとは?業務に及ぼす影響と対策を解説

公開日:2024 / 4 / 16

プレゼンティーイズムとは、出社はしているものの、心身に何らかの不調を抱え本来のパフォーマンスが発揮できない状態を表す言葉です。生産年齢人口の減少により健康経営が注目を集める今、プレゼンティーイズムを理解し、適切な対策の実施が欠かせません。

今回は、プレゼンティーイズムの概要、業務に及ぼす影響、アブセンティーイズムとの違いなどに加え、プレゼンティーイズムを減少させるための対策について解説します。健康経営により生産性向上を目指す経営層の方は、ぜひ参考にしてください。

プレゼンティーイズムとは

プレゼンティーイズムとは、心身の不調に不安を抱えながら出社し、思ったようなパフォーマンスが発揮できない状態を指すものです。日本語では「疾病就業」と訳され、一般的には次のようなものが挙げられます。

  1. 骨や関節、筋肉、靱帯など運動器の障害、触覚や痛覚、温度覚などの感覚鈍麻、しびれなどの感覚器障害

  2. ストレスや不安などから来る軽度のうつ病のようなメンタルヘルスの不調
    メンタルヘルスについて詳しくは「メンタルヘルス対策の重要性と対策のポイント、効果的な取り組みを解説」をご覧ください。

  3. 胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、片頭痛などストレス性内科疾患

  4. 高血圧、心筋梗塞、狭心症、高尿酸血症、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病

  5. 風邪、花粉症、アトピー性皮膚炎など感染症やアレルギー

以上のような状態で業務を行っても、集中できずに作業効率が下がり、場合によってはミスが続出して損失を生み出してしまいかねません。そのため、企業として早期の発見と対策の実施が求められるようになっています。

  アブセンティーイズムとの違い

プレゼンティーイズムが心身に不調を抱えながら出社し、十分なパフォーマンスが発揮できない状態を指すのに対し、アブセンティーイズムとは、心身の不調で欠勤することを指します。

従来は、心身の不調で出社できない社員が多いほど、企業としての損失が大きくなるとされていました。しかし、最近では出社していても本来のパフォーマンスを発揮できないプレゼンティーイズムの方が、企業に及ぼす損失が大きいともいわれるようになっています。

プレゼンティーイズムが企業に及ぼす影響

プレゼンティーイズムが企業に及ぼす影響は少なくありません。例えば、2017年7月に厚生労働省が発表した「コラボヘルスガイドライン」によると、企業が負担する健康関連総コストで、プレゼンティーイズムが79.1%を占めているとの結果が出ています。

これは医療費(15.7%)の約5倍、アプセンティーイズム(3.7%)の約21倍で、プレゼンティーイズムが企業に及ぼす影響の大きさが示されたデータです。

前述のとおり、従来心身の不調で出社できず欠勤する、アブセンティーイズムが多くなれば企業の損失が大きくなるといわれていました。しかし、コラボヘルスガイドラインを見る限り、出社しながらも相応のパフォーマンスを発揮できないプレゼンティーイズムの方が、企業に与える損失も大きいことがわかります。

また、株式会社日本総合研究所が2021年6月に「働く世代が抱える見過ごされている健康課題への対応の必要性」のなかで、産業医科大学の永田准教授を中心に日本の製薬会社4社を対象に行った研究を紹介しています。

同研究では、社員一人当たりの年間コストで、プレゼンティーイズムは3,055ドル(日本円換算約45万円)、医療費は1,165ドル(日本円換算約17万円)、アブセンティーイズムは520ドル(日本円換算約8万円)です。

※すべて2024年1月27日現在 1ドル148.16円で換算

つまり、社員が500人いる企業であれば、プレゼンティーイズムにかかるコストは約2億2,500万円、医療費は8,500万円、アブセンティーイズムは4,000万円となります。この結果からプレゼンティーイズムをいかに減らすかが、企業にとって損失を抑える重要なポイントになるといえるでしょう。

プレゼンティーイズムの対策

プレゼンティーイズムを減らすための対策として必要なのは、プレゼンティーイズムを正確に理解したうえでの診断の実施、発見時の早急な対応です。ここでは、具体的な対策について解説します。

  プレゼンティーイズムの理解促進

プレゼンティーイズムがどういったものかを社員が正しく理解できないと防止対策も適切に行えません。そのため、勉強会や講習などを実施し、経営層から社員まで、プレゼンティーイズムの正しい理解を進めます。

  プレゼンティーイズムの数値化

プレゼンティーイズムを減らすには、現在の状況を数値化し、客観的な判断が必要です。数値化は次に挙げる5つの指標を基に算出します。

  1. WHO-HPQ
    WHO(世界保健機関)による「WHO健康と労働パフォーマンスに関する質問紙(ハーバードメディカルスクール作成)」を用いて評価する方法です。絶対的プレゼンティーイズムと相対的プレゼンティーイズムの2つの方法で算出します。
  2. 東大1項目版
    東京大学WGにて作成されたもので、プレゼンティーイズムの意味をそのまま反映したアンケート1項目で評価する方法です。
  3. WLQ
    Work Limitations Questionnaireの略称で、タフツ大学医学部作成による評価方法です。「時間管理」「身体活動」「集中力・対人関係」「仕事の結果」の4つで構成されています。
  4. WFun
    Wrok Functioning Impairment Scaleの略称で、産業医科大学で開発された評価方法です。健康問題による労働機能障害の程度を測定します。
  5. QQmethod
    まず、健康問題の有無について確認し、「有」の場合、4つの設問に回答し、現在の状況を把握する方法です。

  健康診断やストレスチェックの実施

プレゼンティーイズムは、事前対策を行うことでも増加を防ぐことが可能です。具体的には健康診断やストレスチェックを定期的に実施し、少しでも不調の兆候が見られた場合は早急に対応し、悪化を防ぎます。

  職場環境の改善

プレゼンティーイズムを減少させるには、健康診断やストレスチェックなど特別な時だけではなく、日常から意識することが重要です。上司から部下への声掛けや相談窓口の設置、ハラスメント教育などの実施により、働きやすい職場環境の整備などを行います。

  長時間労働の削減

長時間労働が慢性化すると、心身ともに不調をきたしてしまう可能性が高まります。企業としてノー残業デーの設置、労働時間監視システムの導入など長時間労働の削減対策も欠かせません。

長時間労働の原因と対策については、「なかなか減らない長時間労働!その原因と効果的な対策とは?」をご覧ください。

プレゼンティーイズムを減少させるには、正しい理解と社員の意識向上がポイント

プレゼンティーイズムは、心身の不調で欠勤してしまうアブセンティーイズム以上に企業に与える影響が大きいため、企業として適切かつ迅速な対応が欠かせません。プレゼンティーイズムを減少させるには、全社員がプレゼンティーイズムはどういったものであるかを把握することです。そのうえでプレゼンティーイズムの評価施策、定期的な健診、ストレスチェックなどを実施します。

また、相談窓口の設置、コミュニケーション活性化など日常的な対策も重要です。少しでも不調があった際には、本人はもちろん周囲がすぐに気づける環境整備が求められます。

長時間労働の削減も欠かせない施策の一つです。長時間労働は心身どちらにも大きな負担となり、プレゼンティーイズムの要因になりえます。そこでおすすめしたいのが、長時間労働抑止システム「Chronowis」です。

パソコンの利用制限と稼働ログの取得により勤怠管理システムとの併用で長時間労働の抑止が行えます。長時間労働の抑止は体の病だけではなく、ストレスや体の疲れから来る心の病防止にもつながるため、システムの活用による適切な管理が欠かせません。プレゼンティーイズムの減少対策として、ぜひ「Chronowis」の活用をご検討ください。

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