働き方改革

2025年問題とは?企業に与える影響や取るべき対策

公開日:2024 / 4 / 16

日本は世界に類を見ないスピードで高齢化社会が進んでいます。そのなかで注目されているのが、2025年問題です。「団塊の世代(1047~1949年うまれ)」と呼ばれる約800万人が75歳以上になることで、後期高齢者の割合は、2025年には全人口の17.8%まで増加するとされています。2025年問題とはそういった超高齢社会において生じるさまざまな社会的な問題のことです。目前に迫った2025年問題が企業に与える影響はどのようなものなのでしょう。

今回は、2025年問題の概要、企業に与える影響を見たうえで、企業が取るべき対策についてお伝えします。

2025年問題とは

2025年問題とは、2025年に団塊の世代と呼ばれる約800万人全員が75歳以上の後期高齢者になることで起こる、さまざまな問題を指すものです。具体的には次のような問題が起こると考えられています。

  2025年に起こると予測される社会的な問題

  • 社会保障費の負担が増大する

    社会保障費とは、老齢年金、遺族年金、障害年金、医療保険、介護保険などを指すものです。75歳以上の後期高齢者の増加により、生産年齢人口(15~64歳)にかかる負担の増大が懸念されています。

    2019年2月1日、厚生労働省が発表した「今後の社会保障改革についてー2040年を見据えてー」によると、2018年時点での社会保障給付費の保険料負担額は117.2億円です。

    これが2025年になると139.2~139.6億円(現状投影)と20億円以上増加します。2018年に比べ現役世代は減少し、高齢者は増加しているため、一人ひとりにかかる負担はより大きくなるといえるでしょう。

    PDFファイル参照:今後の社会保障改革についてー2040年を見据えてー(p7)|厚生労働省

  • 医療・介護体制の維持が困難になる

    後期高齢者の増加により、医療や介護体制の維持が困難になるのも2025年問題の一つです。厚生労働省が算出した「医療費の将来見通し」によると、2018年の医療費が45.3兆円なのに対し2025年は55.5~56兆円と、わずか7年で約10兆円も増加するとしています。

    PDFファイル参照:医療費の将来見通し|厚生労働省

    また、厚生労働省による「介護費の将来見通し」では、2018年度の介護費が11.4兆円に対し2025年は15.6兆円と、7年で約4兆円以上の増加を予測しています。

    PDFファイル参照:介護費の将来見通し|厚生労働省

    医療費、介護費ともに大幅な増加が予測されているなか、問題なのは医療や介護に従事する人材の不足です。令和4年版厚生労働白書によると、2025年に必要と見込まれる医療・福祉就業者数は940万人ですが、2018年時点での医療・福祉就業者数は826万人と、100万人以上足りません。

    PDFファイル参照:令和4年版厚生労働白書|厚生労働省

    なかでも特に介護職員に関して、厚生労働省では2025年に約243万人が必要だと算出していますが、2019年時点での介護職員数は約211万人で、約32万人も不足しています。

    PDFファイル参照:第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について|厚生労働省

    これらの結果から、2025年に医療・介護体制を維持するのは非常に困難な状況であるといえるでしょう。

  2025年問題の先にある2040年問題とは

仮に2025年問題を乗り越えられたとしても、すべてが解決するわけではありません。少子高齢化は止まることなく続いていくため、2025年問題の先にあると言われているのが2040年問題です。

2040年、日本の人口は1億1,092万人と予測されています。そのうち65歳以上の高齢者は3,921万人、75歳以上の後期高齢者は2,239万人で、全人口の20.2%です。

高齢者の増加、生産年齢人口の減少は2025年以上に深刻となるため、2025年の時点で解決策を見出しておくことが非常に重要だといえるでしょう。

2025年問題が企業に与える影響

2025年問題は社会保障費の負担増大や医療・介護体制の維持困難など、社会的に大きな影響が予測されますが、企業に与える影響も少なくありません。具体的には次の2点です。

  深刻な後継者不足に陥る

中小企業庁が発表した「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」によると、2025年までに中小企業・小規模事業者経営者の平均引退年齢である70歳を超える経営者は、約245万人です。このうち、約半数の約127万人(社)は後継者が未定と言われています。

仮にこの数字が改善されず、2025年に127万社が後継者を見つけられないまま廃業すれば、約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性があります。

  深刻な人材不足が慢性化する

2025年問題では、経営者だけではなく労働者の人材不足も現在以上に深刻な問題です。内閣府による「令和4年版高齢社会白書」によると、2025年の生産年齢人口は7,170万人で、ピークであった1995年の8,716万人から約1,600万人も減少すると予測されています。

この予測から見て企業が生き残っていくには、これまで以上の業務効率化が欠かせません。しかし、思ったように効率化が進まなければ、長時間労働や休日労働が常態化し、社員への負担は大きく増大します。その結果、社員の健康被害、メンタルヘルスの不調などさまざまな問題が発生する可能性も高まるでしょう。

2025年問題を前に企業が取るべき対策

2025年問題を直前に控え、企業は対策の立案、実行が欠かせません。そこで、企業が取るべき主な対策を紹介します。

  後継者不足に対する対策

後継者不足に対する対策として考えられるのは次の2点です。

  1. 後継者教育の徹底
    事業承継の方法は、「親族内承継」「従業員承継」「M&A(第三者への承継)」の3つです。このなかから自社に適した方法を迅速に決め、親族内、従業員承継であれば後継者教育の計画を立てます。M&Aであれば、専門の仲介業者と相談のうえ、候補先の選定準備を始める必要があるでしょう。
  2. 事業承継に必要な税制・補助金の確認・活用

    事業承継は贈与税や相続税などがかかるため、税金を用意できずに黒字であるにも関わらず廃業してしまうケースも少なくありません。そこで、一定の条件を満たせば承継される株式にかかる税の100%が納税猶予される「事業承継税制」の活用を検討します。

    事業承継を計画している中小企業向けに補助金が出る制度もあるため、これも確認し、活用の検討を進めればスムーズな事業承継が可能です。

  人材不足に対する対策

人材不足に対しては、社員が快適に働ける環境の整備が必須です。具体的な対策として考えられるのは次の2点です。

  1. 多様な働き方の実現

    テレワークやフレックスタイム制など、育児や介護などで出社が難しい社員でも退職せずに働ける制度を導入します。これにより離職率低下と同時に新たな人材獲得のアピールも可能です。

    多様な働き方の導入についてのヒントは、「働き方改革はいつから開始された?実現させるためのポイントや成功事例を紹介」をご覧ください。

  2. 長時間労働の抑止

    長時間労働の常態化は、社員の健康被害やメンタルヘルスの不調につながり、退職の要因ともなります。RPAやCRM、ERP、長時間労働抑制ツールといったツールの活用によって、長時間労働の抑止を図ることが必要です。

    長時間労働抑止のための対策については「なかなか減らない長時間労働!その原因と効果的な対策とは?」もご覧ください。

2025年問題に対応するには迅速な計画立案と実行がカギ

後継者不足による黒字廃業や人材不足による社員の負担増大など、企業においても2025年問題は避けてとおることのできない大きな問題です。企業として2025年問題を解決するには、事業承継の準備、M&Aの候補先選定など後継者問題への対策、社員不足解消への対策など、今すぐにでも準備を始める必要があります。

特に重要なのは人材不足に対する対策です。テレワークやフレックスタイム制の導入など社員の意見を聞きつつ、誰もが快適に働ける職場環境の整備が求められます。もう一つ重要なポイントとなるのが業務効率化です。

生産年齢人口の減少により、これまでよりも少ない人員でこれまで以上の成果を上げるには無駄を省き、生産性を向上させる業務に集中できる環境整備も欠かせません。RPAやCRMといった効率化を図るツールの導入が考えられますが、同時に必要なのが長時間労働の抑止に効果的なツールの活用です。

テレワークのようにいつでも仕事ができる環境では、時間外に仕事をしてしまうケースが考えられます。そこでおすすめなのが長時間労働抑止システム「Chronowis」です。

パソコンの利用制限と稼働ログの取得により勤怠管理システムとの併用で長時間労働の抑止が行えます。オフィスはもちろん、テレワークのように上司の目が行き届かない場合、システムの活用による適切な管理が欠かせません。長時間労働を抑止するための対策として、ぜひ「Chronowis」の活用をご検討ください。

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