冷媒配管工事 冷媒管施工方法

分岐配管の設置方法について

分岐配管の据付は下記の設置方法で施工してください。
分岐後配管の勾配に制約はありません。
分岐配管の据付工事説明書と記載が異なる場合は、下記の記載を優先してください。

ヘッダー分岐方式(主配管は水平)

  • チーズ先端部は必ず密着溶接にしてください。(※1
    またチーズ内の冷媒流路をふさがないように各接続配管の挿入寸法を注意してください。
    必ず汎用のチーズをご使用ください。
  • ヘッダー分岐方式から更に分岐させないでください。
  • ヘッダー分岐方式は、室外側では使用しないでください。

配管加工

  • 材質:JIS H3300「銅管及び銅合金継目無管」C1220Tのりん脱酸銅を使用してください。(外径φ22.22以上の配管は1/2H材、H材、その他はO材)(表1)

表1 配管サイズ

  • パイプを切断する場合はパイプカッターを使用し、必ずバリ取りを行ってください。(分岐配管(別売品)も同一です)
  • 配管の曲げ加工をする場合は、外径の4倍以上の曲げ半径で加工してください。また、曲げ加工する際、配管のつぶれ、傷等に十分注意してください。フレア加工はフレアツールを使用して確実なフレア加工をしてください。
  • 配管の管理には十分注意し、管端部はキャップかテーピング等によりシールし、管内へゴミ、水分等の異物が侵入しないようにしてください。
  • フレアナット締め付けは、必ず表2のトルク内で締め付けてください。規定トルク以上の力が加わると閉鎖弁内部のシート面が歪み、閉鎖弁内部でガスが漏れたり、フレア部破壊の原因となります。

表2 フレアナットの締付トルク

  • フレアナットを取りはずすとき、取り付けるときは、バルブキャップにスパナを掛けないでください。弁が壊れるおそれがあります。
  • フレア接続時、フレア部に塗布する冷凍機油は、少量のエーテル油FW68CA(現地調達)を使用し、またその際にネジ部や樹脂部品に油が付着しないように注意してください。(樹脂部品の強度が弱くなり割れや露付き、水漏れの原因になります)
  • 各キャップは、表3のトルク内で締め付けてください。

表3 各キャップの締付トルク

  • バルブキャップをしない状態で長時間放置しますと冷媒が漏れますので、バルブキャップは作業後速やかに閉めてください。
  • ガス管閉鎖弁と液管閉鎖弁に取り付けているポリ袋にオイルが少量溜まっている場合がありますが、冷媒が漏れている訳ではありません。工場出荷前の検査運転時に閉鎖弁に付着したオイルです。

ろう付個所

1)配管接続のろう付時は酸化被膜防止のため配管内を必ず窒素ガス置換してください。ろう付時は必ずぬれた布等で閉鎖弁本体を十分に冷却しながら行ってください。
2)ろう付後も閉鎖弁本体が冷えるまで冷却してください。閉鎖弁本体が120℃を超えると故障のおそれがあります。

  • 必ず窒素ガスを使用してください。
    (酸素、炭酸ガス、フロンガス等は不可)
  • 窒素ガスボンベには減圧弁を使用してください。
  • 酸化被膜防止剤は冷媒や冷凍機油に悪影響を与え、機器の故障の原因となるため、使用しないでください。
  • ろう付バーナーを使用する場合、冷媒漏えい探知器を携行し冷媒漏れが無いことを確認してください。

冷媒配管施工時の注意事項

作業について

  • 作業については、微燃性(A2L)冷媒に対する作業教育を受けた有識者が、作業を行ってください。
    ①裸火、燃焼機器に関する教育
    1)喫煙時のリスク
    2)ボイラーなどの燃焼機器使用時のリスク(特に、狭小空間への設置に関するリスク)
    3)バーナー使用時に冷媒が噴出した場合、即座にバーナーを消さなければならない。(バーナーを冷媒噴出部から避けた後に消すことがないようにしなければならない)ことの教育
    ②安全を確保するための作業内容
    1)作業場所での漏えい検知器の携行
    2)冷媒濃度が高い場合は、冷媒濃度が低くなるまで作業禁止
    3)即座に消火をするために、水を入れたバケツ、水に浸したウエスなどの手元への配置
  • 作業中は通気の良い状態にし、周囲に火気がないことを確認してください。
  • 冷媒が漏えいした場合、速やかに換気してください。特に地下室、狭小空間など、冷媒が滞留しやすい場所で作業する場合には、漏えい検知器を携行し作動させ、ドアと窓を開ける、または、ドアと窓がない場合には機械換気装置を運転するなど、冷媒の滞留が起きないようにしてください。

配管加工について

  • パイプカッターとフレア工具は、R410A/R32専用の工具を使用してください。
  • 配管へのゴミ、ほこりなどの侵入または水分の浸入を防止するため、ピンチまたはテーピングにて配管の養生を行ってください。
  • 配管は物理的に破損することがないように、当社が指定する保護を施してください。
  • 製品と冷媒配管との接続方式がフレア接続の場合、製品付属のフレアナットを使用してください。

ろう付作業について

  • 冷媒配管ろう付時には、フラックス(酸化被膜防止剤)を使用しないでください。ろう材には、フラックスの不要なリン銅ろう(BCuP)を使用してください。フラックスが塩素系の場合、配管腐食が発生し、さらにフッ素が含まれる場合には、冷凍機油を劣化させるなど、冷媒配管系統に悪影響を与えます。
  • ろう付作業のための配管内ガス置換には、窒素ガスで実施し冷媒ガスを使用しないでください。
  • ろう付作業時に冷媒漏えいした場合には、直ちにバーナーなどの火気を消してください。
  • 配管工事完了後には、気密試験を実施し冷媒漏えいがないことを確認してください。気密試験では、窒素ガスを使用してください。