不完全接続安全性試験

電気接続端子で、接続不具合等によって生じる不完全接続状態で通電された場合の安全性を確認します。

試験の目的

家庭用電気製品や屋内配線器具等において導体を接続する方法として様々な方法が用いられています。その導体接続部において,ねじの緩みやばね圧の低下などによる接触不良によって,接続部が発熱(この原因としてジュール発熱現象,グロー発熱現象,亜酸化銅増殖発熱現象が考えられている)を起こす場合があります。このときに発生した熱により,最悪時には火災に至る場合があります。こういった接続部が発熱した場合にも火災に至る危険性がないかどうかを確認します。

(1)ジュール発熱現象

通電時に接触抵抗(集中抵抗と境界抵抗の和)によるジュール熱のために接触面およびその近傍で温度が上昇する現象。

(2)グロー発熱現象

ジュール発熱現象の中で,接触面に赤い火の玉のような状態ができ温度が上昇する現象。

(3)亜酸化銅増殖発熱現象

銅と相手金属の接触部分で微接触状態(接触不良)が生じた時,接触している部分の銅が酸化して赤熱し,周囲の銅を溶かし込みながら亜酸化銅(Cu2O)が増殖する現象。

試験方法

不完全接続不良による発熱状態を局部的なヒータや亜酸化銅を使用することで模擬的に再現させ、延焼の可能性を確認する。

亜酸化銅法 ヒーター法