方針

限りある資源を持続可能な形で利用し次の世代に手渡すことは、事業に多くの天然資源を利用する当社にとって重要な取り組みです。当社は再資源化の拡大を進めることで、「循環型社会の実現」を目指しています。

再資源化の拡大

再生利用の促進

当社は電池の生産にあたり、生産工程からの廃材や使用済み製品を回収・再資源化し、電池材料やその他多様な用途に再生材料として活用するなど、天然資源消費や廃棄物の抑制を通じたサプライチェーン全体でのリサイクルスキームの構築を進めています。今後も再生材利用の推進などを通じ、「循環型社会の実現」を目指していきます。加えて材料の生産や製品の廃棄などに係るCO2排出量削減の観点からも、これらの取り組みを「脱炭素化の実現」と一体で前進させていきます。

サプライチェーン全体でのリサイクルスキーム

リサイクルスキーム図。鉱山から精錬所、材料メーカー、当社を経て市場へ製品が届く流れと、使用済み製品や工程廃材がリサイクラーに回収・再資源化される循環プロセスを示す。

二次電池の取り組み

二次電池回収・リサイクルの取り組み

二次電池では、資源の有効利用や環境汚染防止などを目的に、世界各国でリサイクルの法制度や仕組みの整備が行われています。日本においては、当社の前身である松下電池工業や三洋電機などが中心となって設立したリサイクル促進団体 一般社団法人JBRCの会員として、全国の協力店・協力自治体・協力事業者等を通じて使用済み二次電池を回収し、再資源化するリサイクル活動に取り組んでいます。2025年度は業界全体で約1,500トン(うち約50%が当社生産品)の二次電池が回収・リサイクルされました。北米においては、他の電池メーカーと協働しThe Battery Networkプログラムを立ち上げ、米国およびカナダで二次電池のリサイクルプログラムを提供しています。このように国ごとのリサイクルインフラの実情に応じた最も効率的なリサイクルの仕組みづくりに貢献しています。

リサイクルスキーム構築の取り組み

当社は米国の電池リサイクル企業であるレッドウッド・マテリアルズ社と、EV用リチウムイオン電池のリサイクル正極材について売買契約を締結しました。この契約に基づき、工程廃材や使用済み電池の正極材料を、リチウムイオン電池用材料へとリサイクルする体制を構築します。当社北米工場から排出される廃材由来のリサイクル正極材は、カンザス州の新工場で順次使用開始する予定です。

工程廃材と使用済み電池のリサイクルプロセス

電池リサイクルプロセス図。工程廃材や使用済み電池から金属スクラップを回収し、リサイクルを経て正極材として再利用する流れと、材料由来のカーボンフットプリント(CFP)削減効果を示すグラフを含む。

中国拠点では、2024年から正極材に再生材を導入しており、適用製品を順次拡大しています。また日本拠点では、住友金属鉱山社をはじめとした購入先様と協働し、電池廃材からレアメタルであるニッケルをリサイクルし、正極材料として再び当社の生産工程で利用するリサイクルスキームを2025年より運用を開始しています。さらに2026年以降には、他の正極材原料であるリチウムやコバルトについても同様の運用を構想しています。

乾電池の取り組み

繰り返し使用できない一次電池である乾電池については、新たな価値拡張を目指し、使用済み乾電池の回収と再資源化に向けた取り組みを進めています。

使用済み乾電池の回収・リサイクルの取り組み

2022年度からタイでコンビニエンスストアを運営するCP ALL社と協力し、廃乾電池の回収を約1,000店舗で取り組んでいます。また、日本においても2023年度よりイオンリテール社と連携して同様の取り組みを開始しています。

回収した乾電池の再資源化に向けて、タイで2024年3月からUMC Metals社と協業した鉄鋼材料のリサイクルを開始、日本では東京製鐵社とのリサイクルに向けた取り組みを開始しています。
今後も、タイ・日本における回収地域の拡大や本格運用を進めるとともに、得られたノウハウを他の地域にも展開していきます。また、将来的な乾電池部材への活用を見据えた研究開発を進め、「電池から電池」へのリサイクルの実現を目指しています。

日本での乾電池回収モデル

日本での乾電池回収モデル図。乾電池を製造、販売、回収、再生し、再び乾電池の製造に使用されるループを示している。製造、販売をパナソニックエナジーが、回収をイオンリテール社、再生を東京製鐵者が担っている。

使用済み乾電池の肥料化の取り組み

当社はTOMATEC社と共同で、使用済み乾電池の微量要素肥料*1へのリサイクルプロセスを確立しました。本プロセスでは、当社が当社製の使用済み乾電池からブラックマス*2を分離し、TOMATEC社にて熔成*3微量要素肥料化を行います。この農業分野における乾電池リサイクルは、当社初の取り組みです。またTOMATEC社も電池由来の原料で熔成微量要素肥料を製造、販売することは初めてとなります。今後両社は、電池由来の微量要素肥料の活用拡大、さらなる資源循環と環境への取り組みを通じて、農業の発展や将来的な「飢餓や貧困をなくす」という社会課題の解決にも繋げていきます。

*1 植物の生育に必要な微量要素を含む肥料。微量要素には、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)などが含まれる

*2 亜鉛やマンガンなどの成分を含む混合粉
*3 使用済み乾電池に含まれる亜鉛・マンガンを溶融し、ガラス化することで還元され、作物が吸収しやすい状態にするプロセス

当社製使用済み乾電池を活用した熔成微量要素肥化のリサイクルプロセス

当社とTOMATECによる乾電池リサイクルプロセス図。使用済み乾電池からブラックマス(使用済み乾電池から分離した亜鉛やマンガンなどの成分を含む混合粉末)を分離し、焙成微量要素肥料として農地に再利用する流れを示す。

再生材料利用の推進

当社は国内生産拠点において、乾電池の負極の主要構成要素である亜鉛に関し、再生材由来の原料を採用する取り組みを原料メーカーとともに進めています。この再生亜鉛は、エボルタNEO乾電池の本体重量比で約15%*4を占めており、限りある資源の有効活用と環境負荷の低減を両立させた高品質な製品づくりを実現しています。

このような再生材の活用は、乾電池の性能を維持しながら循環型社会の実現に貢献する重要な取り組みです。今後も資源の有効活用と、長く使えることによる環境負荷の低減につながる取り組みを推進していきます。

*4 本体重量に対する再生亜鉛の割合

プラスチック使用量削減の取り組み

包装材におけるプラスチック使用量削減の取り組み

プラスチックは現代社会において必要不可欠な素材である一方、気候変動への影響や廃棄物としての課題があることから、プラスチックの使用量を削減する取り組みを進めています。

取り組みの一つとして、包装材の削減とエシカル消費(商品やサービスの機能的価値だけでなく、倫理的な価値を意識した消費活動)ニーズへの両立を目指した製品として、脱プラスチックに配慮した「エシカルパッケージ」の乾電池を2021年度に日本国内で、2022年度にタイで販売を開始しました。このエシカルパッケージの導入により、プラスチックを含む包装材使用量を、従来品と比較して38~59%削減するとともに、包装材の原料入手・製造・使用・廃棄のライフサイクルにおける総CO2排出量の削減にも貢献しています。

2023年からは充電式ニッケル水素電池「エネループ」やコイン電池*5にもエシカルパッケージを採用するなど、ラインアップの拡大と、アジア太平洋地域をはじめとしたグローバル展開を行いました。この取り組みは、2023年9月、ジャパンスター賞「経済産業大臣賞」を受賞しています。

*5 一部通販サイトのみで販売

写真:エシカルパッケージ 採用製品

エシカルパッケージ採用製品

再生樹脂活用による使用量削減の取り組み

廃棄物量の低減やCO2排出量削減など、環境への配慮の高まりに応じて、当社では再生樹脂の活用によるプラスチック使用量削減の取り組みを進めています。顧客から再生樹脂のさらなる使用要請もあり、一部製品において電池パック外装ケースにおける再生樹脂の使用比率を、従来の25%から50%まで引き上げを行いました。この取り組みでは、プラスチック製造に必要なエネルギーの削減や廃棄予定のプラスチックのリサイクルに貢献しています。なお再生樹脂の使用は、強度や耐熱など機械的特性の低下に懸念があるため、リスクに対する検証を重ね導入しています。今後も再生樹脂の使用拡大などを通じて、環境への配慮に取り組んでいきます。

その他、環境に係るデータはこちらを参照ください。