循環型社会の実現
循環型社会の実現
方針
地球上の限りある資源を持続可能な形で利用し次の世代に手渡していくことは、事業に多くの天然資源を利用する当社にとって欠くことのできない取り組みだと捉えています。当社は、今日生まれた子供たちの未来のために、「再資源化の拡大」により新規の天然資源の消費を抑え、廃棄物の抑制により環境への負荷を低減しています。加えて材料の生産や製品の廃棄などに係るCO2排出量削減の観点からも、これらの取り組みを「脱炭素化の実現」と一体で前進させていきます。
方針
地球上の限りある資源を持続可能な形で利用し次の世代に手渡していくことは、事業に多くの天然資源を利用する当社にとって欠くことのできない取り組みだと捉えています。当社は、今日生まれた子供たちの未来のために、「再資源化の拡大」により新規の天然資源の消費を抑え、廃棄物の抑制により環境への負荷を低減しています。加えて材料の生産や製品の廃棄などに係るCO2排出量削減の観点からも、これらの取り組みを「脱炭素化の実現」と一体で前進させていきます。
再資源化の拡大
再生利用の促進
当社は電池の生産にあたり、生産工程からの廃材や使用済み製品を回収・再資源化し、再生材料として活用するなど、天然資源消費や廃棄物の抑制を通じてサプライチェーン全体でのリサイクルスキームの構築を進めています。
今後も電極材料への再生材利用の推進などを通じ、製品の脱炭素化だけでなく、循環型社会の実現を目指していきます。
サプライチェーン全体でのリサイクルスキーム
二次電池の取り組み
二次電池回収・リサイクルの取り組み
二次電池では、資源の有効利用や環境汚染防止などを目的に世界各国でリサイクルの法制度や仕組みの整備が行われています。日本においては、当社の前身である松下電池工業や三洋電機等が中心となって設立したリサイクル促進団体、一般社団法人JBRCの会員として、全国の協力店・協力自治体・協力事業者等から排出された二次電池を回収・再資源化するリサイクル活動に取り組んでいます。2024年度は業界全体で1,400トン(内約50%が当社生産品)の二次電池が回収・リサイクルされました。このほか、北米において他の電池メーカーと協働しCall2Recycleプログラムを立ち上げ、米国およびカナダで二次電池のリサイクルプログラムを提供するなど、国ごとのリサイクルインフラの実情に即した最も効率的なリサイクルの仕組みづくりに貢献しています。
リサイクルスキーム構築の取り組み
当社は、米国の電池リサイクル企業であるレッドウッド・マテリアルズ社とEV用リチウムイオン電池のリサイクル正極材について売買契約を締結しました。この契約に基づき、工程廃材や使用済み電池を正極材料のリチウムイオン電池用材料へとリサイクルする体制を構築します。当社北米工場から排出される廃材由来のリサイクル正極材は、カンザス州の新工場で順次使用開始する予定です。
工程廃材と使用済み電池のリサイクルプロセス
米国以外でも、正極材のニッケルについて、住友金属鉱山社を始めとした購入先様と協働し、電池廃材から、レアメタルであるニッケルをリサイクルし、正極材料として再び当社の生産工程で利用するリサイクルスキームの運用を2024年より開始しています。また、2026年以降には他の正極材原料であるリチウムやコバルトについても同様の運用を構想しています。
乾電池の取り組み
繰り返し使用できない一次電池である乾電池については、新たな価値拡張を目指し、使用済み乾電池の回収と再資源化に向けた取り組みを進めています。
使用済み乾電池の回収・リサイクルの取り組み
タイでは、2022年度からコンビニエンスストアを運営するCP ALL社と協力し、1,000店舗で廃乾電池を回収する取り組みをしています。また、日本においても2023年度よりイオンリテール社と連携して同様の取り組みを開始しています。
回収した乾電池の再資源化に向けては、タイでは、2024年3月からUMC Metals社と協業し、鉄鋼材料としてのリサイクルを開始、日本では東京製鐵社とのリサイクルに向けた取り組みを開始しています。
今後も、タイ・日本において回収地域の拡大や本格運用を進めるとともに、得られたノウハウをその他の地域にも展開していきます。また、将来的な乾電池部材への活用を見据えた研究開発を進め、「電池から電池」へのリサイクル実現を目指しています。
日本での乾電池回収モデル
使用済み乾電池の肥料化の取り組み
当社はTOMATEC社と共同で、使用済み乾電池の微量要素肥料*1へのリサイクルプロセスを確立しました。リサイクルプロセスでは、当社が当社製の使用済み乾電池からブラックマス*2を分離し、TOMATEC社にて熔成*3微量要素肥料化を行います。農業分野における乾電池リサイクルは、当社初の取り組みです。またTOMATEC社も電池由来の原料で熔成微量要素肥料を製造、販売することは初めてです。
今後、両社は電池由来の微量要素肥料の活用拡大、更なる資源循環と環境への取り組みを通じて、農業の発展や、将来的には「飢餓や貧困をなくす」といった社会課題の解決にも繋げていきます。
当社製使用済み乾電池を活用した熔成微量要素肥化のリサイクルプロセス
*1 植物の生育に必要な微量要素を含む肥料。微量要素には、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)などが含まれる
パナソニック エナジー乾電池由来の微量要素肥料を共同開発、使用済み乾電池を肥料原料にリサイクルするプロセスを確立
*2 亜鉛やマンガンなどの成分を含む混合粉
*3 使用済み乾電池に含まれる亜鉛・マンガンを溶融し、ガラス化することで還元され、作物が吸収しやすい状態にするプロセス
再生材料利用の推進
当社は国内生産拠点において、乾電池の負極の主要構成要素である亜鉛に関し、100%再生材由来の原料*4を採用する取り組みを原料メーカーと共に進めています。この再生亜鉛は、エボルタNEO乾電池の本体重量比で約15%*5を占めており、限りある資源の有効活用と環境負荷の低減を両立させた高品質な製品づくりを実現しています。
このような再生材の活用は、乾電池の性能を維持しながらも、循環型社会の実現に貢献する重要な取り組みであり、今後も資源を有効活用し、長く使うことで環境負荷の低減につながる取り組みを推進していきます。
*4 原料メーカーから「マスバランス方式」に基づき、再生材由来100%であるとULにより認証済み(UL2809)として取得
*5 本体重量に対する再生亜鉛の割合
再資源化の拡大
再生利用の促進
当社は電池の生産にあたり、生産工程からの廃材や使用済み製品を回収・再資源化し、再生材料として活用するなど、天然資源消費や廃棄物の抑制を通じてサプライチェーン全体でのリサイクルスキームの構築を進めています。
今後も電極材料への再生材利用の推進などを通じ、製品の脱炭素化だけでなく、循環型社会の実現を目指していきます。
サプライチェーン全体でのリサイクルスキーム
二次電池の取り組み
二次電池回収・リサイクルの取り組み
二次電池では、資源の有効利用や環境汚染防止などを目的に世界各国でリサイクルの法制度や仕組みの整備が行われています。日本においては、当社の前身である松下電池工業や三洋電機等が中心となって設立したリサイクル促進団体、一般社団法人JBRCの会員として、全国の協力店・協力自治体・協力事業者等から排出された二次電池を回収・再資源化するリサイクル活動に取り組んでいます。2024年度は業界全体で1,400トン(内約50%が当社生産品)の二次電池が回収・リサイクルされました。このほか、北米において他の電池メーカーと協働しCall2Recycleプログラムを立ち上げ、米国およびカナダで二次電池のリサイクルプログラムを提供するなど、国ごとのリサイクルインフラの実情に即した最も効率的なリサイクルの仕組みづくりに貢献しています。
リサイクルスキーム構築の取り組み
当社は、米国の電池リサイクル企業であるレッドウッド・マテリアルズ社とEV用リチウムイオン電池のリサイクル正極材について売買契約を締結しました。この契約に基づき、工程廃材や使用済み電池を正極材料のリチウムイオン電池用材料へとリサイクルする体制を構築します。当社北米工場から排出される廃材由来のリサイクル正極材は、カンザス州の新工場で順次使用開始する予定です。
工程廃材と使用済み電池のリサイクルプロセス
米国以外でも、正極材のニッケルについて、住友金属鉱山社を始めとした購入先様と協働し、電池廃材から、レアメタルであるニッケルをリサイクルし、正極材料として再び当社の生産工程で利用するリサイクルスキームの運用を2024年より開始しています。また、2026年以降には他の正極材原料であるリチウムやコバルトについても同様の運用を構想しています。
乾電池の取り組み
繰り返し使用できない一次電池である乾電池については、新たな価値拡張を目指し、使用済み乾電池の回収と再資源化に向けた取り組みを進めています。
使用済み乾電池の回収・リサイクルの取り組み
タイでは、2022年度からコンビニエンスストアを運営するCP ALL社と協力し、1,000店舗で廃乾電池を回収する取り組みをしています。また、日本においても2023年度よりイオンリテール社と連携して同様の取り組みを開始しています。
回収した乾電池の再資源化に向けては、タイでは、2024年3月からUMC Metals社と協業し、鉄鋼材料としてのリサイクルを開始、日本では東京製鐵社とのリサイクルに向けた取り組みを開始しています。
今後も、タイ・日本において回収地域の拡大や本格運用を進めるとともに、得られたノウハウをその他の地域にも展開していきます。また、将来的な乾電池部材への活用を見据えた研究開発を進め、「電池から電池」へのリサイクル実現を目指しています。
日本での乾電池回収モデル
使用済み乾電池の肥料化の取り組み
当社はTOMATEC社と共同で、使用済み乾電池の微量要素肥料*1へのリサイクルプロセスを確立しました。リサイクルプロセスでは、当社が当社製の使用済み乾電池からブラックマス*2を分離し、TOMATEC社にて熔成*3微量要素肥料化を行います。農業分野における乾電池リサイクルは、当社初の取り組みです。またTOMATEC社も電池由来の原料で熔成微量要素肥料を製造、販売することは初めてです。
今後、両社は電池由来の微量要素肥料の活用拡大、更なる資源循環と環境への取り組みを通じて、農業の発展や、将来的には「飢餓や貧困をなくす」といった社会課題の解決にも繋げていきます。
当社製使用済み乾電池を活用した熔成微量要素肥化のリサイクルプロセス
*1 植物の生育に必要な微量要素を含む肥料。微量要素には、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)などが含まれる
パナソニック エナジー乾電池由来の微量要素肥料を共同開発、使用済み乾電池を肥料原料にリサイクルするプロセスを確立
*2 亜鉛やマンガンなどの成分を含む混合粉
*3 使用済み乾電池に含まれる亜鉛・マンガンを溶融し、ガラス化することで還元され、作物が吸収しやすい状態にするプロセス
再生材料利用の推進
当社は国内生産拠点において、乾電池の負極の主要構成要素である亜鉛に関し、100%再生材由来の原料*4を採用する取り組みを原料メーカーと共に進めています。この再生亜鉛は、エボルタNEO乾電池の本体重量比で約15%*5を占めており、限りある資源の有効活用と環境負荷の低減を両立させた高品質な製品づくりを実現しています。
このような再生材の活用は、乾電池の性能を維持しながらも、循環型社会の実現に貢献する重要な取り組みであり、今後も資源を有効活用し、長く使うことで環境負荷の低減につながる取り組みを推進していきます。
*4 原料メーカーから「マスバランス方式」に基づき、再生材由来100%であるとULにより認証済み(UL2809)として取得
*5 本体重量に対する再生亜鉛の割合
廃棄物抑制および使用量削減の取り組み
工場からの廃棄物削減
当社は、工場からの廃棄物の排出量を削減し、有価物や再資源化量を増やすことで最終処分量(最終処分場への埋立量)を限りなくゼロにしていく活動を継続的に行っています。これまでKPIとして設定していたリサイクル率(自社廃棄物)は、ほぼ全拠点で99%以上を達成し、社内で維持可能な体制が整ったと判断しました。これを踏まえ、今年度より「再生材利用率」にKPIを統一します。
プラスチック使用量削減の取り組み
プラスチックは、現代社会において必要不可欠な素材である一方、気候変動への影響や廃棄物としての課題があることから、プラスチックの使用量削減の取り組みを進めています。
取り組みの一つとして、包装材の削減とエシカル消費(商品やサービスの機能的価値だけでなく、倫理的な価値を意識した消費活動)を志向する商品として、脱プラスチックに配慮した「エシカルパッケージ」の乾電池を2021年度に日本国内で、2022年度にはタイにて販売を開始しました。このエシカルパッケージの導入により、プラスチックを含む包装材使用量を従来品と比較して38~59%削減するとともに、包装材の原料入手・製造・使用・廃棄のライフサイクルでの総CO2排出量削減にも貢献しています。
2023年からは充電式ニッケル水素電池「エネループ」やコイン電池*6にもエシカルパッケージを採用するなど、ラインアップを拡大するとともに、アジア太平洋地域をはじめとしてグローバルに展開しました。また、2023年9月、ジャパンスター賞「経済産業大臣賞」を受賞しました。
エシカルパッケージ採用製品
*6 一部通販サイトのみで販売
再生樹脂活用による使用量削減の取り組み
廃棄物量の低減やCO2排出量削減など、環境への配慮が高まっており、再生樹脂の活用によるプラスチック使用量削減の取り組みを進めています。顧客から再生樹脂のさらなる使用要請もあり、一部機種に関し、電池パック外装ケースにおける再生樹脂の使用比率を、以前の25%からさらなる環境負荷低減を目指し、50%まで引き上げを行っています。これにより、プラスチック製造に必要なエネルギーの削減や廃棄予定のプラスチックのリサイクルに貢献しています。なお、再生樹脂の使用に伴っては、強度や耐熱などの機械的特性が低下するため、リスク検証を重ね、導入しています。今後、再生樹脂の使用拡大などを通じて、環境配慮に貢献していきます。