方針

パナソニック エナジーのミッション・ビジョンの実現に向けて、「人財」を最重要経営資産であると位置づけ、「事業の競争力強化」と「個々人のウェルビーイング向上」の両立を目指しています。

それは、①ミッション・ビジョンに強烈に共感しその実現に向けて自律的に挑戦している多様な人財が集っている、②そして集った人財が安心・安全な環境で能力を最大に活かして他社を凌駕する競争力を生み出している、という状態を意味します。2025年度も「自律的に挑戦する個人」と「人が活きる組織・風土」を大きな2つの柱として、人財と組織に関する取り組みを進めてきました。

また、当社は急速に変化する事業環境の中で、持続的な成長と企業価値の最大化を実現するため、事業戦略と連動した経営リソースの最適化に取り組んでいます。とりわけ「人財」は、当社の競争力と成長を支える最重要経営資源であり、中長期視点での人財ポートフォリオマネジメントを推進しています。

事業環境変化に適応した経営リソースの最適化

人財ポートフォリオマネジメントの実践

当社を取り巻く事業環境と事業戦略を踏まえ、全社最適の視点から人財ポートフォリオの変革を進めています。事業戦略と人事戦略の連動を強化し、将来の事業成長に必要な人財像を明確化した上で、現有人財とのギャップを可視化しています。

その上で、グローバルに人財の「質」と「量」の最適配分・最適構成を実現するため、採用、育成、配置、活用の各施策を戦略的かつ機動的に展開しています。単なる人員調整にとどまらず、事業構造の変化に応じた人財構造への転換を継続的に行うことで、環境変化に強い組織基盤の構築を目指しています。

これらの取り組みを経営として一体的に推進するため、当社ではリソースマネジメントコミッティ(RMC)を設置しています。RMCには当社の経営幹部が参画し、人的リソースに関する重要課題を横断的に議論しています。

RMCの主な役割は、①経営チームとしてリソースに関する現状課題を共通で認識するとともに、将来の事業環境を見据えたあるべきリソース構造を定義すること、②その実現に向けた戦略・施策を議論し方向づけるとともに、グローバル全体で定量・定性の両面から継続的に効果を検証し、改善につなげることです。

当社は、こうした仕組みを通じて、事業環境変化を先回りした経営判断とリソース配分を実行し、将来にわたる持続的成長と企業価値の向上を実現していきます。

自律的に挑戦する個人

未来のパナソニック エナジーをけん引する経営者の発掘・育成

激しく変化する事業環境下において、中長期視点で柔軟かつ迅速に環境変化に対応し、事業成長をけん引できる経営者は必要不可欠であり、そのために、次世代経営人財のパイプライン強化を推進しています。ミッション実現に向けて、未来の世界を背負う揺るがない覚悟を持ち、常に自らを進化させ、当社らしい経営をけん引できる経営者が必要であり、当社経営者に期待される基本的な要件(①行動【コンピテンシー】、②人間力【ポテンシャル】、③スキル・知見・人脈)を策定し、これらを獲得・発揮できる次世代経営人財の持続的な輩出を目指しています。

具体的には、当社の執行役員である事業部長およびCXOポジションをターゲットポストとして後継者要件を定め、短期・中期・長期の視点で後継候補者を選定します。

その上で、後継者要件からの逆算で、各候補者が獲得すべきことを明確化し、飛躍的な成長を実現するタフ・アサインメントを主軸としたキャリア開発プランを、社長・事業部長・CTO・CMO・CHRO出席のタレントマネジメントコミッティで徹底的に議論し、実行しています。

また、多様な次世代経営人財を質・量ともに確保すべく、当社経営者に期待される要件をベースとした人財レビューを仕組み化し、若年層の段階で候補者を発掘、OJTとOff-JTを組み合わせた新たな経験の場の提供を通じた早期育成に積極的に取り組んでいます。

経営後継候補者のキャリア開発のためのOff-JTでは、実践的な経営提言を行う研修や技術・モノづくり系リーダー人財向けの経営研修など、さまざまな幹部開発研修を展開しています。特に、当社の競争力の源泉の1つである「技術」と「モノづくり」領域においては、技術・モノづくりを深化させるのみならず、技術・モノづくり競争力を起点として経営戦略を描き、イノベーションを創出できる人財の育成を進めています。

経営幹部と技術系リーダー人財が議論する様子

経営幹部と議論するモノづくり系リーダー人財

新入社員からの育成強化・オンボーディングプログラムの刷新

当社では、事業環境の急速な変化と中長期的な競争力強化を見据え、2025年度より新卒入社者向けオンボーディングプログラムを刷新しました。本プログラムは、人的資本を最重要経営資産と位置づける当社の方針のもと、「自律的に挑戦する個人」の育成を目的とした中核的な取り組みの一つです。

従来は3年間を育成期間としていましたが、刷新後は入社1年目から5年目までを重点的な育成期間と位置づけ、より中長期の視点で成長を支援する「Energy Professional Program」として再構築しました。早期に職務を遂行できる力を身につけると同時に、将来にわたり事業をけん引するプロフェッショナルとしての基盤形成を図ります。

本プログラムでは、新卒入社者の入社5年後に求める姿を「国際的に自分の名前で勝負できるプロフェッショナル」と定義しています。産業・国家・競合の三つの視点から当社を取り巻く環境を捉え、事業戦略の変化に柔軟に対応しながら、自律的に価値を創出できる人財の育成を目指しています。

育成体系の設計にあたっては、経営層へのサーベイを通じて、若手人財に特に求められる能力要件として定義しました。各年次の研修プログラムは、これらの能力を段階的・体系的に高める構成としています。

具体的には、1年目は新入社員導入研修に加え、競争環境を理解し行動変容を促す研修や、自律的に課題を設定・実行する力、交渉・折衝力を養う研修を実施します。2年目以降は、社会・顧客価値の理解を深めるセッションやレジリエンス力の強化、3年目には統率力を高める研修を行います。さらに4年目から5年目にかけては、最先端領域の視察や事業課題に基づく変革プランの立案など、実践的なプロジェクト型研修を通じて革新力を磨きます。

また、研修を通じて「競争心」「責任感」「変革意識」という三つの意識を醸成するとともに、上司・メンターとの対話やフィードバックを通じて、一人ひとりが自身の成長を振り返り、キャリアビジョンを主体的に描ける仕組みを整えています。

本オンボーディングプログラムの刷新により、当社は新卒入社者の早期活躍と中長期的な成長を両立させ、個々人のウェルビーイング向上と事業競争力の強化を同時に実現していきます。今後も、人的資本への継続的な投資を通じて、持続的な企業価値向上を目指していきます。

電池人財の育成

新卒入社者については、5年間を育成期間と捉え新入社員オンボーディングプログラムを通じて、仕事に必要なスキルを身に付けることで社会人としての基礎固めを行います。メンター制度を導入し、仕事以外の生活面やキャリア等に関する悩みの相談とサポートを身近な先輩社員から提供できる体制を整えています。この取り組みは新入社員の育成だけに留まらず、メンター自身も気づきや学びを得て成長する場と位置づけています。

キャリア入社者については、「キャリア入社オンボーディングプログラム」により、経営層とのコミュニケーションの機会、当社のミッション、ビジョンの理解やグループ経営理念研修等を通じて、当社の文化・風土にスムーズに適応でき、それぞれが持つ個性・意欲・能力が最大限活きるように取り組んでいます。

加えて、入社する多様な人財に対して、「電池に関する基礎講座」を提供し新卒入社者ならびに異業種からのキャリア入社者の早期戦力化を支援しています。その上で、技術エキスパートによる教育内容の充実と、実践力の強化に取り組む流れを確立しています。また直近の進化ポイントとしては、4点あり、①品質意識向上を目的とした「品質学部」を新設(従来は「技術学部」「生産技術学部」「製造学部」)、②安全・環境教育の体系化、③リチウムイオン電池(LIB)組立教室の教育対象を拡大(新卒社員約200名全員に実施)、④暗黙知を含む高度技能の伝承を推進(設備実践研修や塾活動を拡充)。その結果、講座数は208講座(発足当初比+176)まで拡大しました。

さらに、学生が電池事業ならびにその開発現状を広く深く認知できることを目的として、大阪公立大学にて「電池人財育成プログラム」を開始しました。あわせて、高等専門学校や高校に対してもLIB組立実習の出前授業を展開しています。

「技術・モノづくりアカデミー」を、持続的な価値創造を支える「電池開発における知のプラットフォーム」として進化させ続けていきます。

パナソニック エナジーMIRAI奨学金を通した電池人財の成長支援

当社のミッションである「幸せの追求と持続可能な環境が矛盾なく調和した社会の実現」を目指し、電池産業の発展に貢献する人財を育成するため、2024年度に「MIRAI奨学金」制度を設立しました。本制度は、当社選考委員会での検討を経て、選出された奨学生に対して年間50万円を支給し、これまで以上に研究活動に集中できる環境を提供することで、今後の電池産業の発展に大きく貢献できる人財を支援することを目的にしています。

本制度で奨学金を受給する奨学生に対し、当社の電池事業の最前線でグローバルに活躍する技術者が、継続的な接点づくりを行います。当社技術者の社内コミュニティへの参加や、現役の技術者との対話を通じて、電池メーカーで働くやりがいや研究活動のアドバイスを伝え、今後のありたい姿を一緒に考えるなど、奨学生の将来に向けた支援も行っています。当社は今後も本制度を通じて、当社のビジョンである「未来を変えるエナジーになる」を実現する電池人財の成長を積極的に支援していきます。

写真:MIRAI奨学金、奨学金給付の様子

奨学金 給付式の様子

写真:MIRAI奨学金、奨学生と社内技術者との交流の様子

社内技術者との交流

自律的な挑戦を促進する環境づくり

一人ひとりが高い目標に挑戦することで成長を加速し、成果が十分に報われることで次なる挑戦への意欲がさらに高まる、「絶え間ない挑戦と成長の循環サイクル」を形成するための制度・環境づくりを進めています。従業員一人ひとりの挑戦と成長を後押しすることで、人財価値を最大化します。

2024年度には、過去・現在からの延長線では達成できない野心的な取り組みを「挑戦目標」として掲げる目標管理制度への改定、管理職の役割・職務をベースとした人財マネジメントへの移行および市場価値に基づく報酬水準・制度への見直し、一定の職務・人財要件を満たす希望者を対象に、定年年齢を65才まで延長する「ミドルシニア・パートナーシップ・プログラム」(勤務延長制度)の導入などを行いました。

また2025年4月から、一般社員(非管理職)および定年再雇用社員を対象に、挑戦のプロセス・成果をより精緻に評価し、さらなる成長につなげるための評価制度と、その結果に対してメリハリをつけ、還元する報酬制度への改定を行いました。あわせて、2024年度から行っている部課長向け「評価能力向上トレーニング」の充実化と、さらに係長層への対象拡大を行い、各職場での適切な制度運用・活用を徹底することで、評価の納得感向上と育成への連携強化を図り、個の能力を最大限に発揮できる環境づくりを進めています。

また、多様化する価値観・働き方に対応するため、過重労働防止・健康確保を前提としつつ一定の範囲内で労働時間の自己裁量を拡大する、裁量労働制を2025年度より試験的に導入しました。対象者には超過勤務時間に基づく手当に代えて、実績・成果を基準としたインセンティブを支給する報酬体系としています。2026年度は試験的運用によりニーズや課題を抽出・精査した結果として、より柔軟性のある制度に改定を図るなど、本格的な導入に向けた準備を進めています。時間に捉われずに成果を追求できる働き方の選択肢を設けることで、一人ひとりが個の能力を最大限に発揮できる環境づくりを推進します。

加えて、社内およびグループ内での公募制度・副業制度や社外副業制度などとあわせ、より幅広い挑戦・成長への意欲に応えることで、多様な経験の獲得・成長の加速、一人ひとりが目指すキャリアの実現を後押ししていきます。

絶え間ない挑戦と成長の循環サイクル

当社が推進する“絶え間ない挑戦と成長の循環サイクル”のイメージ。挑戦目標制度や報酬制度の改定、裁量労働制・社外副業制度の導入などを通じて、一人ひとりの自律的な挑戦と成長を後押しする環境づくりを進めている。

キャリア実現の支援と人財育成の推進

個人の中長期的なキャリアビジョンの実現を支援するため、本人が希望するキャリア形成をバックアップします。

当社では、上司と部下の定期的な1on1ミーティングを通じて、従業員全員の自律的なキャリア・能力開発に向けた個別人財育成計画を策定しています。そして、役割や年齢・性別にとらわれることなく、一人ひとりの学びの意欲に応えるさまざまな研修機会を提供することで、育成・成長を支援しています。

2024年度から育成体系を見える化し、各種研修受講を一元管理できるようにLearning Management System「マナビコ」を本格導入し、従業員の自律的な学びの支援を開始しました。一人ひとりの自律的なキャリア開発支援に向けて、今後もコンテンツの充実を図ることで学習を支援していきます。

Learning Management System(マナビコ)、育成体系の見える化のため、各種研修受講を一元管理したシステム。

継続的に職場の具体的な提案や要望を聞きながら、課題把握と解決に向けた取り組みを進めています。その他にも、次世代の経営幹部層や、職場運営のキーパーソンであるミドルマネジメント層への積極的な人財育成投資、年齢を問わず意欲ある人財の活躍を支援するリカレント教育等を進め、従業員の旺盛な成長意欲に応えています。

当社の教育訓練体系は、従業員全員に共通して求められる経営理念や知識・スキルの体得をベースとしており、そこに個々人の成長に応じた階層別研修や、担当業務の専門性を磨くための機能別専門研修等を体系化しています。また、時間や場所を選ばず、高品質の教材で学習を可能とするオンライン学習の充実により、グローバルに学びを展開すると同時に、事業ニーズに応じたカスタム研修を個別に開発する等、事業経営と人財育成のマッチングを図っています。社内研修機関での研修受講をベースに、専門研修、社外研修等、個々人の成長に応じた育成を実践しています。

教育訓練の基本体系

教育訓練体系を表した図。経営者には幹部研修や選抜研修、マネージャー層には幹部開発研修(女性キャリア開発プログラム等)や階層別研修、メンバーには上位職チャレンジプログラム(ビジネスリテラシー等)や機能別専門研修(技術・モノづくり・営業・企画・経理・人事等)が用意され、すべての層にまたがって、キャリア採用者・新入社員オンボーディング研修が用意されている。

一人ひとりが活きる組織と風土づくり

ミッション・ビジョンの実現に向けて

2022年度のパナソニック エナジー発足以降、Mission/Vision/Will(MVW)と進化の七道の浸透を目的に、「森の会議」を実施しています。森は生き物と自然が共生し、調和した世界です。「森の会議」では、その森の中に身を置くことで、ミッションとして掲げる「幸せの追求と持続可能な環境が矛盾なく調和した世界」を体感しながら、仲間とともにその実現にむけた議論を行い、自身の行動変容につなげています。

「森の会議」は経営層・ミドルマネジメント層から開始し、2025年度末までに累計64回、918人の従業員が参加しました。各回15人前後が参加し、経営層らが会議長となってMVW・進化の七道・使命感について部門を超えた対話を重ねています。2026年度は計9回約180人の参加を予定しています。

写真:森の会議の風景
写真:森の会議の風景

さらに、MVWの浸透を加速するため、2024年10月に社長直轄組織として「使命感本部」を新設しました。各部門から選出された17名のリーダーと100名以上のメンバーが中心となり、従業員一人ひとりがMVWに深く共感し、自らの内にある使命感を起点に、個性・能力・スキルを最大限発揮しながら、当社ミッションの実現に向けて自律的に挑戦する集団へと進化するために、全社横断的な仕掛けを企画・実行しています。一例として、2025年度は、従業員がお互いに感謝や称賛しあうシステムを全社導入・活用しました。従業員同士が互いの挑戦や貢献を認め合う文化の定着を図ることで、自らの行動がミッション実現に寄与していることを実感し、前向きな行動の連鎖を生み出しています。

写真:海外会社・他社の同世代リーダーとの議論・交流、若年層の次世代経営候補人材を対象とした塾活動
写真:使命感本部全体会議の様子、月に1回開催する各部門から選出したリーダー・メンバーの活動の様子

使命感本部活動:月に1回、各部門から選出したリーダー・メンバーが集まり活発に議論し、具体的な活動を実践していく

対話文化の醸成

MVWの理解・共感を「行動」に結びつけるために、双方向の対話を重視しています。2025年度は、対話文化の醸成を重要テーマとして位置づけ、経営層と従業員が双方向で語り合う機会を積極的に創出しました。具体的には、全社タウンホールミーティング、少人数でのラウンドテーブルなど、対話の場を継続的・連鎖的に展開し、経営の考えや意思決定の背景を共有するとともに、従業員の声や問いに、経営が直接応える取り組みを行っています。これにより、MVWが「示されるもの」から、「自分事として考え、語り、行動するもの」へと、変化しつつあります。こうした対話を通じて、部門や役割を超えた相互理解が進み、自律的に考え、挑戦する文化、さらには多様な意見を受け入れ、組織の力として統合させていく風土醸成が進展しています。

多様な人財の活躍支援

当社では、多様な仲間が集い“共生”し、「一人ひとりの幸せ・働きがい」と「持続的チャレンジが可能な環境」が実現している会社を目指し、日本地域でDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の取り組みを推進しています。

当社では多様な人財が価値を生み出す組織・環境づくりに向けて、新卒入社者・キャリア入社者・グループ内異動者など多様な経験や背景を持つ人財がその能力を発揮し、挑戦行動に溢れる集団組織になることを目指しています。

国内においては、当社での女性比率の向上とあわせて、すべての従業員の挑戦機会を拡大・整備することで、結果として女性管理職比率(2025年度末実績7.1%)の向上を目指しています。挑戦の後押しとして、従業員サーベイやインタビュー等を通じて本質的な課題を把握し、自己理解やキャリアを考える機会、コーチングなどを提供することで、行動につながる支援を進めています。

このほか、障がいのある社員の活躍機会を広げるためにパナソニックファーム*1での雇用に加え、2024年10月からオフィスコンシェルジュ業務を立ち上げています。オフィスコンシェルジュとは職場で困っていることや支援してもらうと助かることなどを請け負う社員のお役立ちチームのことです。具体的にはデータ入力や文章作成などのPC業務、備品管理などの事務補助作業、オフィス運営のサポートなどに取り組んでいます。

*1 : 野菜作りを通して障がい者スタッフが活躍できる職場の実現を目指しています

写真:新規入社者用のパソコンセッティング作業を行うオフィスコンシェルジュメンバー、障害のある社員の活躍機会を広げる活動

新規入社者用のパソコンセッティング作業を行うオフィスコンシェルジュメンバー

男性の育児休業取得推進

一人ひとりが活きる経営を実現していくために、また、個々人の成長を実現していくために、当社ではライフイベントとキャリア形成の両立を図ることを重視しています。男性の育児休業取得率の向上(2025年度84%)や働く場所の選択肢拡大、昇格選考プロセスの改革等、多様化するライフスタイル・価値観にフィットし、人財の価値を最大化する働き方への進化と環境の構築を推進しています。

特に、男性の育児休業については、制度取得予定者向け説明会を月1回実施し、対象者へのフォローメールを送付するなど、取得に向けた働きかけを進めています。さらに2025年10月には、製造現場で交替勤務を担う社員など、勤務時間が固定されている職場の社員の選択肢の拡大を主な目的として育児両立支援休暇を導入しました。

多様な価値観や背景を持った従業員のニーズに対応し、個々の事情に応じた最適な働き方を選択することで、高い目標への挑戦や成果を出しやすい仕組みを構築しています。具体的にはフルリモートワーク制度による働く場所の柔軟化や、休暇制度の拡充、多様なライフスタイルに対応する住宅制度の見直しなど、働くニーズに応える環境を整備しています。またITシステムを通じた部門横断でのつながりづくり、コミュニティ活動の促進、積極的な人財交流の仕掛けづくりも実施しています。

アンコンシャス バイアス(無意識の思い込み)の理解推進

当社では多様な人財が活躍するために、その前提としてアンコンシャス バイアスを理解することが肝要であるとし、従業員に研修を提供しています。アンコンシャス バイアスとは、過去の経験や見聞だけをもとに、知らず知らずのうちに偏ったものの見方をしてしまうことです。本研修では、一人ひとりが自身のアンコンシャス バイアスについて学び、気づき、自身の言動を見直します。

アンコンシャスバイアストレーニングを通じて衆知経営の実践を目指す(研修資料より)

当社のアンコンシャスバイアス研修の様子。多様な人財が活躍する職場づくりを目指し、従業員が無意識の思い込みに気づき、言動を見直す取り組みを行っている。

部課長の組織・人財マネジメントの支援

中長期にわたって変化に適応しながら、企業競争力を高めてお客様へのお役立ちを果たしていくためには組織マネジメントを進化させ、従業員一人ひとりの能力を発揮できる環境を創り出すことが必要不可欠です。

組織マネジメントの状態を把握する取り組みとしてパナソニックグループでは年に1回の従業員意識調査を行っていますが、当社ではさらに頻度高く詳細に組織の状態を把握するため、2024年度から組織マネジメントツール(モチベーションクラウド)を国内の全拠点で導入しています。年間3回の組織サーベイを実施し、その結果をもとに課題解決の優先度を明らかにし、優先度の高い組織については外部の支援も得ながら改善活動を実施しています。

部課長に対しては、組織マネジメント能力を高め、自律自走する組織づくりを支援するために、組織開発に関する基礎研修を実施、加えて希望する部課長100人を対象にパーソナルコーチングの機会を提供しています。複雑さを増す事業運営と組織運営を両立するための支援を行うことで、部課長が自組織に必要なことの解像度を高め、それぞれの課題の早期解決を図ります。2026年度においても同様の取り組みを継続していきます。

安全・安心・健康の基盤づくり

安全・安心な職場づくり

当社では、安全・安心な職場づくりを目指し、グローバルのKPIとして労災による死亡者数ゼロ、休業災害ゼロを掲げています。2025年度の実績は、労災による死亡者数は0件であったものの、休業災害は16件発生しており、「緊急安全対策プロジェクト」を継続的に推進しています。

本プロジェクトは、設備安全に関わる労災、化学物質による労災の発生状況を「緊急事態」であると受けとめ、労働災害の未然防止策を徹底強化するため2024年度よりスタートし、全社的に労災撲滅に向けた活動を行っています。また、一人ひとりのリスク感度・安全意識のさらなる向上を継続的に強化しています。

防災活動については、巨大地震、風水害などの自然災害の発生に備え、建屋や設備などのハード面の対策に加え、従業員を対象とした防災啓発活動などを通じて、安全確保に向けた取り組みを推進しています。

労働災害未然防止策の徹底強化 「緊急安全対策プロジェクト」

機械設備や有害物質調査および作業環境のリスクアセスメントを年1回以上、定期的に実施し、職場に潜む労働災害のリスクを洗い出し、徹底した未然防止策の検討・導入を実施しています。

また、社内で発生した労働災害事例を共有し、労働災害の原因および再発防止策を徹底的に究明し、各事業場にて再発防止に向けた活動を展開しています。

「緊急安全対策プロジェクト」の1つである設備安全ワーキンググループでは、チェックリストを用いて国内外の全ての拠点での設備総点検の結果を受けた安全対策実施を推進・見届けをするとともに、安全ガイドブックの活用により拠点管理者の安全意識の向上を図っています。また、化学物質の安全管理強化に向け、従来の化学物質安全ワーキンググループの取り組みを拡大した研究開発安全部会を発足し、化学物質の安全な取扱いを整理したガイドラインの活用や研究開発に関わるルールの再整備と展開を行うとともに、安全確保と法令順守を確実に行うための化学物質管理システムを国内全拠点に導入し、安全管理体制の強化や徹底した未然防止策を推進しています。

写真:設備総点検、化学物質の適切な管理に向けた安全ワーキンググループメンバーによる点検の様子

ワーキンググループメンバーによる設備総点検

従業員一人ひとりのリスク感度・安全意識のさらなる向上

製造現場のキーパーソンである「係長」・「班長」の拠点を超えた学び合い横断活動である「シン・カカリチョウ会」や「シン・ハンチョウ会」の活動を継続し、潜在的な労働災害リスクや不安全箇所の抽出、気づく力と現場改善スキルの向上により労災の撲滅を図っています。また、各拠点でVR(バーチャルリアリティ)機器を含めた「体感型安全道場」を設置・拡充することにより、従業員一人ひとりが労働災害リスクを直に肌で感じることで、不安全行動の撲滅を目指した活動を進めています。

また、社内で発生した労働災害・火災事故の原因および再発防止策を徹底的に究明して共有することで、各事業場にて再発防止に向けた活動を展開しています。

今後の事業拡大に伴う国内新拠点やグローバル拠点についても、休業災害ゼロ化を目指し、継続した事業活動の基盤強化を図ります。

写真:各拠点の班長が集まり現場確認を通じた意見交換の様子

各拠点の班長が集まり現場確認を通じた意見交換

写真:安全道場におけるVR機器の活用の様子

安全道場におけるVR機器の活用

自然災害への備え

南海トラフ地震や首都直下型地震などの巨大地震の発生に備えて、建屋等のハード面の耐震対策や防潮堤設置による津波浸水対策を進めています。また、ソフト面では、緊急事態を想定した本部訓練、安否確認訓練をはじめとする各種防災訓練のほか、ご家族を含めた安全確保を目的に家庭での防災活動を推進する防災啓発活動を毎年実施しています。

写真:巨大地震による津波に備えた防潮堤

防潮堤