第11回:シリーズ『所在管理・動線分析のすゝめ』(2/2)

所在管理ソリューションの適用例①「作業者の工数分析」
作業者の工数分析では、作業者の社員証や名札などにビーコンを装着し、ロケーターを作業部屋などに設置しておきます。これにより、工場内でのどの工程・エリアで多くの作業が発生しているかの情報が自動的に収集され、リアルタイムに「見える化」することができます(図2)。
作業工数把握のために、手書きやバーコード管理などの人手による追加作業は不要で、作業者に負担をかけずに運用可能です。

図2:作業者の工数分析のイメージ
1日の実作業工数や、時間ごとの工程従事時間の情報収集を行う場合、サーバー上に蓄積したデータを分析して、さまざまな改善につなげます。
例えば、以下のような情報を取得して分析することができます。
- ビーコンを利用した位置情報のマップ表示
ビーコンの電波から、誰がどの工程エリアにいるのかをブラウザー上にマップ表示し、同一ネットワーク上のどこからでも確認できます。 - 工程エリア滞在時間の見える化
収集した位置情報データを統計・分析することで、個人やチームの実作業工数のほか、エリア間推移なども「見える化」できます。 - ロット履歴
設備の作業ログや、生産管理システムのログと組み合わせることで、ロット履歴の確認などにも利用可能です。
このように、簡単な所在確認で作業者のエリア推移を「見える化」することで、工場の生産ラインを支援することができます。これを用いて、労務負荷を高めている所在を究明し、労働環境の改善へつなげることができます。
また、作業者の工数分析は、作業者の安全管理にも適用できます。
例えば、点呼の際に行方が分からない作業者や、災害時に逃げ遅れが懸念される作業者の現在の所在や最後に検知された場所を特定したり、密室や入室が困難なエリアに取り残された人がいないかを簡易的に確認したりできます。位置情報データを統計分析することで、日々のエリアごとの滞在状況や、避難訓練時の密集状況などを見える化し、誘導計画の改善につなげることもできます。
所在管理ソリューションの適用例②
「機材・台車・仕掛品・従業員の位置確認」
上述した「作業者の工数分析」は、人がビーコンを携帯するケースですが、モノにビーコンを設置することにより、モノの所在管理が可能になります。
例えば、ビーコンを機材・台車・仕掛品など設置することで、「機材・資材の持ち出し管理」「機材の稼動率把握」「仕掛品の進行状況確認」「機材捜索時間の短縮」などを行うことができます。高精度な所在管理は、機材管理の徹底や稼働率の把握を実現し、高効率な工場を築くうえで大きな助けとなるものです。
次回は、オフィスを中心にして働き方改革を支える所在管理ソリューションを紹介します。
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