第26回:シリーズ『ビジュアルな作業ナビゲーション活用術』(1/2)

パナソニックが現場で使う「標準作業ナビ」の機能と特長

セル生産方式を採用したパナソニックの工場では、「標準作業ナビ」を導入し、組立作業の標準化と見える化、そして作業効率の継続的な改善に役立てています。今回は、このシステムによって何が可能になるかを中心に、その機能と特長を少し詳しくご紹介します。

3つの基本コンセプト

「標準作業ナビ」は、デジタル映像を作業手順として使い、生産現場における組立作業の標準化として作業手順/作業時間を定義し、作業品質の均一を目指すシステムです。システムの基本コンセプトとして下記の3点を掲げています。

  • 生産現場への「標準作業」の定着を徹底し、製造品質・コストを安定させるとともに、作業改善を加速させる。
  • 作業者の持ち工数の長い「組立セル」や、多品種少量生産ラインでの作業習熟ロスを低減する。
  • 設備メンテナンスにおける作業漏れをなくし、製造品質を向上させる。

こうしたコンセプトのもと、標準作業ナビでは、主として下記の4点を実現します。

(1)作業動画の記録を手順書化:
ベテラン作業者(熟練者)の目線で作業動画を記録し、リアルな映像で効率的に手順書を作成。

(2)映像と音声による作業指示:
映像と音声を使った標準作業のナビゲーションで、作業ミス防止と早期習熟を支援。

(3)さまざまな機器と連携可能:
音声認識デバイスや電動ドライバーなど、作業現場や運用にフィットした機器と連動した作業ナビゲーションが可能。

(4)現場作業の継続的な改善:
動作記録を保存することで、現場の作業実績を電子化。作業者各人の作業効率の確認や、作業工程のボトルネックの把握、さらには、MES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)へデータを取り込んで、工場全体の見える化を加速するなどの応用も可能。

以下では、この4点を中心に、標準作業ナビの機能と特長をご紹介します。

(1)作業動画の記録を手順書化

標準作業ナビでは、ベテラン作業者(熟練者)の目線で撮影した動画から、作業手順書をスピーディーに作成することができます。具体的にはまず、ウェアラブルカメラをベテラン作業者に装着してもらい、作業の様子を撮影します(図1)。

図1:ウェアラブルカメラによる作業撮影のイメージ
図1:ウェアラブルカメラによる作業撮影のイメージ

こうして撮影した動画から、必要な部分を動画や静止画として切り出すことで、作業手順書を簡単に作成していくことができます(図2)。

図2:作業指示作成ツールによる動画・静止画作業手順の編集画面例
図2:作業指示作成ツールによる動画・静止画作業手順の編集画面例

(2)映像と音声による作業指示

上記の要領で作成した標準作業のナビゲーション画面は、例えば図3のようになります。

図3:標準作業ナビの運用画面例
図3:標準作業ナビの運用画面例

標準作業ナビのナビゲーション画面では、作業ごとに映像と音声を使った指示が再生され、作業者をナビゲートしていきます。

映像と音声ガイダンスによる作業指示は、作業の勘やコツを具体的でわかりやすく伝えることができ、初心者でも迷うことなく作業を完了させることが可能になります。また、作業者は、作業を終えて「作業送り」ボタンを押すと、次の作業のナビゲーションが始まり、次作業を行うことができます。さらに、ナビゲーション画面では、標準時間に対する自分の進度が表示されるため、それを作業の“ペースメーカー”として活用し、作業スピードを“標準”に合わせていくことが可能になります。

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