第34回:シリーズ『スマートな工場管理へのステップ』(1/2)

古い設備にIoTソリューションを“あと付け”する
本稿でいう「スマートに管理された工場」とは、複数工場間の情報連携が実現され、かつ、トラブル予兆の管理などがしっかりと行われている工場を指しています。このレベルに工場のIT化・情報化を進める上で、最初の障壁になるのが、IoTデバイスとして機能することのできない古い設備(レトロな設備)です。
このような“つながらない設備”をIoTデバイスとして機能できるようにし、設備から収集したデータを可視化するのが、「MP-Viewer」です。その最大の特長は、既存設備に変更を加えることなく、監視カメラやデータ収集用の「中継PLC(データロガー)」、さらには、データ可視化ツールなどを“あと付け”することで、レトロな環境のIoTデバイス化を実現する点にあります。
そのソリューションの全体イメージとしてはまず、既存設備のPLCや各種センサのデータ、さらには監視カメラの撮像を、中継PLC(データロガー)がリアルタイムに収集します。その収集データに基づいて、設備の「生産数」や「稼働状況」などを、データ可視化ツールでリアルタイムに見える化するわけです。
また、MP-Viewerでは、「トラブル発生履歴」の管理や「日報・月報(生産実績/不良数実績/稼働実績)」を生成・出力することが可能です。
そうしたMP-Viewerの具体的なシステム構成は、図1に示すとおりです。

※ Wi-Fiルーターは標準構成ではありません。 無線環境の構築は、お客様にてお願いいたします。
では次に、上に示した内容を踏まえながら、MP-Viewerの見える化機能についてより具体的にご紹介します。
(1)稼働のリアルタイムモニタリング
MP-Viewerでは、「生産状況」の画面を通じて、設備の稼働・生産状況・監視カメラの映像をリアルタイムに確認することができます。この画面では、日別・設備単位などの切り口で設備の生産実績や稼働率が表示されるほか、生産計画と照らし合わせた生産進捗率や生産終了予定時刻、不良数などが表示されます(画面1)。

また、過去の生産・稼働状況は「生産履歴」「稼働履歴」の画面を通じて参照できます。
さらに、「生産管理」の画面を通じて、稼働日や設備ごとの生産計画数を登録することができます。これにより、生産状況画面/生産履歴画面/報告書画面において、計画数と良品数(生産実績数)との比較が行えるようになります。また、停止時間(昼休みや設備メンテナンスなど、生産しない時間帯)を登録することで、設備の稼働時間を正確に抽出して、正しい設備稼働率を算出することが可能です。
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