第34回:シリーズ『スマートな工場管理へのステップ』(2/2)

「MP-Viewer」で古い設備をIoTデバイス化する

(2)トラブル履歴の可視化と管理

MP-Viewerでは、トラブル停止の履歴をトラブル発生時の映像記録とともに管理する機能を備えています(画面2)。

画面2:トラブル履歴の管理画面イメージ
画面2:トラブル履歴の管理画面イメージ

映像の記録は、トラブル信号発信前後5分間の映像を切り取ったものです(図2)。

図2:MP-Viewerの監視カメラソリューション(トラブル発生時の画面データ)
図2:MP-Viewerの監視カメラソリューション(トラブル発生時の画面データ)

これにより、障害発生時にひもづいた映像をピンポイントで確認することができ、映像を通じたトラブル発生原因の調査も効率化されます。もちろん、トラブル発生時の状況を担当者が記録として残す画面も用意されています。

(3)日報・月報(帳票)の出力

MP-Viewerでは、生産実績や不良数実績、稼働実績をまとめた日報・月報のレポートを出力できます。このレポートにより、生産ラインの課題を突き止めて、次の改善・改革に生かしていくことが可能になります。

このうち、日報の画面では、選択した稼働日の「計画数/良品数の差」をチャートで出力できるほか、「稼働変化」もガントチャートで出力できます。これによって、計画どおり生産できていない時間帯や設備負荷が100%で稼働しているかを明確化できます。そのデータは、生産計画の立案や設備追加などの投資の判断材料として活用できます(画面3)。

画面3:MP-Viewerの日報画面のイメージ
画面3:MP-Viewerの日報画面のイメージ

一方、月報の画面では、1ヵ月間の生産数/稼働状況の推移をチャート出力できます。具体的には、選択した稼働月の「生産計画数と良品数の差」と「稼働割合とトラブル発生数」をチャートで出力することが可能です(画面4)。結果として、日別の生産数の高低、運転時間の長短が⼀目瞭然で把握でき、曜日差など、現場の状況を、より正確に把握できるようになります。

画面4:MP-Viewerの月報画面のイメージ
画面4:MP-Viewerの月報画面のイメージ

以上が、MP-Viewerの見える化の機能です。こうした見える化によって、工程の改善と利益率の改善に貢献することが可能になります。

その成功をテコに、見える化の施策を工場内のほかの工程にも横展開していくことで、工場全体の管理に役立てていくことができます。そして、のちに「工場全体を俯瞰しながら、ものづくり全体の品質管理/数量管理に取り組む」というステップを踏むことで、スマートに管理された工場が実現されるのです。次回は、このステップにスポットをあて、その実現方法について考察します。

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