~第5回~ シリーズ『AI画像認識』(1/3)

「AI画像認識」導入──間違いのないアプローチ~製造AI画像認識のスペシャリストが直言!~

これまでの4回の連載を通じて、製造ラインの効率化という観点から、AI画像認識が「できること」「できないこと」を明確化し、AI(人工知能)画像認識とどのように向き合っていくべきかについて考察しました。では、実際に現場にAI画像認識を適用する場合、どういったアプローチを取るのが適切と言えるのでしょうか。今回は、その点を考察します。

3つのステップで構成する「導入・活用のアプローチ」

これまでの連載で述べてきましたが、AI画像認識による業務効率化を図るうえでは、留意すべきポイントがいくつかあります。
1つ目のポイントは、AIは決して万能ではなく、認識させたいモノの種類によっては、AIよりも他の技術を使ったほうが効率的であるケースがあることです。

また、AI画像認識を実務で活用するうえでは、その頭脳を育てていかなければなりません。具体的には、AIに認識させたいモノに応じて、適切な画像を、適量用意して学ばせる必要があり、そうした画像の選択には、現場の実務に携わっている方の知見を活用することが大切です。加えて、AIの育成時に活用した画像と同様の画像が、実際の現場で撮影できるのかという問題もクリアーにしておかなければなりません。仮に、AIに学習させた画像と同様の画像が、AI画像認識の実活用時にまったく撮影できないのであれば、せっかく育成した頭脳が有効に機能することはまずないと言えるでしょう。

さらに、AI画像認識そのものが業務を効率化するわけではありません。大切なのは、AI画像認識をどう業務の効率化に生かすかで、その意味で、システム化のプランをしっかりと練り上げることが重要です。

以上のポイントを踏まえ、パナソニック ソリューションテクノロジーでは、AI画像認識活用のアプローチとして、次のような3つのステップを踏むことを推奨しています。

第1ステップ:画像認識の可否評価
第2ステップ:システム化の条件評価
第3ステップ:システム化による効果の評価

第1ステップ:画像認識の可否評価

画像認識の可否評価とは、そもそもAI画像認識ができるかどうかを評価するステップです。

このステップでの最初の作業は、ディープラーニングに認識させる対象物を教えるための画像集めです。 最初の段階では、対象物の最も典型的な条件の画像を数十枚程度準備します。次に、この画像に映る対象物を指定するための作業(ラベル付け)を行い、このラベル付けした画像を用いて、画像認識するための頭脳を生成します。そして、その教えた画像自身が認識できるかを評価します。
AI画像認識の頭脳を業務で活用できるレベルに育てるには、最終的には、適切な教師データを大量に用意して学習させることが必要ですが、まずは、一番よい条件で撮影した対象物「そのもの」が認識できなければ、それ以上の複雑な条件で撮影された対象物は認識できません(図1)。

図1:学習させた画像と認識させたい画像

図1:学習させた画像と認識させたい画像

なお、教師データをどう収集するかは、AIに何を認識させたいかによって異なりますが、例えば、製造現場での「モノの分類」にAI画像認識を使うと想定した場合、最終的には、現場で認識させたい同等の条件で対象物が含まれている画像を適切なタイミングで撮影して、静止画に対してラベル付けを行う必要があります。 この際、対象物を、さまざまな条件(方向や明るさなど)で撮影した静止画が必要となりますので、動画で撮影しておいて、後から学習に適切な画像(動画のフレーム)のみを抜き出して利用する方法がよく用いられます(図2)。

いずれにしても、実際に画像認識を行う場面を想定して、さまざまなパターンの画像を用意しなければなりません。

また、AI画像認識のシステムを導入する際に、認識させたい対象物の画像が、本当に撮影可能かどうかをまずは確認しなければなりません。

図2:画像認識の主な流れ

図2:画像認識の主な流れ

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