第30回:シリーズ『RPA真・活用術』(1/2)

RPA導入の効果を上げる秘訣【その1】

RPA(Robotic Process Automation:ロボティック プロセス オートメーション)の導入効果を最大化する方策について検討する当シリーズ。2回目となる今回からは、RPAの導入効果を上げる秘訣を、パナソニック ソリューションテクノロジーの「RPAソリューション」を題材にご紹介していきます。まずは、このソリューションを構成する「RPAConnect」についてお話しします。

ロボットだけが仕事をスピーディーに処理しても・・・

RPAはパソコンを使ったデータ入力などの処理を、ロボット(ソフトウェアロボット)に代行させる仕組みです。これにより、業務の効率化が可能になりますが、RPAのロボットは、“デジタルレイバー(デジタルの従業員)”とはいえ、人と一緒に業務を回すスタッフであることに変わりはなく、担当する処理は業務プロセス全体の一部に過ぎません。

例えば、前回触れたように、「受注」の処理(プロセス)にしても、「(1)注文書のデータを業務システムに入力する」「(2)入力されたデータを目視で確認する」「(3)入力データに対する承認を上長に依頼する」「(4)上長が承認を行う」といった具合に、ロボットに担当させられる“データ入力”のほかに、人による処理、つまりは「目視での確認」「上長への承認依頼」「上長による承認」などが含まれています。

また、「上長への承認依頼」と「上長による承認」との間には「待ち」の時間が発生するのが通常で、「承認依頼」の作業にも手間がかかることが多くあります。

したがって、ロボットにデータ入力を担当させて、データ入力に要する人の工数を半減させたとしても、業務プロセス全体としての工数削減の効果、あるいは時短の効果は限定的な範囲にとどまることになります。

しかも、ロボットに処理を代行させていると、作業がいつ完了したかが人から見えづらくなり、ロボットによる作業の終了と、人による次の作業(上の例で言えば「目視による確認」)との間にも「待ち」の時間が発生してしまうことがあります。その結果、業務プロセス全体に対するRPAの効率化効果はさらに薄れてしまうのです(図1)。

図1:RPA導入による工数削減のイメージ
図1:RPA導入による工数削減のイメージ

RPAConnectによる課題の解決

上述したような課題を解決するうえで必要になるのは、RPA導入後の業務プロセス全体に視野を拡げて、トータルでの効率化を実現する施策を打つことです。

言うまでもなく、「目視での確認」や「上長による承認」という処理自体は、ロボットによる完全自動化が不可能(というよりも、そうすることに意味のない)プロセスです。

ただし一方で、ロボットによる作業の進捗が人から見えるようになれば、ロボットによる処理と、それに続く人による処理との間の「待ち」時間をゼロに近づけることが可能になります。また、ワークフローのシステムを使えば、「上長への承認依頼」の処理を効率化することが可能になるほか、「上長による承認」も簡素化でき、“承認待ちの時間”を大幅に削減することができるようになります。

このような考え方に基づき、RPA導入の効果を高める一手としてパナソニック ソリューションテクノロジーが開発しているのが「RPAConnect」です(2019年10月より販売開始予定)。

RPAConnectは、RPAだけでは実現できない業務全体の「進捗管理」と「プロセス設計・作成」「可視化」「ワークフロー管理/証跡管理」などを実現するソリューションです(図2)。

図2:RPAConnectの機能構成
図2:RPAConnectの機能構成

RPAとあわせてRPAConnectを活用することで、ロボットによる作業を含めた業務全体の進捗管理ができるようになり、「ロボットによる処理が、今、どのような状況にあるか」が可視化できます。そのため、先ほど述べた「ロボットによる作業の進捗が見えづらい」といった問題が解決でき、ロボットと人の連携がスムーズになります。

また、RPAConnectでは、パナソニック ソリューションテクノロジーの実績豊富なワークフローエンジンを使いながら、申請(承認依頼)/承認のプロセスを効率化することが可能なほか、業務プロセスの設計・作成も、ビジュアルに、ノンプログラミングで(つまり、プログラムを記述することなく)行えます。しかも、その設計・作成の作業は、RPAツールを使って処理のシナリオを設計・編集したりするのと同じ感覚で行うことが可能です。さらに、簡単な操作で条件分岐を設定することにより、個々のロボットをよりシンプルにすることができ、メンテナンス負荷の軽減や安定性の向上を図れるメリットがあります。

こうした機能によって、ロボットによる処理と人による処理が高効率でつながり、業務プロセス全体の工数削減が実現されるのです(図3)。

図3:受発注業務へのRPAConnectの適用イメージ
図3:受発注業務へのRPAConnectの適用イメージ

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