第16回:シリーズ『実効果を生む働き方改革』(1/2)

「働き方改革」の成功を支えたITソリューション(後編)

前回は、パナソニック ソリューションテクノロジーが「働き方改革」のために活用しているITソリューションとして、「柔軟な働き方の実現」で成果を上げているITソリューションについて紹介しました。今回は、「労働生産性の向上」に大きく貢献しているITソリューションについて取り上げます。

働き方改革の成否を分ける「労働生産性の向上」

「働き方改革」では、さまざまな目的に向けた施策を一挙に推し進めなければなりません。例えば、長時間労働を是正するにしても、業務を効率化する施策を打たないまま従業員の労働時間だけを管理して、削ろうとすれば、収益の維持・向上が困難になります。

ゆえに、従業員の働く環境を、より働きやすく、時間が有効に使える環境へと変化させたり、労働生産性の向上に結び付かないような業務を可能な限り自動化し、社員の繁忙感を和らげたりすることが必要とされます。

こうした観点から、パナソニック ソリューションテクノロジーでは、2016年から推進してきた働き方改革の中で、「柔軟な働き方の実現」「労働生産性の向上」のための施策を同時進行で展開してきました。その取り組みを下支えし、かたちある成果へとつなげているのがITソリューションです。

前回、そうしたITソリューションの中から、「柔軟な働き方の実現」を支えているITソリューションについて紹介しました。今回は、「働き方改革」を推進する企業にとって、きわめて重要な取り組みであり、働き方改革の成否を分けるポイントとも言える「労働生産性の向上」で成果を上げているITソリューションを紹介します。

業務の可視化と自動化に向けて

「労働生産性の向上」を実現するうえで必要とされる要素の一つは、業務内容を可視化して、「非生産的」な業務を洗い出し、その業務を自動化することです。これにより、従業員の「繁忙感」を和らげ、かつ、生産的な業務に多くの時間を振り向けさせることが可能になります。

パナソニック ソリューションテクノロジーでも、働き方改革の推進にあたり、そうした業務の可視化と自動化のためのソリューションを導入しました。これは、業務を自動化する「OCR(光学式文字読取)」と「RPA(ロボティック プロセス オートメーション)」を組み合わせたものです。

このソリューションによる自動化の主たるターゲットにしたのは、間接部門(経理・調達など)における受注処理や取引先情報登録・更新などの定型業務です。例えば、受注処理業務への適用イメージは図1に示すとおりです。

図1:受注処理業務への「OCR+RPA」ソリューションの適用イメージ

図1:受注処理業務への「OCR+RPA」ソリューションの適用イメージ

この適用例ではまず、メール添付のかたちで受け取る注文書の内容をOCRソフトによってテキストデータ化し、そのうえで、受発注システムのデータベースマスターに対する照会をかけ、OCR結果を補正しています。その後、RPAツールによって注文書のデータを自動的に業務システムに入力するようにしています。

ここで活用しているOCRソフトは、シリーズ累計出荷数1,000万ライセンスを誇る「帳票OCR」です。また、RPAツールとして、UiPath社の「UiPath」を使用しており、それらのツールと、文書管理システム「Global Doc」やコンテンツ管理システムの「CrossLead」、さらには、ワークフローシステム「Global Flow」などを連携させながら、さまざまな業務の自動化に取り組んでいます(図2)。

図2:社内での「UiPath」の活用画面例

図2:社内での「UiPath」の活用画面例

しかし、RPAツールを導入すれば、すべてロボットが自動的に処理してくれるわけではありません。処理の合間には、「人の判断・承認」が必要になる場合も多く、そこで業務が滞留したり放置され、思うような成果が出ないケースが見受けられます。パナソニック ソリューションテクノロジーでは、こうした「ロボット」と「人の判断・承認」をシームレスに繋ぐ工夫を取り入れることで、前々回の本連載でも触れたように「月間100時間を要していた受注データ登録を3時間に短縮する」「月間53時間かかっていた発注書作成を2時間に圧縮する」といった劇的な成果を手にしているのです。

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